選手層の厚みが増し内野守備も安定した日本代表 7月に米国で開催されるポニーリーグのワールドシリーズ出場権を争う「アジアパ…
選手層の厚みが増し内野守備も安定した日本代表
7月に米国で開催されるポニーリーグのワールドシリーズ出場権を争う「アジアパシフィックゾーン・チャンピオンシップ(U16コルトの部)」は、現在、千葉・市原市のゼットエーボールパークを舞台に熱戦を展開中だ。日本は初日のトーナメント枠決定戦で中国1に21-0、香港に16-0と圧勝。ダブルエリミネーション方式で行われるトーナメント戦でも、21日の初戦・フィリピン戦に3-0で勝利、22日には中国2を相手に26-3で快勝し、決勝戦にコマを進めた。
4年ぶりに開催された今大会には、日本、中国2チーム、香港、フィリピン、オーストラリアの計6チームが参加。ここまでの戦績を見ても、日本が頭ひとつ抜けた存在であることは間違いない。今回の代表には、昨年ヤングリーグからポニーリーグに転籍した強豪・関メディベースボール学院からも3人が参加。同チーム所属の金谷隆之助、藤田蒼海の両内野手を二遊間に据えた井関紀雄監督は、「内野守備も安定している。やはり、関メディさんが(ポニーリーグに)入ったことは大きい」と、選手層の厚みが増したことを実感している。
それだけに、日本のワールドシリーズ進出への期待は大きいが、そうした勝ち負けを超えた価値がこの大会にあることも忘れてはいけない。それは選手同士の「交流」による学びだ。「Protect Our Nation’s Youth(国の宝である青少年の成長を守る)」という理念を掲げ、野球を通じた人材育成に取り組むポニーリーグ。今回のコルト(14~15歳)のように2歳ごとに細かくカテゴリー分けをして国際試合を実施するのも、より多くの少年に世界の野球や文化に触れる機会を提供するためでもある。
海外選手に「積極的にしゃべりかけました」
実際に「国際試合は楽しいです」と、初日の試合後に口を揃えて語ってくれたのは、代表主将を務める蔵並虎之介外野手と松本怜青外野手だ。共に昨年7月に創設された神田Rebaseから参加。蔵並は4番、松本は指名打者を託されるスラッガーだが、プレーだけでなく積極的な声出しでもチームをまとめ上げ、井関監督からの信頼も厚い。そもそも、神田Rebaseは「メジャーリーグで通用する選手を育てる」ことを目標を掲げるだけに、2人も海外選手との交流には興味深々の様子だった。
「(宿泊先の)ホテルでは英語でオーストラリアの選手と話をして、インスタのアカウントも交換しました」と松本。将来のMLBドラ1候補といわれる米国の18歳、マックス・クラーク選手に憧れており、日光対策で目の下に入れる「アイブラック」もクラークを真似して十字型に入れるほどの“海外志向”。「自分は英語が好きなので、トレーニングはどんなことをやっているのかなど、積極的にしゃべりかけました」という。
蔵並もまた、「一塁手とも遊撃手とも、三塁手とも話をしましたと、試合中に塁に出るたびに相手選手と言葉を交わす姿があった。「なんとなくですけど、相手の言いたいことがわかるし、自分の言いたいことも伝わる。勝負という面ではもちろん勝つ意識はありますが、日本人以外にも友達ができるのは楽しいですし、自分にプラスになる」と語る。
近年はコロナ禍でこうした交流機会も失われていたが、試合後に選手たちが笑顔で健闘を称え合う姿を見ると、それだけで大会復活の意義が伝わってくる。日本野球の将来を担う18選手がアジアの頂点を勝ち取り、さらに海を渡ってどのような経験を得てくれるのかも楽しみだ。(高橋幸司 / Koji Takahashi)