全世界が注目するメガマッチを制したクロフォード(左)。その戦いぶりは井上とのPFP議論を白熱させている。(C)Getty Images 世界が震撼した。現地7月29日に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナでボクシングの世界ウ…

全世界が注目するメガマッチを制したクロフォード(左)。その戦いぶりは井上とのPFP議論を白熱させている。(C)Getty Images

 世界が震撼した。現地7月29日に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナでボクシングの世界ウェルター級4団体王座統一戦が行われ、WBOスーパー王者のテレンス・クロフォード(米国)が、3団体統一王者エロール・スペンスJr.(米国)に9回TKOで勝利。史上初となる2階級での4団体統一を達成した。

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 勝った方が史上最強だ――。そんな見方が大半を占めた世紀の一戦で、クロフォードは長年のライバルを圧倒した。2回にカウンターからのワンツーによるコンビネーションで1度目のダウンをもぎ取ると、その後もスペンスJr.に反攻の余地を与えずに試合を進行する。

 そして7回にカウンターの右アッパーで2度目のダウンを奪ったクロフォードは、9回に勝負を決める。強い右ジャブと右フックで相手を後退させると、完全に防戦一方となったスペンスJr.に猛ラッシュを展開。すかさずレフェリーストップが入り、メガマッチに決着がついた。

 キャリア40戦無敗としてボクシング史にその名を刻んだ35歳は、リング上で「いろいろな感情が入り乱れているが、とにかく神に感謝しかない」とコメント。世界に向かって快哉を叫んだ。

 ともに無敗の王者で、パウンド・フォー・パウンド(PFP)上位ランカー同士によるメガマッチを制したことで、日本が誇るモンスターとの争いにも注目が集まった。

 今月25日にスティーブン・フルトン(米国)を相手に鮮烈な8回TKO勝ちを収めた、4階級制覇を達成した井上尚弥(大橋)。その衝撃的なパフォーマンスから試合後には「何があってもイノウエこそがPFPの1位だ」という意見は絶えなかったが、クロフォードの圧勝劇はそうした空気を一変させた感がある。

 事実、目の肥えた海外のボクシングファンの間でも意見は割れている。英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』のマイケル・ベンソン記者が試合直後に自身のツイッターで「PFPのキングはイノウエか? クロフォードか?」と投稿するとコメントが殺到。「クロフォード。疑いの余地はない」「どちらも素晴らしいが、さすがにクロフォードだ」「イノウエのパワーは凄まじい」「どちらもトップにしたい」「さすがにクロフォードが支配する。イノウエは僅差で2位かな」と様々な意見が寄せられた。

 戦前から議論が沸き起こっていたPFP争い。クロフォードが圧倒的なパフォーマンスを見せたために、より論争は盛り上がっていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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