史上初の「育成ドラフト指名のルーキーで開幕スタメン」 育成ドラフトで入団したオリックスのルーキー・茶野篤政外野手が、1軍…

史上初の「育成ドラフト指名のルーキーで開幕スタメン」

 育成ドラフトで入団したオリックスのルーキー・茶野篤政外野手が、1軍の舞台で快音を連発している。2022年に四国アイランドリーグplus(IL)で首位打者を獲得した打撃センスをプロの舞台でも発揮。6月1日の広島戦(京セラドーム大阪)では、プロ初本塁打含む6打点と大暴れした。初の独立リーグ&育成出身の新人王候補の呼び声も高い。

 独立リーグ出身で、プロでも活躍した選手としては、又吉克樹投手(四国IL香川-中日-ソフトバンク)や湯浅京己投手(BC富山-阪神)が顕著な例として挙げられる。しかし、野手として一定以上の出場機会を得られた選手はほんの一握り。今回は、茶野の球歴を紹介するとともに、独立リーグ出身者としてプロの舞台で活躍した野手の顔ぶれを振り返りたい。(※以下、記録は5月28日の試合終了時点)

 茶野は岐阜・中京学院大中京、名古屋商科大を経て、2022年は四国ILの徳島でプレー。1年目から俊足好打の外野手として主力の座をつかみ、打率.316で首位打者を獲得。37盗塁、出塁率.418とチャンスメーカーとしての適性を示した。

 2022年の育成選手ドラフト4位でオリックスに入団。オープン戦10試合で打率.273と奮闘し、3月24日には早くも支配下登録を勝ち取った。そして、3月31日の西武との開幕戦(ベルーナドーム)では「8番・右翼」で出場し、史上初の「育成ドラフト指名のルーキーで開幕スタメン」という快挙を成し遂げた。デビュー戦でプロ初打席で早速安打を放つと、第2打席では堅実に犠打を決めて同点劇につなげる働き。その後もレギュラーとして出場を続け、交流戦前の段階でリーグ8位の打率.277を記録している。

 プロ入り後、対右投手が.264、対左投手が.313と、左打者ながら左投手に強く、それでいて右投手も極端に苦手とはしていない。また、ここまで5死球と死球での出塁が多い。さらに、持ち前の脚力を生かして1つ先の塁を狙える打球が増えてくれば、チャンスメーカーとしての貢献度がさらに高まるだろう。

2度の首位打者に輝いたロッテ・角中が飛び抜けた存在

 これまでNPBで活躍してきた、独立リーグ出身の野手について振り返ってみたい。

 ロッテ一筋17年目を迎える角中勝也外野手は、独立リーグ出身者としては飛び抜けた実績を残す存在だ。プロ6年目の2012年に打率.312で首位打者を獲得すると、2016年には全試合に出場して打率.339、178安打で首位打者と最多安打の2冠。独立リーグ出身者では唯一となる主要打撃タイトルの受賞者であることに加え、規定打席に到達した経験があるのも、通算1000試合出場と通算1000安打を記録しているのも、現時点で角中ただ1人となっている。

 パ・リーグで、角中に次ぐ活躍を見せたのが、楽天で奮闘した内村賢介氏だ。プロ1年目の2008年途中に支配下登録を勝ち取ると、3年目の2010年には111試合に出場し、規定打席未到達ながら打率.304と俊足好打のユーティリティとして奮闘。2011年には123試合に出場し、キャリアハイとなる31盗塁、42犠打を決め、つなぎ役として持ち味を発揮した。

 セ・リーグでも、ヤクルトでバイプレーヤーとして10年以上にわたってチームを盛り上げた三輪正義氏、ソフトバンクの育成から中日への移籍後に開花し、巧打と堅実な二塁守備を武器に躍動した亀澤恭平氏、巨人で俊足のユーティリティとして活躍を続けている増田大輝内野手の3人が、存在感を示してきた。

 ここ数年はロッテの和田康士朗外野手が台頭している。プロ3年目の2020年に支配下登録を勝ち取り、主に代走として23盗塁を記録。翌2021年には24盗塁を決め、独立リーグ出身者初となる盗塁王のタイトルを獲得した。2023年はスタメン出場の機会も増え、今後のさらなる活躍も期待される。

 茶野も俊足の持ち主であり、強肩と球際の強さを生かした外野守備でも存在感を発揮しているが、最多安打を争うペースで安打を量産している点は、これまでの多くの独立リーグ出身野手とはやや趣が異なる。角中と同様に、打撃面で結果を残し続けることができれば、レギュラー定着も夢ではないはずだ。

 プロの舞台でも大いに実力を発揮しつつある23歳。独立リーグ出身者では2人目となる規定打席到達、そして最多安打のタイトル獲得の可能性を秘めた異色のルーキーに、ぜひ注目してほしい。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)