8月17日、国際強化試合「SoftBank CUP 2023 東京大会」に出場した男子日本代表(FIBAランキング36位)の…

 8月17日、国際強化試合「SoftBank CUP 2023 東京大会」に出場した男子日本代表(FIBAランキング36位)の富樫勇樹が、70-88で敗れたフランス代表(同5位)戦後の取材に応じた。

 15日のアンゴラ代表(同41位)戦に続いてベンチスタートだった富樫は、18分58秒の出場でチーム2位の15得点、3アシスト1スティールを記録。3ポイントシュートは9本中5本を決めるなど、劣勢のなかでもチームをけん引する働きを見せたが、「たまたまノーマークだった場面が多かった」と冷静に振り返り、「特に点数を多く取ったという感覚はないですけど、3ポイントは自分の強みではあると思うので良かったと思います」と頷いた。

 最多5本を決めた富樫を筆頭に、日本は「FIBAワールドカップ2023」でも鍵となる3ポイントを44本試投。終わってみれば同成功率29.5パーセントに留まったものの、前半は内外からバランスよく得点を重ね、フランスからリードを奪う時間帯もあった。

 富樫は「これだけ3ポイントを多く打つチームなので、3~4本立て続けに外れることはある。リングにアタックしたいという気持ちもあるんですけど、7フッター(213cm以上)の選手が3人コートに立っている状況で、レイアップに行くことが簡単ではないのはわかっているので」と、あらためて世界トップレベルのサイズを誇る強豪との“差”を感じたことを明かしながらも、「(内外の)割合が上手くいけている時間帯は良いバスケットができていると思う。今日の試合は本番に向けていい勉強になったと思います」とも話した。

 そんな一戦を通して、キャプテンを務める富樫が最大の収穫として挙げたのが「経験」だった。「僕や比江島(慎)選手はオリンピックもそうですし、親善試合も含め、こうやってヨーロッパのチームとやってきていますけど、河村(勇輝)だったり、吉井(裕鷹)や井上(宗一郎)といった若い選手たちが、ワールドカップ本番前にこういったサイズの選手たちを相手にプレーできたことで、彼らも感じていることがあると思う。今日はそれが一番大きかった」と続けた。

 試合の勝敗を分ける後半は壁に弾き返される格好となり、シュート精度や相手ビッグマンに対するファウルの使い方など、反省点についても言及していたが、「ジョシュ(ホーキンソン)選手もコンディションが良くなってきていると思うし、ピックポップだったり3ポイントが決まりだしたら、また違うチームになってくると思います」とも語り、大舞台を前にポジティブに捉えられる“伸びしろ”もある。

 大黒柱と見込まれていた渡邊雄太が15日のアンゴラ戦で負傷し、「正直に言えば雄太だったりジョシュも万全な状態で調整したかった部分はあります」と本音を漏らしながらも、「それでも雄太なしでこのチームはWindowも戦ってきた。もちろん雄太の力は必要になりますけど、そこに頼らず戦えるという意味では、すごくいい試合になったのかなと思います」と、最後も前向きな言葉で締めくくった。

 日本は19日にスロベニア代表(同7位)と国際強化試合を行い、ワールドカップの開催地である沖縄へ移動。日本、フィリピン、インドネシアの3カ国で共催されるワールドカップ1次ラウンドでは、25日にドイツ(同11位)、27日にフィンランド(同24位)、29日にオーストラリア代表(同3位)と対戦する。

【動画】W杯目前の日本代表が強豪に食らいついた…フランス戦ハイライト