5月に開催された世界卓球2023南アフリカを腰痛で棄権した篠塚大登(木下マイスター東京)が、「TリーグNOJIMA CUP2023」<6月17~18日/東洋大学赤羽台キャンパス>でパリ2024オリンピックの選考レースに帰ってきた。14日には…

5月に開催された世界卓球2023南アフリカを腰痛で棄権した篠塚大登(木下マイスター東京)が、「TリーグNOJIMA CUP2023」<6月17~18日/東洋大学赤羽台キャンパス>でパリ2024オリンピックの選考レースに帰ってきた。

14日には前期日本卓球リーグ・シチズン時計のホームマッチに出場し、これが復帰2戦目。心配された腰の痛みは無くなっているというが、「まだトレーニングはできていないので筋力が落ちていて、プレーの動きが遅かったり足りないところがある」と話す。

大会初日の男子シングルス2回戦でTリーグのチームメートである大島祐哉(木下マイスター東京)と対戦した篠塚はフルゲームで惜敗した。

大島にフォア側を狙われているのが分かったが、何ぶんコンディションが十分ではない。そのため「フォア側に動くのがとても遅い。そこをどう工夫して点数を取れるようにするかを考えていた」と言い、できるだけ台から下がらずにプレーすることを心がけ、ゲームカウント3-1でリードされてから3オールに追いついた。

だが、「最後は台上とかで思い切れないところがあった。もう少し試合感を戻していきたい」と話した。

腰痛の原因は椎間板ヘルニアだった。

発症した4月から5月にかけては耐え難い痛みを抱えラケットを握るどころではなかったが、痛みが和らいでからは「どう症状を出さないか考えてリハビリを行っていた」と言う。

そして、初出場が叶わなかった世界卓球2023南アフリカについては、「出られなかったことは悔しかったですけど、次、自分が出たときに絶対に上に勝ち上がれるようにしたいと思いながら大会を見ていた」と話す。

中でも目を留めたのは中国若手のエースとして男子ダブルスと混合ダブルスで金メダル、男子シングルスでも銀メダルに輝いた王楚欽のバックハンドだった。

バックハンドに課題感を抱える篠塚は自身と同じ左利きの王を参考に、「自分は手首で打つことが多かったんですけど、もっと腕全体を使って打てるようにしないと。王楚欽選手はコンパクトなんですけど上手く腕全体を使っている」と分析。今後はバックハンドのフォーム改善に取り組んでいくと意気込む。

現在、パリ五輪選考ポイントで3位につける篠塚の目標はこれまで通りパリ五輪。

「前回の選考会を1回棄権したので、もう1試合も無駄にできない。腰が痛いと言い訳していてはパリに行けないし、大事な試合で勝ち切れない。もっと成長していかなければいけない」と覚悟を口にし、今後は国内外の大会に出場していく見通しだ。


(文=高樹ミナ)