バンタム級で“モンスター”を称される規格外のパワーを見せつけてきた井上。その圧倒的な強さに賛辞が寄せられた。(C)Getty Images  ゴングが鳴る前から名勝負となる予感はプンプンに漂って…

 

バンタム級で“モンスター”を称される規格外のパワーを見せつけてきた井上。その圧倒的な強さに賛辞が寄せられた。(C)Getty Images

 

 ゴングが鳴る前から名勝負となる予感はプンプンに漂っている。7月25日に東京・有明アリーナで幕が開けるWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)と井上尚弥(大橋)の一戦だ。

 一撃で相手を仕留められるパワーを持つ井上と、相手に合わせた戦術を施行できるスキルを持つフルトンは、ともにプロキャリアで無敗。ファイトスタイルこそ異なるが、図抜けた勝負強さでボクシング界を席巻してきただけに、小さくない話題性を誇っている。

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 やはり注目は今年1月にスーパーバンタム級に階級を上げた井上のパフォーマンスだ。当人は3月の記者会見で「しっかりと仕上げて最高の結果を出すだけ」と自信を見せてはいたが、やはり初陣。相手が同階級での現役チャンピオンとなれば、緊張感はこれまでと異なるものになるのは想像に難くない。

 はたして、「モンスター」は、アメリカの天才といかにして対峙するのか。その試合展開には、ボクシングの本場でも注目が集まっている。米専門サイト『Boxing Scene』のクリフ・ロルド記者は「日本で行なわれるフルトンとイノウエの戦いは、今年最高のマッチメイクかもしれない」と指摘。「両者ともに全盛期にあり、これ以上にないタイミングでその時を迎える」と“忖度”なしに期待を込めた。

「約50年ぶりにバンタム級の完全統一王者となったイノウエは、次の階級での王座、そして4本のベルトを狙っている。一方のフルトンはボクシングというスポーツにおける最高の選手としての地位を確固たるものにしようとしている。全くもって展開は読みにくい。
 勝者には、二冠王のマーロン・タパレスとの対戦への道が開かれるわけだが、フルトンがイノウエを打ち負かすのか、それとも世界で最も才能がある破壊的なファイター(井上)が、あらゆる階級で見せてきたような惨状をもたらすか。これ以上にない好カードだ」

 刻一刻とその時が迫り、周囲も賑わいを見せ始めている。「世紀の一戦」との期待も高まるメガマッチでの井上の躍動を期待せずにはいられない。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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