ダーバンで熱戦が繰り広げられている「世界卓球2023南アフリカ(個人戦)」の大会7日目。

現地時間5月26日の午後一番に、混合ダブルス決勝で中国の王楚欽/孫穎莎に敗れ、パートナーの張本智和(智和企画)と2大会連続銀メダルとなった早田ひな(日本生命)がナイトセッションで気を吐いた。

Photo:World Table Tennis

今週発表された最新の世界ランクで3位に浮上した王芸迪(中国)を女子シングルス準々決勝で撃破。ゲームオールで迎えた最終ゲームは9回のマッチポイントを凌ぎ21-19というとんでもないスコアで競り勝つ強さを見せた。

早田が中国人選手を倒したのはこれが初めて。世界卓球の大舞台で悲願を成し遂げ「東京オリンピックが終わってから中国選手に勝つためにやってきたことは間違っていなかった」と歓喜の涙を浮かべた早田。

この勝利でメダルが確定し、世界卓球2017デュッセルドルフで平野美宇(木下グループ)が手にした銅メダル以来、6年ぶりとなる女子シングルスのメダルを日本にもたらした。

Photo:World Table Tennis

そして、現地時間27日午後1時(日本時間午後8時)開始予定の準決勝では世界ランク1位の孫穎莎(中国)とぶつかる。

決勝をかけた大一番に備え、前夜の早田はドーピング検査もあって夜11時近くまで会場に残り、専属の岡雄介トレーナーと体のケアに努めていた。

国際大会やパリ五輪選考会の連戦の影響で大会前からコンディションは万全といえず、今大会では女子シングルスとダブルス、混合ダブルスの3種目で激戦を重ねてきたのだ。その体に蓄積した疲労は計り知れない。

Photo:World Table Tennis

だが、充実感と闘志にあふれる本人は「アドレナリンが出まくっている」と決勝進出をかけた大一番を楽しみにしている。相手はそう簡単に崩れない強敵中の強敵だが、波に乗る早田にチャンスはある。


(文=高樹ミナ)

<早田ひな 勝ち上がり>

■4回戦
早田ひな 4-0 ソ・ヒョウォン(韓国)
11-5/11-9/11-6/11-8

■3回戦
早田ひな 4-0 長﨑美柚
11-3/11-6/11-8/11-3

■2回戦
早田ひな 4-0 ピッコリン(イタリア)
11-7/11-4/11-2/11-8

■1回戦
早田ひな 4-0 ジャリ(アメリカ)
11-6/11-7/11-8/14-12

<孫穎莎 勝ち上がり>

■4回戦
孫穎莎 4-0 ハン・イン(ドイツ)
11-6/11-8/11-6/11-5

■3回戦
孫穎莎 4-0 シン・ユビン(韓国)
11-6/11-8/11-8/11-5

■2回戦
孫穎莎 4-0 サマラ(ルーマニア)
11-8/12-10/11-8/11-5

■1回戦
孫穎莎 4-0 A.ソルヤ(オーストリア)
11-4/11-7/11-3/11-5