第2回はラグビー蹴球部チーフの川上璃々(教3=新潟・長岡)と男子バレーボール部チーフの五十嵐香音(政経3=東京・早実)…

 第2回はラグビー蹴球部チーフの川上璃々(教3=新潟・長岡)と男子バレーボール部チーフの五十嵐香音(政経3=東京・早実)が登場。早大でも人気競技のチーフとして早スポを支えるお二人。ラグビーやバレーボールに興味のある方から、早スポってどんなことをしているのか分からないという人まで、幅広い新入生に読んでいただきたいです!

※この取材は4月7日に行われたものです。

「取れ高のある取材が楽しい」(川上)


川上が担当するラグビー蹴球部

――まず、お互いの他己紹介をしてください

川上  香音は男子バレーボールチーフで、早稲田実業高校出身です。あと、アニメが好きだよね。それに、かわいいワンちゃんを飼っています。バレーボールに加えてバスケも好きです。

五十嵐  璃々は雪国の新潟県出身です。高校は陸上部だったので、昨年までは競走部の取材に力を入れていました。今は、ラグビー蹴球部のチーフになったので、ラグビー取材を頑張っているところです。あと韓国が好きです。

――早スポに入った経緯を教えて下さい

五十嵐  ある部活の新歓期間に、(2人で)一緒に入部して仲良くなりました。けど、学業の両立などいろいろ考えた時に「無理だね」となって、やめようという話を一緒にしていました。それでお互いこれから何をやるかはわからないけど、「頑張ろうね」と言って一回別れました。私は他のサークルの新歓期間がほとんど終わっていたので、「どうしょう」と思っていました。けど、スポーツには関わりたかったので友達に教えてもらった早スポに入ったという経緯です。

川上 香音の言った通りです(笑)。私は元々早スポの存在を知っていました。部活に入ろうと思っていたんですが、やめることになったので早スポに入りました。

五十嵐  それで、たまたま図書館で会った時に「何するの」って聞いたら、「早スポ入るよ」って言っていて。「え、私もだよ!」ってなってそこから仲がいいという感じです。

――初めて行った取材はいつでしたか

五十嵐  それ私ちゃんと確認してきていて。1年生の7月くらいにアメリカンフットボールの新人戦があって、それが初めてだったと思います。

川上 私は本当に覚えていないんですけど、競走部の記録会だった気がします。詳しいことはあんまり覚えないですが、そこで、今(競走班で)番記者をしている佐藤航希選手(スポ4=宮崎日大)のインタビューをしたと思います。

――早スポの印象はどうでしたか

五十嵐  印象って難しいな(笑)。私は早実のアメフト部のマネジャーだったので、大学にも同期がいるんです。新人戦だからちょうど同期が出るし行ってみようという感じで取材に行きました。そこで初めて記事を書いたので大変ではあったんですけど、そのときはまだ新歓期間だったというのもあって、ゆるい雰囲気だったと思います。

川上  結構、部と距離が近いサークルなんだなと思いました。

――早スポで一番楽しかった取材は何ですか

川上 一番楽しかった取材…(笑)。どの取材が楽しかったかは決められないですが、私的に選手の成長を取材で感じることができるのが楽しいです。あと、試合会場を回っていて、気づいてくれるとカメラを目線くれるとか、撮れ高がある取材だと楽しいですよね(笑)。

――選手と対談などでプライベートの話はするのですか

川上 取材をする上でコミュニケーションをとるのは大事なのでたまにします。選手の皆さんが気さくに話しかけてくださるので、取材がしやすいです。競走部の田中天智龍主将(スポ4=鹿児島南)は特に早スポに気を配ってくださって、取材に行くと挨拶してくれるのでうれしいです(笑)。

五十嵐 男バレ(男子バレーボール部)だと距離感が難しくて、仕事という意識を持たないといけないので、(選手の交流という面では)「めっちゃ楽しい!」ということはないのかもしれないです。男バレは責任感があるけど、アメフトだと自分としては結構写真が撮れて楽しいです。この間、国立(国立競技場)で行われたアメフトのドリームボールの取材は、早稲田の選手は全く出られていなかったのですが、かっこいい写真も撮れましたし、アメリカの選手も見られたので楽しかったです。

川上 そういう面だとラグビーも距離感が難しいかも。競走部の取材とはまた違った雰囲気です。

――逆に早スポに入ってつらかったことは何ですか

五十嵐  試合会場の距離が遠すぎて。昨年は女子バレーボールチーフだったんですけど、春は神奈川、秋はずっと埼玉に毎週土日に行っていました。あと、1人取材の時はきつかったです。バレーボールは試合の中で1プレー1プレー書かなければいけないですし、それで写真も撮るとなると。でも、別に笑って話せるくらいのきつさです(笑)。

川上 私は即日に記事アップとか、記事を書き上げるのが少しつらかったかなって感じです。

「日本一のチームを間近で見ることができる」(五十嵐)


全日本大学選手権3位決定戦、勝利の瞬間

――早スポでの思い出はありますか

川上  思い出というか、やりがいがあったことは新聞作成かな。昨年の10月から12月くらいで、3号連続で面担(新聞の面のレイアウトをする人)をしました。非日常を味わえているのがすごく楽しくて、学校は普通にあったけど、ずっと東日(東日印刷)に行っていました。なんか大学生じゃないみたいなことをしているのが良かったです(笑)。あと、夜中はイラストをずっと考えていました。大学生というものからは離れて、ちょっと成長したなって思えました。また面担を絶対にやりたいです。

五十嵐  それで言うと楽しい思い出ではなくて、多分部とかからすると悔しい思い出になると思うんですけど、昨年の(男バレの)全日本大学選手権の準決勝でフルセットまでいった結果、惜しいところで負けてしまって。現地で観戦できていない人がいる中で、自分がその場所に入れたというのは印象深い思い出です。選手の悔しい表情や一喜一憂する姿などを間近で見られましたし。しかも、その報道として、プレスとして入れたのはすごいことだと思います。次の日も3位決定戦でカメラとして取材に行きましたが、それも本当にコートの間近にいて、選手たちの表情とかを撮れたので、それは素晴らしいことだと思います。

――早スポの魅力を教えて下さい

五十嵐 男バレのチーフとしてだったら、 早稲田大学のバレーボール部という日本一のチームを間近で見ることができることです。選手たちも学生同士なので、(一般の)メディアより話してくれることもあるはずだと思います。対談などでは普通なら聞けない話も結構してくれているとは思うので、そういうところも魅力なのかなと思います。あと、有名選手だけではなくて、部を支えている裏方の人たちや控えの選手などの、人となりまで知ることができるところも魅力です。

川上 一般の報道として入れるのはやっぱりすごいことなのかなと思います。NHKに中継されるような試合に学生記者として入れるという貴重な体験ができるのはいいのかなと思いますね。あと、大人とのやり取りも多いので、一般の学生よりはメールのやり方も学べるのかなと思います。

――改めて現在何のチーフに就いていますか

川上 ラグビー蹴球部です。

五十嵐 男子バレーボール部のチーフです。

――今のチーフに就いた理由を教えてください

川上 本当は競走部にずっとコミットしていこうと思っていましたが、前任のチーフの方に声かけてもらったので(ラグビーチーフに)就きました。昨年までジュニアラグビーチーフだったのもあって、下のカテゴリーの試合にはよく取材に行っていました。前任のチーフの熱い思いに引かれて、引き継ぐことを決心しました。生半可な気持ちではできない仕事なので結構悩みました。

五十嵐 私は入る時に誘ってくれた子がすごくバレーボールが好きだったので、早稲田のバレーボールが強いと聞いていました。それで、入る時から何となく男バレのチーフをやりたいという気持ちはありました。なので2年生で役職決めとなった時に女バレ(女子バレーボール部)で経験を積んで、一貫して男バレチーフに就くという気持ちはありました。けど最終的に決める時はやっぱりアメフトのチーフと迷いました。高校の部活を決める時と同じ状況で、その時もアメフト部のマネジャーかバレー部のマネジャーで迷っていて、アメフト部のマネジャーを取りました。一生ものの同期もできたので後悔はしてないですけど、バレーを選ばなかったことは結構引っかかっていました。なので、今回は知り合いも1人もいないし、アメフトの方がやりやすいだろうというのがあったんですけど、バレーボールを選ぼうかなと思いました。

川上 深いなあ(笑)。

――担当競技の魅力を新入生向けに教えてください

川上 間近ですごくパワフルなプレーをたくさん見られるのはいいと思いますし、トライシーンなど迫ってくる瞬間とかはすごく感動すると思います。初めて取材に来た子とかだとちょっとびっくりすると思うし、臨場感みたいなのを楽しめるかなと思います。あとは、有名選手にたくさん会えるのはラグビー班の魅力です。

五十嵐 男バレはもう言うまでもないと思うんですけど、本当に世代でトップクラスの選手が入ってきます。春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権)などでスターと言われていたような人たちが早稲田に入ってきて、その人たちのプレーを見られるというのが魅力です。けど、部としてはプレーだけではなくて、人としてどうなのかというところをすごく意識されています。会話の端々や、姿勢など一つ一つをとっても、ものすごくしっかりしているので、人間としてすごい方が多いです。尊敬できるなと思うのでそういうところも魅力かなと思います。

――担当競技の早大の注目選手を教えてください

川上 注目選手は、佐藤健次選手(スポ3=神奈川・桐蔭学園)と、宮尾昌典選手(スポ3=京都成章)です。1年生の時から先輩に混じって活躍していた2人で、圧倒的にプレーがうまいし、同世代の選手なので、注目しています。

五十嵐 同じ学校出身で今年入部した新井琉之介選手(法1=東京・早実)です。早実は春高に毎年出るような高校ではないけど、昨年そこでエースを張っていて、春高出場に導いた子です。同じ高校出身なのですごく頑張ってほしいなと思います。今年の代は結構有力な子たちがたくさん入っているので、その中でも頑張ってほしいというか愛着みたいな、そういう同校意識みたいなものがあります。

「絶対に折れない」(川上)


川上のプレッシャーがかかった一枚

――一番印象に残っている取材は何ですか

川上 競走部初の試みで同時に別地で取材をしたことです。私の出身地、新潟のデンカビッグスワンスタジアムでデンカチャレンジカップが開催されて、一方で東京では日本選手権のリレーの試合が同時開催されていました。なので、競走班で初の分担取材をしました。チーフなどは日本選手権のリレーに残っていて、私ともう1人の先輩の湯口さん(湯口賢人氏)の2人でプレスに入って取材をしました。デンカの試合の方は、たくさん(早大の)選手が出場していました。例えば同じ組で何レーンも(早大の)選手が出場したりしていると、1人で追うことが難しくなったりしてすごく大変だったり、表彰式がその一方でされていたりみたいな。2人でカメラを回すのは本当に大変でした。でも、そんな中で主将の天智龍さんがヨンパ(400メートルハードル)で優勝しました。そのレース、私がカメラを構えていましたが、本当にもうドキドキでした。優勝した時のガッツポーズをしっかりカメラに収められたっていうのが、重要で(笑)。本当に、本当にプレッシャーだったんです(笑)。天智龍さんを絶対逃しちゃいけないと思って、必死にやっていたのがすごい印象に残っています。その時、日本選手権は、4継(4×100メートルリレー)が優勝できなくて沈んでたらしいのですが、天智龍さんが優勝したって一報をガッツポーズの写真と共にラインで送ったら、日本選手権取材勢が盛り上がって、チーフの知世さん(及川知世氏)が褒めてくれて(笑)。その後、日本選手権の方でもマイル(400×4メートルリレー)が優勝したと聞いて、こっちも喜ぶみたいな。こうやって連携してやりとりしていた取材がすごい印象に残っていますね。やってやったぜ競走班、みたいな感じでした(笑)。

五十嵐 バレー班としては昨年の全日本選手権の準決勝、決勝かな。けど、自分の中ですごい印象的なのは、バスケ班の取材で昨年の新人戦です。私、同い年ぐらいの人が頑張っているのを見るのが好きなんです。バスケ部に仲いい友達がいたので取材に行ってみたいなと思って、取材に行きました。それで、その時に他校なんですけど応援したい選手を見つけてしまいました。その取材がきっかけでバスケが好きになりました。だから早スポに入っていることが、今まで自分が見たことなかったりとか、接してこなかったりしたスポーツの魅力を知って、ハマったきっかけなのかなと思って。意外とこれにコミットしたいなと思って早スポに入っても全然違う方向に行ったりとかもするので、それが早スポの魅力にもつながるのかなと思います。

――早スポの活動している中で意識していることや大切にしていることがあれば教えてください

川上 切り替えはすごく大事だなと思っています。取材に入る時は真面目にやって。オンオフをしっかり大事にして、選手と接したり試合に取材に臨んだりするというのはすごく大事にしています。あと、写真はプレー中の写真ももちろん撮るけど、オフとかプレー以外の時に選手が一瞬見える表情などを絶対に収めるというのは毎試合意識してやっています。

五十嵐 大事にしていることは、まずは部に寄り添った取材をするということです。やっぱり早スポは見てくれる人がいないと成り立たないので、すごく読者は大事だと思います。けど、それより先に全ての部にスポット当てる理念(『全ての体育学部に光を』)があるので、部が嫌なことや負担になることはしたくないなと思うのがまず一つです。こうしてほしい、ああしてほしいという希望とかはできるだけ汲み上げたいと思っています。あとは、距離感がやっぱり学生同士とはいえ、向こうからしたら他人からスタートするので、どういうふうに信頼してもらうかは大事だよね。いきなりガっていくと引いちゃうと思うので(笑)。距離感は大事にしたいなと思います。

川上 でも、いかないと(雰囲気が)堅い取材で終わっちゃうから、ある程度アイスブレイクをして聞けることを深めるみたいな。そういうのは難しいけどね。

五十嵐 こっちからまず腹の内を見せないといけないんだけど、だけど近づきすぎないようにしなきゃいけない。向こうが来てくれたらこっちも歩み寄れるんだけど、自分から距離を詰めすぎないことかなと思います。

――ラストイヤーの目標を教えてください

川上 私は絶対に折れないことです。何に対しても全力で絶対に折れずにいきます。

五十嵐 楽しいって思いたい。楽しい気持ちや自分が好きなことをやっているんだという気持ちを忘れずに、1年間やり切りたいです。自分はスポーツをやる方が好きだったので、「なんで自分はやれてきてないんだ」みたいな、そういうスポーツ至上主義みたいなところはあります。それで、自分にあんまり自信が持てなくなってしまう時があるんですけど、でも、「ちゃんと好きなことやってるんだ」という自信を持って。それで、みなさんにいいものを届けていきたいです。もちろん部に寄り添いつつ。

――最後に新入生にメッセージをお願いします

川上 とにかくラグビー班にたくさん取材に来てください。本当に記事とかカメラとかは一旦置いといてとりあえず試合に来てもらいたいです。

五十嵐 同じですね。男バレはツイートの伸びもすごいし、やっぱり人気のあるスポーツなので、ぜひ取材に来てほしいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 近藤翔太、丸山勝央、写真 川上璃々、五十嵐香音、近藤翔太)


◆川上璃々(かわかみ・りり)(※写真右)

新潟・長岡高出身。教育学部3年。ラグビー蹴球部チーフ。最近のマイブームは朝の皇居ランだという川上さん。皇居ラン仲間募集中です!

◆五十嵐香音(いがらし・かのん)

東京・早実高出身。政治経済学部3年。男子バレーボール部チーフ。この時期はお昼をプロテインにしていたという五十嵐さん。おすすめの味はサクラストロベリー味だそうです!