次々とライバルをなぎ倒し、圧倒的強さを見せつけている井上。そのパフォーマンスに賛辞が相次いでいる。(C)Getty Images  井上尚弥(大橋)にとって、年内での開催が有力視されるマーロン・タパレス(フィリピン)と…

 

次々とライバルをなぎ倒し、圧倒的強さを見せつけている井上。そのパフォーマンスに賛辞が相次いでいる。(C)Getty Images

 

 井上尚弥(大橋)にとって、年内での開催が有力視されるマーロン・タパレス(フィリピン)との試合は文字通りの大一番となる。

 去る7月25日に東京・有明アリーナで開催されたボクシングの世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、WBC&WBO同級王者スティーブン・フルトン(米国)を撃破した井上。21戦無敗の男を圧倒するパフォーマンスによって声価を高めた30歳が、次なる標的に据えたのが、同階級で残る2本のベルトを所持するタパレスだった。

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 すでに水面下で実現に向けた動きが加速している。フィリピンの日刊紙『The Daily Tribune』によれば、両陣営は交渉を実施。今年12月に東京ドームで4団体統一戦を方向で話し合いが進んでいるという。

 井上がタパレスに勝てば、日本人史上初となる2階級での4団体統一だ。連勝街道を邁進し続ける“モンスター”にとっては是が非でも手にしたいところだろう。

 あくまで現時点ではあるが、下馬評は井上の圧倒的優位という見方が強い。タパレスの母国でもそれは揺るぎない。日刊紙『Sun Star』でアナリストを務めているジンゴ・キハーノ氏は「イノウエは現在のボクシング界でクロフォードと並んで頂点にいる」と絶賛。「モンスター」と称されるアグレッシブなファイトスタイルを称えている。

「かつて、ノニト・ドネアとの初戦で眼窩骨を骨折し、苦戦を強いられたイノウエの実力を疑う者もいた。しかし、身体がより大きくなり、強くなった彼は凄まじい打撃でフルトンを一晩中殴り続けた。スピードとパワーでフルトンを圧倒したことで過小評価していた人たちの間違いは証明されている」

 さらに井上の強さを実際に目の当たりにした現役戦士も井上の勝利を断言する。20年10月の対戦でKO負けを喫していた現WBO世界バンタム級王者ジェイソン・マロニー(オーストラリア)は、米ボクシング専門メディア『PRO BOX TV』の取材に「イノウエが楽に勝つよ。間違いない」と語った。

「当然、次に彼がタパレスと戦うことは分かっている。イノウエの楽勝だ。彼は2階級での4団体統一をやってのけるだろうね。偉大なファイターたちがベルトを獲得するのを見るのは、とてもエキサイティングだし、素晴らしいことだ。ボクシング界にとってもね」

 早くも機運が高まっている井上とタパレスのメガマッチ。日本が生んだモンスターがふたたび4本のベルトを掲げる光景を目にできるだろうか。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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