アミノバイタルカップ2023 第12回関東大学トーナメント大会 兼 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選早大…

アミノバイタルカップ2023 第12回関東大学トーナメント大会 兼 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選
早大0-0
1-1
延長前半0-0
延長後半0-0
PK4-5
国士舘大
【得点】
(早大)66’鈴木大翔
(国士舘大)74’西本大輝

 中2日で迎えたアミノバイタルカップ(アミノ杯)準決勝。準々決勝で法大を下し、総理大臣杯への出場を決めたア式蹴球部(ア式)は、まずはアミノ杯を制し関東王者となるべく前回王者の国士舘大と対戦した。試合は序盤からア式が細かいパスワークで相手の守備の穴を探す展開が続く。準々決勝では温存したMF植村洋斗副将(スポ4=神奈川・日大藤沢)を中心に、相手ゴールを攻め立てるがなかなかネットを揺らすまでにはいたらない。それでも66分、植村のロングスローからFW鈴木大翔(スポ1=ガンバ大阪ユース)が押し込み先制に成功する。しかし、74分に同点にされると、その後は互いに譲らず、後半そして15分ハーフの延長戦も終了し、勝負はPK戦へともつれ込む。迎えたPK戦、両チームとも1人目が成功する中、ア式は2人目のMF伊勢航(社3=ガンバ大阪ユース)が失敗。一方の国士舘大は5人全員が落ち着いて決め勝負あり。PK戦の末、敗れ、3年ぶりのアミノ杯決勝進出とはならなかった。

 


試合後の選手たち

 連戦続きということもあり、メンバーを大きく入れ替えて臨んだア式は、立ち上がりから積極的にボールを動かし攻撃の糸口を探る。6分には左サイドでボールを持つと、植村、DF石川真丸(スポ3=名古屋グランパスU18)、MF安斎颯馬(社3=青森山田)とワンタッチでボールをつなぎ、最後はMF小松寛太(教4=東京・早実)が思い切りよく右足を振り抜くが、これは枠の外へ。すると21分にアクシデントが発生。安斎が相手DFとの接触で負傷し、交代を余儀なくされる。それでも、相手に流れを渡さなかったア式。29分には、鈴木が植村とのワンツーからスルーパスを送ると、石川がエリア内でシュートを放つも、これは相手GKに防がれる。36分、高い位置でボールを奪ったDF神橋良汰(スポ3=川崎フロンターレU18)がゴール前まで持ち込みゴールを狙うが、これは枠の上へと外れる。41分にも、再び鈴木と植村のワンツーでゴール前へと迫ると、最後は植村がアウトにかけたシュートを放つが、これも相手GKに弾かれてしまう。チャンスをつくりながら得点は奪えず前半を終えた。

 


パス回しの起点となった福井

 雨足が強まった後半も、ア式ペースのまま試合は進む。すると66分、ついに均衡が破れる。左サイドの植村のロングスローからゴール前に混戦ができると、神橋がシュート。一度は防がれるが、こぼれ球を鈴木が詰め待望の先制点を奪う。これで勢いに乗ったア式は、得点後もショートカウンターを中心に、テンポの良い攻撃を繰り広げ相手ゴールを脅かし続ける。しかし74分、兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)が「隙を付かれた」と振り返るように、一瞬の気の緩みから同点弾を許してしまう。その後は拮抗(きっこう)した展開が続く。ア式はセットプレーや植村のロングスローからチャンスをうかがうが、最後のところで決め切ることができず。逆にアディショナルタイムには相手のロングスローからピンチを迎えるが、GKヒル袈依廉(スポ3=鹿児島城西)のビックセーブもあり、何とか難を逃れる。同点のまま90分が終了し、勝負は延長戦へともつれ込んだ。

 


得点を決めた鈴木と抱き合う奥田

 延長戦に入ると、互いに疲労の色が見え始め、決定機をつくることができない。それでもア式は延長後半から、再び攻撃のギアが上がり出す。107分にはゴール前の混戦から小松、109分にはクロスからMF山市秀翔(スポ2=神奈川・桐光学園)の反転してからのシュート、112分にはMF平野右京(人4=兵庫・滝川)のクロスからFW奥田陽琉(スポ4=柏レイソルU18)がフリーでヘディングと、際どいシーンはつくるがいずれも枠を外れてしまう。120分戦っても決着はつかず、勝敗はPK戦に委ねられた。迎えたPK戦。先行のア式は1人目のキッカー小松が見事成功。一方の相手も1人目がしっかりと決める中、迎えた2人目。伊勢のキックがポストに嫌われてしまう。その後相手の2人目は冷静に決めリードを許す展開に。その後、ア式は3人目の植村、4人目の山市、5人目のDF森璃太(スポ4=川崎フロンターレU18)が確実に成功するが、相手も譲らず4人目まで全員が成功。そして、相手の5人目。決まればア式の敗北が決まる中、ゴール右隅に沈められそのまま試合終了。PK戦で4-5と敗れ、アミノ杯決勝進出とはならなかった。

 


今季初先発となった小松

 互いに死力を尽くした120分間。中1日や2日という過密スケジュールの中、両チームの選手が最後まで集中を切らさず雨の中を走り切った姿に、会場にいた多くの人が胸を打たれたことだろう。ア式としては、相手よりも多くのチャンスや決定機をつくっていただけに勝ち切りたかったところだが、「勝敗というところでは、日頃のトレーニングでどれだけ細かいところまで突き詰められるかというところの積み重ねがまだまだ甘かった」(兵藤監督)と、勝利を手繰り寄せる最後の一手がやはり足りなかった。これでアミノ杯決勝進出とはならなかったが、中1日で順大との3位決定戦が待っている。「全国の出場権は獲得したけど、4位で出るのか3位で出るのかは全然違いますし、その後には早慶戦とかもあるので、勝っていい雰囲気で次につなげたい」と小松。タイトル獲得こそなせなかったが、アミノ杯最後の一戦をしっかりと勝ち切り、関東3位となってここから先の試合に臨みたい。

(記事・写真 髙田凜太郎 写真 水島梨花 取材 安岡隼人)

 

 

早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GKヒル 袈依廉スポ3鹿児島城西
DF23佐々木 奈琉社2新潟・帝京長岡
DF中谷 颯辰 基理4静岡学園
DF13神橋 良汰スポ3川崎フロンターレU18
DF石川 真丸スポ3名古屋グランパスU18
→96分森 璃太スポ4川崎フロンターレU18  
MF福井 寿俊文構4東京・国学院久我山
→102分24伊勢 航社3ガンバ大阪ユース  
MF10◎植村 洋斗スポ4神奈川・日大藤沢
MF安斎 颯馬  社3青森山田
→21分22平野 右京人4兵庫・滝川  
MF31成定 真生也スポ3神奈川・日大藤沢
→57分14山市 秀翔スポ2神奈川・桐光学園  
MF11小松 寛太教4東京・早実
FW26鈴木 大翔スポ1ガンバ大阪ユース
→75分奥田 陽琉スポ4柏レイソルU18
◎=キャプテン
監督:兵藤慎剛(平20スポ卒=長崎・国見)

コメント

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

――試合全体を振り返っての感想をお願いします

 試合を全体的に見ると悪くなかったのかなという感じはあるんですけど、前半でもっと点は正直取れたと思います。早稲田としての悪い癖というか、中盤でうまいだけで結局怖い攻撃が少なかったのかなというところでは、もっと圧力を相手にかけれたのではないかというのはありました。それでもしっかりと後半に点を取れた中、自分たちのボールの処理ミスというで崩されたって感じでもないし、そういうところの隙を付かれたなと。逆に自分たちは相手の隙を付けなかったというか、相手のミスも結構あったので、そこをしっかり決め切れなかったのが敗因かなと思います。

――中2日での1戦でスタメンも8人9人と変えてきたと思いますが、連戦の疲労というのを考慮していましたか

そういうところも考慮しながら、その中でも勝てるメンバーをセレクトしました。実際にピッチ上でも表現してくれた部分もかなりたくさんあったので、そういったところで良かったなというところがありつつも、やっぱりそこが勝つまでに至らなかったというところは何かしら細部が足りないんじゃないかというのがあります。やっぱり勝敗というところでは、日頃のトレーニングでどれだけ細かいところまで突き詰められるかというところの積み重ねでしかないので、そこがまだまだ甘かったかなと思います。

――前回王者・国士舘大との一戦で実際に戦っての印象と、対策してきたことについてお願いします

 ある程度のことは分析して、こういったことをやってくるというイメージ通りで、そこに対して選手もすごくしっかりやってくれたと思います。ただやり切れなかった部分も攻撃に関しては多かったのかなというところではあって、後半の入りは相手の圧にビビってしまったというか、あのぐらいのプレッシャーだったら自分たちだったらもっとできるという自信もあるのにちょっとそこで相手に飲まれた時間帯があったので、もったいなかったなというところもあります。それでも、相手がどこであれ今年の早稲田はやることは変わらないので、そこだけはブレずにしっかりやり続けるという中、攻撃は水ものだって言われる中でも早稲田は常に毎試合3点取るっていうところを目標にしているので、そういったところでは(この試合は)あと2点足りなかったと思います。別に1点入れられてもあと2点取れてたら勝てたっていうのが今年の早稲田が目指すサッカーなので、そこに関してはやっぱりまだまだクオリティは足りないなと思いますね。

――このチームになり、初めて120分戦いましたが、延長に入るタイミングでどのように指示しましたか

 自信なくサッカーしたりとか自分たちが迷いながらサッカーするのが一番疲労度も溜まるし、相手も隙をつくると思ったので、しっかり自信を持ってやり続けるところだったり、疲れてる中でもしっかり頭を使ってプレーする、集中を切らさないと伝えました。

――1部相手に後ろからつなぐ細かいパスワークを発揮できたと思いますが、そこに関してどう評価していますか

 1部2部関係なく常に相手を圧倒できるようにサッカーをしたいなと思いますし、その中で今回のアミノバイタルカップでベスト4に2部が3チームいるというところでは、1部と2部の差ってそんなに大きな差では無いのかなという中でのそこの勝敗につながる微々たる差っていうところだったり、ちょっとした違いっていうのを今後突き詰めていきたいです。細かいところ、勝負に対する思いだったりが出てくると思うので、そういうところを引き寄せられるようなトレーニング積み重ねていきたいと思います。

――中1日で3位決定戦・順大戦ですがどのように試合に臨んでいきたいですか

 僕らは勝つことでしか前進できないと思っていますし、日本一を目標としている中でそれに恥じないプレーをしっかり積み上げていかないと、と思っているので、もう自分たちのプレーをしっかり集中して、目の前の相手に勝つだけです。

MF小松寛太(教4=東京・早実)

――率直に試合を振り返っていかかですか

 今日の試合はターンオーバーというかたちで挑んだ中で、やっぱり今までつないできてくれた選手がいますし、そういった中で僕たちがなんとしても結果を出して決勝という舞台につなげたかったんですけど、勝ち切れなかったところは非常に悔しく思います。

――今シーズン初先発となりましたが、どのようなことを考えて試合に入りましたか

初先発というところで当然意識していた部分はありますけど、やっぱり最上級生としてそういった個人の欲っていうのは二の次で、チームが勝つために自分がどういうアクションを起こせるかっていうところだけを考えて臨みました。その点で結果がついてこなかったのは非常に悔しいなと思います。

――左サイドでマッチアップした望月海輝選手(国士舘大)はJ2・FC町田ゼルビアに内定している選手ですが、対峙(たいじ)してみていかがでしたか

中学のチームが同じということもあってちょっと意識はしていました。中学が一緒だった分、彼の特徴や弱点も理解していたつもりでしたし、他の選手とやるよりも2倍くらい熱が入ってプレーできました。個人間の勝負というところでは多くの時間で圧倒していたかなというふうに個人的には思いますけど、結果につながらなかったっていうのが悔しいですね。

――その望月選手に対してだけでなく、試合を通して小松選手の球際の強さが際立っていたように思います。そこは意識していましたか

はい、意識していました。戦う部分は、自分の強みを出すとかっていう以前に、そこの部分がまず最初に出てこないと意味がないっていうところで、そこは強く意識しました

――本職はトップ下だと思いますが、本日は左サイドでの先発出場でした

そうですね。本職はトップ下ですけど、いろんなポジションができて損はないと思うので、どんなポジションでも良いイメージをしてましたし、それが一つかたちになってよかったなと思います。

――PK戦のキッカー1番手を任されましたが、名乗り出たんですか

名乗り出ました。練習のPKでも1番を名乗り出てますし、PKには自信があったので。

――次は中1日で3位決定戦があります。どのように準備して臨みたいですか

全国の出場権は獲得しましたけど、そこに4位で出るのか、3位で出るのかは全然違いますし、その後には早慶戦とかもあるので、勝っていい雰囲気でまた次につなげたいなと思います。