『世界卓球2023南アフリカ』が5月20日（土）～28日（日）に開催される。
2年に一度の個人戦となる今大会は、男女シングルス・男女ダブルス・混合ダブルスの5種目で行われ、大会序盤からメダル決定戦が予定されており、連日のメダルラッシュに期待が高まる。
今年は、東京五輪女子シングルスで銅メダルのエース・伊藤美誠をはじめ、昨年の世界卓球（団体戦）で中国選手から2勝を挙げた張本智和が出場予定。前回混合ダブルスで銀メダルの張本/早田ひなペア、女子ダブルスで銀メダルの伊藤/早田ペアが今回もタッグを組む。
戦いを前に、戸上隼輔（明治大学）にインタビューを行った。
Q．去年の世界卓球が終わって、どんな1年でしたか
本当にいろいろな経験をして、半年前の自分より格段に強いという自負もあって、次の世界卓球はすごく楽しみだなと感じています。
Q．成長のターニングポイントになったことはありますか
シンガポールスマッシュで初戦オフチャロフ選手に勝つことができて、半年前の自分だったら勝てないと思いますし、この半年間で自分を磨き上げた結果がつながったと思います。
Q．それはドイツに挑戦したからか、また他の理由がありますか
今年1年間、ドイツのブンデスリーガに挑戦して海外でプレーをしたのですが、あの選択をしたことが成長の大きなきっかけだと思います。本当にブンデスリーグに挑戦して良かったなと思います。
Q．パリ五輪を目指すにあたって、国内ポイントが重要になってきている中で、ドイツを選んだ理由は
国内ポイントも非常に大事なものなのですが、オリンピックに出場することは、僕の中ではまだ通過点だと思っています。その先のオリンピックでメダルを獲得するために、1年間でも海外のリーグでプレーして、さらに自分を強化していきたいと考えていたので、海外でプレーできたことは今後につながると思います。
Q．1年間参戦してみて、自分が成長できた部分はありますか
日本のプレースタイルと海外のプレースタイルの大きな違いっていうのを感じています。
球質も違えば、独自のスタイルを各々の選手が持っているので、日本では味わえない雰囲気でプレーして、その中で勝つことの大切さだったり、海外のリーグには格上のトップランカーの方々がたくさんいるので、1戦1戦勝ちにこだわってプレーしてきたことで、勝利への執着心を学べたと思います。
Q．ドイツに行くことについて宇田選手に話をしましたか
はい。あの時はもう日本で学べることは学んだなと思いましたし、宇田選手も去年、シンガポールスマッシュでベスト8に入って、今後のシーズンの相談をしたのですが、本当に世界で活躍できる選手なので、Tリーグでプレーするよりかはブンデスでもっと学べることがあるのではないかということを話しました。
Q．宇田選手とは人生相談というか、卓球の相談をするのでしょうか
大きな分岐点となる決断の時は、意外としてますね。なんだかんだ分岐点が重なるというか、同じ道を歩んでいるライバルなので、本当に相談する時は大体（宇田選手に）相談をします。
Q．ダブルスを組んでいるが、やっぱりライバル意識の方が強いか
ライバルの方が大きいです。
Q．それがダブルスになるとどう変わるか
卓球は個人種目になってくるので、基本シングルスで戦うことが多いのですが、
ダブルスとなると、ここ数年ずっと組んできているペアなので、信頼というか、ダブルスを組んでいる時は非常に心強い、本当に一人の偉大な選手だなって思います。
Q．宇田選手がシンガポールスマッシュで、「俺と戸上がかみ合えば、世界卓球に中国に勝てるんじゃないか」と言っていたのですが、どう思いますか
僕も本当にそう思います。というのもシンガポールスマッシュでは準決勝で負けましたが、こっち（戸上＆宇田）は成長段階ですし、力を発揮できなくて1対3で負けてしまったのですが、かみ合えば勝てる内容だったなと感じているので、あと1カ月ちょっとですけど、練習あるのみだと思います。
Q．戸上選手にとって世界卓球の位置づけというか、どんな大会ですか
僕の中ではオリンピックも大事ですけど、それに並ぶような大会だと思います。
メダルを取ることも本当に一苦労ですし、去年、ダブルスで銅メダルを獲得できたのですが、どこで負けてもおかしくないというのを実感しながら、戦いが一つ一つあったので、今年もう一回あると考えると本当に楽しみです。不安はいっぱいありますが、力を発揮できれば、もっと楽しい大会になるのと思います。
Q．全日本も2連覇して、今回個人戦ということで、結果に対する目標はありますか
本当にオリンピックまでに張本選手を超えるような存在になれば、自ずとメダルを取れるような結果もついてくると思うので、この世界卓球でメダルを獲って、なおかつ中国選手に勝てるような存在になりたいと思います。
Q．人生相談をする宇田とのダブルスの目標は
金メダルしかないです。
