第5回に登場するのは細溪宙大主将(教4=東京・早実)と星川堅信(スポ4=京都・洛南)の男子部4年生コンビ。ラストシーズ…

 第5回に登場するのは細溪宙大主将(教4=東京・早実)と星川堅信(スポ4=京都・洛南)の男子部4年生コンビ。ラストシーズンを迎えた彼らの思いを語ってもらった。

※この取材は5月24日に行われたものです。

お互いの紹介


お互いについて話す星川(写真左)と細溪

――最初に他己紹介をお願いします

細溪 星川堅信は、バスケット以外で言ったら、ずっと本を読んでいる変人で、バスケットになると、圧倒的なスキルと存在感でチームを引っ張るエースですね。

星川 肩書で言ったら、2つのプレイヤーですね。ゲームやってるもんね。

細溪 そんなプレイヤーなんてもんじゃないから(笑)。

星川 なのでこいつは練習で夕方から夜にかけて大忙しです。睡眠を取りたいはずなのに…。

細溪 いや取ってるって(笑)。

星川 大好きなゲームをするために(睡眠時間を)削るっていう。

細溪 今までは余剰に取ってただけです。10時間が8時間になっただけだから(笑)。

――オフシーズンはどのように過ごしていましたか

星川 ゲームにはオフシーズンないからね(笑)。フルシーズン。

――細溪選手はゲームをして過ごしていましたか

細溪 まぁしてましたね(笑)。オフシーズンに限らずですけど。いや部活のこと聞かれてるから(笑)。基本的にはワークアウトをしていました。チームとしては基礎的なスキルをやるワークアウトの期間という感じでした。

――星川選手はいかがですか

星川 体を大きくしました。

細溪 体重何キロくらい増えた?

星川 1回98キロくらいまでいきました。

細溪 昨シーズンは89キロくらいじゃなかった?そこから98キロくらいまで増やして、今ちょっと絞って95キロくらい?

星川 今95か96キロくらい。合宿終わってちょっと減っちゃったけど。

関東大学選手権(トーナメント)を振り返って


トーナメントを振り返る星川

――トーナメントを振り返っていかがですか

星川 早稲田のバスケット的に、とりあえずじゃんじゃんいっとけば何とかなるだろうというか、とりあえずペース上げて走っておけば何とかなるでしょうという土台があって、その上に色々あるんですけど、他のチームは(土台となるのが)システムだから、そうはいかないんですよ。他のチームはこれから夏、秋を使って、積み重ねると思うんですけど、僕らは積み重ねるというよりは、体現する方なので…。

細溪 普通だったら、絶対的な監督のシステムがあって、その上に個人のプレイヤーのできることが組み合わさって、いろんなことができるチームになっていくと思うんですけど、うちだったら、土台の監督のやりたいことっていうのが、抽象的だけど、完成したものがあるんですよね。倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54卒)のやりたいことが、完成したものが倉石さんの中であって、僕らプレイヤーはそれをどう理解して、どう体現するかっていう感覚が近いですね。

――早大がやりたいのはシステム的なバスケットではないということですか

星川 まぁ、そうですね。

細溪 オフェンス面で言えば、他のチームはきっとセットオフェンスで、ここで点を取りたいというのが明確にあると思うんですけど、うちは「とりあえずやったれ」みたいな、そういう部分が強いよね。セットオフェンスがないわけじゃないけど。

星川 そのメンタリティで、偶発性を狙いにいっています。それが吉と出るか凶と出るかで、トーナメントはシーズンが始まってすぐの大会だったから、僕らもとりあえずやってまえ精神でいって、他のチームはそうはいかないのでうまくいっていなくて、その分僕たちが勝てただけで、リーグ戦(関東大学リーグ戦)はわからないですね。

――細溪選手はトーナメントを振り返っていかがですか

細溪 正直自分の感覚では、できすぎというか、今堅信が偶発性うんぬんかんぬんで吉と出るか凶と出るかと言っていましたけど、言ったら本当に大吉というか、本当によくやれた大会だったと思います。偶発的かもしれないけど、日大戦のように、こういうことをやっていったらうちの流れになるんだなというのをチーム全体で共有できたのが1番の収穫だったと思うので、今後のリーグ戦とかでも、どうやってそこを引き出していくのかを考えていけたら、もっと良いチームになっていくんじゃないかなって思います。次につながる良い大会でした。

――昨年度からのチームの変化は

星川 4年生のしっかりしている具合が変化したんじゃないですかね(笑)。

細溪 キュッとしていた4年生が、ふわぁってなりました(笑)。良く言ったら、コミュニケーションを取りやすい4年生になれていると思います。

――1年生に対する印象は

星川 試合に出ている3人(城戸賢心、スポ1=福岡第一、下山瑛司、スポ1=愛知・中部第一、三浦健一、スポ1=京都・洛南)以外にもたくさんいるんですけど、試合に出ている3人については、倉石さんのやりたいバスケットに合っていると思います。システムの中に組み込むよりも…。

細溪 「ほら行け!」、「走れ!」、「打ちたきゃ打て!」みたいなね(笑)。そういうのにも合っているし、アジャストできるプレイヤーだよね。

――今年のチームの強みは

星川 留学生選手を1試合通して相手にできる自信がついてきました。フィジカル的なことではなくて、技が、手札が増えてきましたね。あと、主に3X3で、スクリーンを勉強しています。3人制は5人制よりも頑張らなきゃいけなくて、一生懸命対一生懸命でやるとすごい疲れるんですよ。僕は疲れるのが好きじゃないんですが、僕よりも能力があって、一生懸命やってくる人に勝たなきゃいけないので、1対1では無理な分、スクリーンを多用します。スクリーンに対する守り方が色々あって、それぞれに適した(スクリーンの)当て方とか角度とかがあります。5人制は3人制よりも一生懸命じゃないというか、時間も長いから(力を)抜くところは抜くんですよ。その(力を)抜いているところを狙えば5人制は簡単に攻められると思っていて、それをみんなに伝授したら、疲れない、サボれる、強い早稲田に…。

細溪 それは理想だね(笑)。

星川 それがちょっと見えてきました。

――細溪選手はいかがですか

細溪 『速度』、『スピードのあるバスケット』ですね。

星川 疲れる…(笑)。

細溪 堅信は上手くサボるので別にいいんですが(笑)。新入生も速いやつが入ってきて、速いバスケットを展開してくれています。あとは去年は岩屋(頼、スポ2=京都・洛南)とかの交代がすごい少なかったんですが、今年は1年生が入ってきて、時間をシェアするようになってきたので、第4Qでも岩屋が速攻で走り切る、みたいな、今までは体力的に厳しかったことができるようになってきています。留学生選手に対する戦い方について、堅信がスクリーンの当て方とか言っていましたが、もっと言ったら留学生選手が帰ってくる前に点を取り切っちゃうみたいな、留学生選手に対して戦えるバスケットとして、『スピード』が強みになるのかなと思います。

――今年のチームの目標は

細溪 抽象的なことで言うと…。

星川 『応援されるチーム』というのは話したね。

細溪 倉石さんが最初のミーティングの時に、学生全員に対して、「今年は『応援されるチーム』になることを目標にやるから、そのために5つのこと(Detail,Together,Toughness,Compete,Onemore)を守っていこう」ということをおっしゃっていて、4年生で話して、僕個人でもそれに納得できる部分が大きかったので、観客が見た時に、「早稲田良いチームだな」、「応援したいな」と思えるようなチームになることが目標ですね。

――具体的な目標は

細溪 インカレベスト8というのを掲げています。最初に4年生で、今まではずっと日本一を掲げていましたが、それが現実的なのかという話をしました。去年も日本一を掲げていて、インカレの初戦でああやって負けて、目標に対して達成できるという実感があるのかというところがあって、それならしっかり達成できる目標を掲げて、その後が続いていけばいいんじゃないかと思ったので、4年生でインカレベスト8と決めました。

――個人としての目標は

星川 じゃあまずプロゲーマー細溪…。今『ゼルダ』が熱いんでしょ。

細溪 星川くんが誕生日プレゼントでくれました(笑)。アマゾンで届いて、伝票みたいなやつに、「これを枕にしてよく寝なさい」って書いてありました(笑)。個人の目標は、去年からずっと言っているんですけど、どれだけ自分の価値、バリューを発揮できるか、試合に直接絡んでいないベンチから、どれだけチームに良い影響を与えられるかということを考えています。スプリングトーナメントは声を出すことにフォーカスしていて、叫び続けてのどがつぶれたんですけど(笑)。

星川 慶記(飯島慶記、人3=茨城・下妻一)と2人でね(笑)。

細溪 最終日に声ガラガラになりました。

星川 高羽(優介、法3=東京・早大学院)も最終日に試合に出て、もう「ヒェー」って。

細溪 高羽とか僕らは、関東学院大戦で試合に出て、ディフェンスで声出そうとしたらもうガラガラっていう(笑)。そうやってベンチから声を出してコートの中に伝えることにフォーカスしてみて、それは個人的に手ごたえがあって、ディフェンスなどしめるべきところを叫んで伝えるというのは効果があったのかなと思います。今後の目標としては、叫ぶことはもうできるから、指示というか、伝える内容を具体的にして、コートの中にいる選手に影響を与える声を出せるか、伝え方ができるかということを考えています。あとはもちろんプレイヤーとして、そんなに長い時間は出ないと思うので、短い時間をいかにつなげるか、いかにやれるかということを考えて、数分のために1年間頑張るつもりでやっています。

星川 個人的な目標は、これから僕は5人制に加えて、3人制も頑張ろうと思っていて、大学卒業後も。(5人制と3人制は)シーズンがちょっと違うので、頑張れるかなと。あと、一番チームにマイナスなのは、怪我をすることだと思うので、いなくならないことですね、コート上から。コート上に立ち続けることが1年間の目標です。盛り上げるとかはもはやスペシャリストって呼んでいいくらい…。(細溪を見ながら)僕はそういうのを避けて通ってきたので、それだったら僕は得意なサボり方、言いようによったらスキルですよ、そういうのを上手く伝えていきたいです。

細溪 最近こいつ練習中めちゃくちゃしゃべるんですよね。盛り上げるとかいう声じゃなくて、学生コーチが次このメニューやろうって言って、その説明をした後に、「これはこうやってスクリーンかけるのがいいよ」とか「こうやって当てるのが大事」とか自分なりにしゃべってくれます。

星川 俺の好みだけどね。

細溪 それこそ僕らの代のチームカラーは、堅信の好みであるべきというか。

星川 俺の好みやばいよ~(笑)。

細溪 でも結局うちのチームの中心は誰って言ったら、満場一致で星川堅信なので、それはこいつの好みで進めて良いなって思うし、最近は(星川が)頭の中で考えていることを他の選手に伝えていて、後輩から話を聞いていても、レベル高いことを考えているのが伝わってくるから、ここまで考えて試合中やっているんだなというか、そこをのぞかせてもらえているっていうのがすごく良い影響になっていると思います。ぜひとも続けていただきたい所存ではありますね(笑)。

星川 学生コーチとかは、高いレベルのものを見たことはあるけど、やったことはない人たちだからね。

細溪 実際にこういうことを考えながらやっているというのを知れるのは、きっとコーチたちからも勉強になっていると思うので、良い影響だと思います。

早慶戦について

――ご自身のとって早慶戦とは

星川 僕らとは違って、慶應は早慶戦に向けて調整してくるみたいなことは聞いたことがあるので、相手の感じ的には3X3みたいな感じでやってくると思うんですよ。一生懸命やってくる人たちを上手くいなすのは、楽しい…ので。

細溪 性格悪いな(笑)。

星川 早慶戦は1回かぎりなので、僕らはやってまえ精神をそこに置いてくるだけですね。

細溪 最近はOBの方と関わる機会も増えてきて、早慶戦という試合の位置づけはすごい重いものなんだなという実感をしています。まず大前提として勝ち切りたいという目標があって、堅信も言っていましたが、慶應は早慶戦に合わせて、フォーカスしてやってくるので、正直1部と3部で力の差があるように見えますが、しょせんは同じ大学生だし、こっちに圧倒的なサイズの差がある留学生がいるわけでもないので、本当になめてかかったらやられるという実感を持っていて、余裕ではないと感じています。チームをどれだけ引き締められるかというのがやるべきことだと思います。早慶戦は注目度が高くて、高校の友達とか、大学で普段バスケ見ない人とか、OBの方とか、すごくたくさん見に来てくれて、早慶の関係者だけで会場が埋まるっていう特殊な状況を楽しみながら、チームを引き締めて勝ち切って、リーグ戦に向けて勢いをつけるというのが自分の中での早慶戦の位置づけですね。

――早慶戦のみどころや注目選手は

星川 注目選手は、誰だろうな…。初宮(嘉一、スポ2=東京・頴明館)かな。早稲田の桜木花道だからね。

細溪 (注目選手は)星川堅信でいきましょう。堅信は初宮でいいけど(笑)。去年の土家大輝(令5スポ卒=福岡大大濠)しかり、やっぱり星川堅信でしょう。

星川 俺そんなに爆発する気ないけどな。

細溪 え~…じゃあ俺にしとく?(笑)まぁでも誰って言ったら堅信だよね。

――早慶戦と今後に向けての意気込みをお願いします

細溪 早慶戦は、内容より結果にフォーカスして、勝ち切ることを目標にします。今後としては、見えてきた倉石さんのやりたいバスケットをどれだけ体現できるかということを目標に、チームをまとめていきたいと思います。

星川 早慶戦はみっちー(細溪)と同じです。正直これまでの3年間、こういうバスケットをして勝つんだなというのが見えていなくて、倉石さんのイメージと僕らのプレーが合致していないなと思っていましたが、それがようやくトーナメントでわかってきました。これまでの3年間は個人的な上手さは向上してきましたが、チームの完成度的には、シーズン始まって、いろんなところにいって、最後インカレで「うーん」みたいな感じの感覚がありました。2年目、3年目もそんな感じで、個人としては伸びるけど、チームとしてはわからないな、みたいな。今まで成長してるのかわからなかった原因が、倉石さんがやろうとしていることに対して、「はい」とは言いながら各々疑問を抱いていたせいだと思うんですが、それが今僕はないので、そこの感覚を大事にしながら、自分の成長を感じつつ、チームの成長も感じられるように、倉石さんと一緒になってチームを引き締めて頑張りたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 権藤彩乃)


◆細溪宙大(ほそたに・みちひろ)(※写真右)

2001(平13)年4月30日生まれ。186センチ。88キロ。東京・早実高出身。教育学部4年。今回の対談でゲームに没頭していることが判明した細溪主将。そんな細溪主将ですが早慶戦では主将として熱くチームを引っ張る姿に期待です!

◆星川堅信(ほしかわ・けんしん)

2001(平13)年11月1日生まれ。190センチ。95キロ。京都・洛南高出身。スポーツ科学部4年。細溪主将に「ずっと本を読んでいる変人」と称される星川選手。早慶戦では星川選手らしい冷静沈着なプレーに期待です!