5月6日放送の『卓球ジャパン!』は、第4回パリオリンピック日本代表選考会(5月6~7日)の熱戦を生放送でDEEP解説。MC武井壮&平野早矢香が、日本女子選手たちのプレーを分析した。

今年から獲得ポイントも倍増し、よりシビアな戦いとなっているパリオリンピック日本代表選考レース。第4回選考会には、男女各32名が出場した。

番組では、女子の2試合をピックアップ。まずは2回戦の伊藤美誠(スターツ)対長﨑美柚(木下グループ)。

昨年の選考会で長﨑は伊藤から勝利をあげている。女子の絶対的エースだった伊藤だが、最近は国内大会で苦戦が続いており、「国内での対戦が増えてきて、実力者の伊藤選手に対しても(相手が)慣れてきていると感じる」と平野。伊藤の最大の武器であったサービス・レシーブが以前ほど効かなくなっている現状がある。

また平野は伊藤のサーブの組み立てが変わったと指摘。

「以前は回転の変化、回転量の差で相手のミスを誘う印象があったけど、最近はナックル気味のサーブを多く使っている」とコメント。相手のレシーブをシンプルにさせるための策ではないかと平野は予測するが、サーブから相手を崩していく伊藤の良さが影を潜めている感もあり、そのあたりのバランスは伊藤本人としても非常に難しいところだろう。

一方の長﨑はフォア前とバック奥へのサーブで揺さぶり、伊藤の変化のあるレシーブを封じた。強烈なドライブは伊藤がブロックでボールを弾き飛ばすほどの威力で、攻めの姿勢を貫いた長﨑がまたも伊藤から勝利をあげた。

続いては、準々決勝・早田ひな(日本生命)対長﨑美柚。

まず平野が注目したのは、ミドルのボールに対する長﨑のフォアカウンター。

「長﨑選手に対してはフォアミドルを突く戦術が多いが、それに対して前陣でカウンタードライブが打てている。以前よりもコンパクトで安定感がある」(平野)

さらなる成長を見せる20歳の長﨑だが、とはいえ早田から得点するのは簡単ではない。

今大会は2回戦で横井咲桜(ミキハウス)にマッチポイントを握られる苦しい試合になったが、それをしのいで逆転勝利をあげた早田。

「簡単に1点を取らせてくれない。そういったところが選考レースで一歩リードしていることにつながっている」(平野)

持ち前の攻撃力に勝負所の粘り強さも加わった早田に隙はない。

第6ゲーム5-3では、台上のボールをフォアで振り抜いた長﨑のドライブを早田がコンパクトなスイングで相手のミドルへカウンター。「すごいカウンターですね!」と武井も驚く一撃を決めた。

「おそらくミドルに打とうというよりも、パッと手が出たボール。それがあのコースに入るということは相当練習からミドルを意識している。意識して訓練しているからこそ反射的にあそこに打てる」(平野)

また早田の進化として平野が最も注目したのは、緩急をつけたバックハンドだ。

「バックハンドのラリーで、意外に高い軌道も使っている。ただし深くて、回転が強いので、長﨑選手としては高いからいけるかなと思って少し攻めにいくけど、回転、タイミングが合わない。長﨑選手にバック強打されると苦しいので、少し距離を取ったり、緩いボールを使ったりと、戦術の幅が広がっているし、相手を見ながら試合ができている」と平野。

第6ゲームの8-7でも長﨑の3球目ループドライブに対して、少し回転をかけたバックハンドを送り、相手のミスを誘った。

バックハンドで強さだけでなく巧さも見せた早田が長﨑の強打を防いで4-2で勝利すると、続く準決勝、決勝も安定したプレーを見せて優勝。選考ポイントランキングでもトップをキープし、独走モードに入っている。

次回513日は、前回放送に続いて世界卓球MC・福澤朗、世界卓球応援サポーターの日向坂46・松田好花が登場し、世界卓球のダブルスを大特集! お楽しみに!

「卓球ジャパン!」BSテレ東で毎週土曜夜10時30分放送