佐々木朗希からヒットを打てずも充実の表情「すごく楽しかった」 無安打に倒れても、心から勝負を楽しめた。オリックスの宗佑磨…

佐々木朗希からヒットを打てずも“充実”の表情…「すごく楽しかった」

 無安打に倒れても、心から勝負を楽しめた。オリックスの宗佑磨内野手は27日、本拠地でのロッテ戦に「2番・三塁」でスタメン出場。相手先発の佐々木朗希投手の前に、ヒットを放つことはできなかったが、試合後の表情は充実の色を漂わせた。

「きっちり弾けたんですけどね。イメージと(投球軌道に)ちょっとした差がありました。今日はヒットを打てなかった。でも、すごく楽しかった。また次ですね!」

 チームは同点の9回に森友哉捕手が12号サヨナラ本塁打を放ち、劇的勝利を収めた。笑顔で帰路に着く選手が出揃った後、若月とともに1番遅くまで京セラドームに残り、記憶を“整理”してから球場を出た。“お気に入り”の黒色ハットを被り、笑みを浮かべて21歳の剛腕を称賛する。

 間髪入れずに言葉を前に出した。「あれはえぐいですよ。真っすぐ(狙い)のタイミングで振りにいって、高めからフォークが落ちてきたら、当たる。低めは見えない……。もう、何かわからない。そういう次元のボールじゃないですね。150キロでギュンと来て、めちゃくちゃ落ちる。あれは無理ですよ……」。プロ野球の世界に入ってから対戦した投手の「打てないな」と感じた変化球で、3本の指に入るのが「佐々木朗希のフォーク」だという。

 あっさりと言う。「150キロが落ちながら内角に入ってくるんですよ?」。ただ落差があるだけでなく、左打者の膝下を襲ってくる軌道だと説明する。「フォークを狙っている選手いるんですかね? 150キロ付近のボールを(打席で)張っていたら(瞬時に)対応できない。それこそ、たまに“当たる”だけ。(佐々木朗は)165キロを投げるもの凄いんですけど、あのフォークが本当に凄いんです」。冷静に頭中を“整えて”から球場を出た宗の力説は続く。

「(球種は)ほぼ、真っすぐかフォーク。その2球種なのに抑えてくる。交わしている投球を見たことがない。圧倒してくる。あそこにカーブ、スライダーを追加して投げ出したら……。僕たちは終了ですよ」

野球初心者が「突然、バッティングセンターの打席で140キロのマシーンに驚く感じ(笑)」

 苦笑いには“真実”も浮かんでいた。「ファンの方たちにも、わかりやすく説明すると……。例えばね、運動経験のほとんどない“初心者”の方が、突然、バッティングセンターの打席に立って、140キロのマシーンに驚く感じ(笑)。普通にビビると思う。そこに、ほぼ同じ速さでフォークが来る。そりゃ、バット振って“当たった!”って喜ぶのも、僕は間違ってないと思いますね。むしろ、バットに当たって“嬉しい”と言う感覚は一緒かもしれない」。取り繕った表情は、自然のものに変わっていった。

 この日は、初回の1打席目に163キロを捉えるも遊ゴロに倒れた。「感触は悪くなかったです。少しの差でしたね」。3回の第2打席は162キロを打ち、遊ゴロ。6回の第3打席も162キロを弾くも遊ゴロだった。「僕は速い球、嫌いではないんでね(笑)。動体視力にも自信はあります。ただ、あそこからグンと落ちるフォークは勘弁してほしい……。みんな、打席に立ってみてほしいです(笑)。体感できるなら、してみてほしい。本当にビックリしちゃうから」。さらに実感することもある。

「対戦する度に、速くなってます。年に2、3キロ速くなってますよね? ちょっと間違えたら170キロ、出ますよ。思いっきり投げたら、シンプルに可能性あると思う」

 プロの世界に、年齢は関係ない。次回対戦を心待ちに“アップデート”を繰り返す。6月で27歳を迎えた宗も、まだまだ進化を遂げる。変わらないのは真っすぐな瞳と、26歳の誕生日に伏見(日本ハム)からプレゼントされた、バーバリーの黒色ハット帽子だけだった。(真柴健 / Ken Mashiba)