■先発左腕・清水が初回先頭から3連続四球、そして押し出し 早大は28日、東京六大学野球春季リーグの慶大2回戦で1-15の…
■先発左腕・清水が初回先頭から3連続四球、そして押し出し
早大は28日、東京六大学野球春季リーグの慶大2回戦で1-15の大敗を喫し、1勝1敗で決着は3回戦に持ち込まれた。神宮球場には27日の2万6000人に続き、この日も2万3000人の観客が詰めかけ大盛況。早大の小宮山悟監督は「早稲田の応援に駆けつけてくれた皆さんには、本当に申し訳ない」と頭を下げ、“後悔”の念を吐露した。
東京六大学リーグはコロナ禍を乗り越え、今季から一般の観客の声出し応援が解禁されている。特に伝統の早慶戦は観客が多く、選手、監督や周囲の思い入れも格別。そんな緊張感が重圧になったのだろうか。早大先発の左腕・清水大成投手(4年)は制球が定まらず、初回の先頭打者からいきなり3連続四球を与え、無死満塁となった。小宮山監督がマウンドへ駆け寄ったが、1死後にこの日4つ目の四球を与え押し出し。さらに斎藤來音外野手(4年)に右前適時打、2死後にも斎藤快太内野手(3年)に左前へ2点適時打を浴び、1イニング持たずに4失点で降板した。
結局早大は、5人の投手が登板し計12四死球の乱調。18安打も許し15点を失った。小宮山監督は試合後、「怒りを通り越しました。何がどうなったら、ああなったのか、皆目見当がつかない」と首をひねった。そして「普段の練習が不足しているということではないですか。極限の緊張状態にあっても、自分の体を動かせるようにならないといけない。その鍛錬を怠っているということでしょう。普段の練習から緊張感を持ってやっていれば、たとえ3万人のお客さんが入ったところで、普通にやれるはずです。それができないということが残念」と手厳しく苦言を呈した。
さらに小宮山監督は「加藤(孝太郎投手)をベンチに入れておけばよかったと、反省しています」とも付け加えた。エースの加藤は27日の1回戦で6回108球2失点の好投を演じ、勝利に貢献したばかり。いまや1回戦で100球以上投げたエースを、3回戦があった場合に備えてベンチから外し休養を与えるのは、ごく普通のことと言える。

■学生時代の記憶…石井連蔵監督の一声で3連投
しかし、小宮山監督には現役学生時代の記憶がある。主将でエースを務めた1989年、早慶戦の1回戦に先発して完投勝利を収めるも、翌日の2回戦でこの日のような大量リードを許すと、当時の石井連蔵監督(故人)の「お客さんに失礼だ」の一声でリリーフ登板を命じられたと言う。当然3回戦にも先発した。
「石井監督の教えは、今も生きている。しかし今どきの野球では、そういう展開で投手を使うと、おかしいと言われる。酷使して翌日の試合に影響が出ることなど、あってはならないとされる。そこが難しい」と語る小宮山監督の悩みは深い。
「欲を言えば、それでも大丈夫だというくらいのピッチャーを育てなければいけない」というのが、指揮官の偽らざる本音である。「もう1度よく考えてみます。昭和だろうが何だろうが、ストライクが入らない状態の投手を使うほど、失礼なことはない。今日は慶応さんに対しても失礼だったと思います」と持論を展開した。
最後は3回戦に向けて、「(大敗は)はたから見ると傷口が大きいように見えるかもしれないが、実は意外にそうでもない。競り合いを落とすよりは、多少ましです」と気持ちを切り替えた小宮山監督。時代につれて選手の気質や世の中の常識が変わっていく中、ワンサイドとなった早慶戦が一石を投じることになるかもしれない。
(Full-Count 宮脇 広久)