全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は29日、札幌市でレスリングの女子個人決勝が行われ、53キロ級では尾西桜(埼…
全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は29日、札幌市でレスリングの女子個人決勝が行われ、53キロ級では尾西桜(埼玉・埼玉栄)が筒井双(福島・ふたば未来学園)を破り、初優勝を飾った。
女子53キロ級決勝。昨年のU17(17歳以下)世界選手権2位の実績を持つ尾西だったが、相手の筒井に先にポイントを奪われた。
「勝ちたい気持ちが先走ってしまった。でも絶対大丈夫だと信じていた」。日頃、リードを許す展開も考えて練習に取り組んできただけに、焦りはなかった。すぐにポイントを奪い返すと、最後はフォール勝ち。初優勝に両手を突き上げて喜びを表現した。
1年生で出場した総体では同じ階級で準優勝。決勝では、現在、連勝記録で注目を集めるパリ五輪代表候補の藤波朱理(日体大、当時は三重・いなべ総合)に、テクニカルフォール負けを喫した。「チャレンジャーとして勝ちにいったけど、どうしても勝てなかった。力の差を感じた」。2年の総体はU17世界選手権の日程の都合で欠場。今年も31日からトルコで同じ大会が開催されるが、「3年なので絶対に優勝したい」と厳しい日程を覚悟して最後の総体に臨み、結果をつかんだ。
夢は2028年のロサンゼルス五輪での金メダル。「藤波選手はあこがれであり、目標。まだまだなので、早く追いつけるように頑張りたい」。持ち味の攻撃的なレスリングを武器に、藤波を追いかける。(荒井秀一)