7月29日放送の「卓球ジャパン!」は、早くも今年で6シーズン目となるTリーグの開幕戦の熱い戦いを生放送で解説。今期から男子に「静岡ジェード」「金沢ポート」の2チームが新たに加わり、男女ともに6チームでの優勝争いとなる。加えて、Tリーグでの各…

7月29日放送の「卓球ジャパン!」は、早くも今年で6シーズン目となるTリーグの開幕戦の熱い戦いを生放送で解説。

今期から男子に「静岡ジェード」「金沢ポート」の2チームが新たに加わり、男女ともに6チームでの優勝争いとなる。加えて、Tリーグでの各個人の戦績が、大詰めを迎えようとしているパリ五輪代表選考ポイントも兼ねているため、その点の緊張感もプラスされる特別なシーズンとなる。

記念すべき開幕戦の男子は、今年は2連覇がかかる「琉球アスティーダ(以下、琉球AS)」と、昨年惜しくもファイナルで敗れた「木下マイスター東京(以下、KM東京)」のカードとなった。

第1マッチのダブルスは、琉球AS、KM東京の順に、有延大夢/シュウ・ユウ(中国)vs大島裕哉/リン・ユンジュ(台湾)の国際ペア同士の戦いとなり、琉球ASペアが勝利。大事な初戦をモノにした。

そして、第2マッチに登場したのが、張本智和と篠塚大登。それぞれ世界ランキングで日本選手中1位と2位という超ハイレベルの同級生対決だ。張本はパリ五輪選考レースでもトップを独走中だが、篠塚も水谷隼2世とも言われ急成長しつつある左腕選手。

出足から張本が篠塚を圧倒するが、この試合で特徴的なのは、両者ともにサーブでの得点が多いこと。これまで何度も対戦していてお互いに手の内を知っているにもかかわらず、サーブが効くところが、この2人のサーブの質の高さを表しているとMC平野早矢香。

「私も取ってみたいんですけど、張本選手の下回転は見た感じよりすごく重いんだと思うんですよね」(平野)

「みなさん言いますもんね。張本選手の下回転は本当に回転がエグいって」(MC武井壮)

一方の篠塚のサーブは、タイミングが絶妙と平野。タメためを作って打球の瞬間ギリギリまでコースや長短を相手にわからせない技術が素晴らしく、そのために張本でさえも逆を突かれるという。

篠塚の卓越したセンスが伺えるのが、固いブロック。2ゲームを連取して勢いに乗る張本が第3ゲーム、バックに倒れ込みながら強烈なフォアドライブを放ったが、篠塚が見事にバックブロックで抜き去ると、張本は茫然と見送るしかなかった。

琉球アスティーダ 写真:T.LEAGUE_アフロスポーツ

もう一つ、平野が注目したのが10-7からの篠塚のプレー。張本のバックハンドが篠塚のコートの角に当たり、バウンドが変化したボールを何事もなかったかのようにフォアハンドで打ち返したのだ。あまりにスムーズに打ち返したため、平野が解説しなければ誰も気がつかないほどだった。

「水谷選手のようなボールタッチの柔らかさを感じる」と平野。

そんな巧者の篠塚を張本が力でねじ伏せ、ストレートで勝利。琉球ASが王手をかけた。

しかしここからKM東京が2点を連取し、勝負の行方はビクトリーマッチへ。

勝利を託されて登場したのは張本と及川瑞基。両者の対戦で思い出されるのは、2021年全日本選手権での準決勝。及川が勝利して初優勝まで突き進んだのだが、そのときの張本の防戦一方となった弱気のプレーが印象に残っていると平野。

しかし、成長著しい張本は、このビクトリーマッチで当時とは見違えるようなプレーを見せた。それがもっともよく表れたのが8-5からのプレー。張本のサーブを及川がミドルにバックドライブしたのを力強いフォアハンドで豪快に抜き去った。以前の張本なら、バックハンドで守るところだが、篠塚との試合でもこのプレーが随所で見られた。

「張本選手は今までミドルを狙われることが多かったんですけど、そこをフォアで狙おうというのを見せてる。これがすごく重要なところ」(平野)

最後は追い込まれた及川が3球目で回り込んで捨て身のフォアハンドドライブを放ったが、張本が得意のバックブロックを決め、チームの勝利を決めた。

今年も熱いTリーグから目を離せない。

「卓球ジャパン!」BSテレ東で毎週土曜夜10時30分放送