5月6日に東京・有明アリーナで行われる「RIZIN.42」で元谷友貴と対戦する朝倉海は4月19日、東京・港区のトライフォース赤坂で公開練習を行った。朝倉はフランスから招聘した格闘技コーチのエリー氏を相手に1分間のスパーリングを行い、公式イン…

5月6日に東京・有明アリーナで行われる「RIZIN.42」で元谷友貴と対戦する朝倉海は4月19日、東京・港区のトライフォース赤坂で公開練習を行った。

朝倉はフランスから招聘した格闘技コーチのエリー氏を相手に1分間のスパーリングを行い、公式インタビューの後、SPREAD編集部の単独取材に応じた。

◆【単独インタビュー】朝倉海、“右の拳”で切り開く新フェーズ 苦悩の時期を乗り越えるのに必要だった「僕の原動力」

■UFC現地観戦で実感「僕はここで結果を残さないと」

朝倉は復帰戦までの約1年4カ月で2度、アメリカ修行を敢行した。公式取材では「思っていたより(世界との差は)小さかった」と振り返った武者修行だが、世界トップの選手たちと肌をあわせた経験はかけがえのないものだった。

「(刺激を)受けましたね。僕と同じ階級のトップ選手と常に練習させてもらえてたんで、これ以上ない経験ができました。強い選手たちと日々キツい練習をして、すごい耐えて、成長できたかなと思います」と振り返り、「改善点ももちろん見つかりましたし、それが少しでもなくなるように色んなものを吸収しました」と充実した1カ月間であったことをうかがわせた。

得たものは、格闘技の技術だけではない。ともに練習を重ねた、現UFCバンタム級1位のメラブ・ドバリシビリや、現在朝倉のコーチを務めるエリー氏からも多くを学んだとし、「試合までの『コンディション作り』も、メラブとかトップの選手に教えてもらったアドバイスを参考にしながらやっていきます。あとは一緒にフランスからやってきてくれたエリーと一緒に『対戦相手の戦略』をいつも以上に考えて、対策どおりに戦えるようにしたいと思っています」とアメリカ修行の収穫を復帰戦でぶつける考えだ。

朝倉海の格闘技コーチを務めるエリー氏(撮影:SPREAD編集部)

さらに今回の遠征では、かねてから目標に掲げていた『UFCの舞台』を初めて現地で観戦した。その経験を通して「『世界に挑戦したい』という気持ちがより強くなりました。もともとUFCで活躍するのが自分の目標ではあったんですけど、実際に会場で見たことがなくて。今回メラブの試合に招待してもらって、実際に自分の目で見て、会場の盛り上がりだったり、世界レベルの試合を見て、改めて『ここで戦いたいし、僕はここで結果を残さないとだめだな』っていう意識が凄く強くなりました」と世界挑戦に向け、より一層意欲を燃やしている。

■エリー氏との出会いで「伸びしろを感じた」

「UFCのトップ選手とでも、打撃では負けないと自信が持てた。寝技や組みの部分でも、まだ足りない部分はあるが、そんなにめちゃくちゃ差があるとは思わない」と自信をみなぎらせた朝倉だが、自身が“世界トップ”になるためには、さらなる成長は不可欠だと語った。

「まだまだ全部が必要ですね。全部、すべてにおいて、パワーアップする必要があると思います。あとは、もっとたくさんの『技術』や『知識』を得る必要がある。今エリーに教えてもらってることが、たくさんあるんですけど、自分の中で知らなかったことがまだまだあるっていうのを痛感させられています。色々と身につける必要がある。伸びしろを感じました」と、エリー氏との出会いで、さらなる成長の可能性を見出したようだ。

世界トップの選手との触れ合いのなかで「(トップ選手は)技の引き出しが多く、対戦相手を研究しまくっている」と分析した朝倉は、「トップ・コーチはいろんな目線を持っているんで、自分だけじゃ気づけなかった視点とかにも気付けたり、すごく勉強になっています」とコーチの重要性を説く。

格闘技コーチのエリー氏(左)と朝倉海(撮影:SPREAD編集部)

復帰戦の相手、元谷友貴に対しても、エリー氏と分析を進めているとし「一緒にしっかり対策を練っています。相手の弱点だったり、戦略をしっかりたてられてるんで、それを遂行すれば、簡単な相手だなと思いますね」と久々の復帰戦にも気負いはない。

元谷の試合の映像についても「もちろん全部見ましたよ。何回も見たり(エリー氏と)一緒に見たり。その都度、『こういうときはこうしよう』というふうに作戦を立てたり……メラブとかを見てても、本当に綿密に戦略を立てているので、そこらへんもすごく勉強になりました。今までも、もちろんやってましたけど、トップになればなるほど、そういうのがすごく大事になってくると思うので。より研究も必要かなと思いました」と、元谷戦への対策は万全の様子だ。

世界のレベルを体感し進化を続ける“新・朝倉海”は、5・6東京・有明アリーナのリングでリスタートを切る。

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文●工藤愛梨(SPREAD編集部)