2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦クロアチア・ラリーは22日、クロアチアの首都ザグレブを中心にデイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR)のエルフィン・エバンスが2時間20…

2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦クロアチア・ラリーは22日、クロアチアの首都ザグレブを中心にデイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR)のエルフィン・エバンスが2時間20分5秒7で首位に立った。

◆第4戦クロアチア・ラリー2日目 トヨタのエルフィン・エバンスが首位奪取 前編

■巻き返しを誓うオジエ、ロバンペラ

首位に立ったエバンスは「長い一日でしたが、良い順位を得ることができました。朝は路面がダーティなところで少し慎重になりすぎていたように思いますが、それでも午前中は事がうまく運び、クルマの調子も良くなっていきました。午後はオィットに対するリードを失っていき、彼が何かしら問題を抱えたことで少し余裕ができましたが、自分としては満足できない状況でした。それでも、このラリーではトラブルを避け道の上に留まり続けることが大事です。このようなラリーでは決して大きなリードとはいえないので、リスクを管理しながら明日もいい走りをしなくてはなりません」と気を引き締めた。

観客の目の前を飛ぶように疾走するエバンス (C) Toyota Gazoo Racing WRT

セバスチャン・オジエは「カッレと戦いながら、二人とも順位を上げることができて良かったです。もちろん、私たちが本当に望む順位を争っているわけではありませんが、少なくともチームのためにより多くのポイントを獲得することには役立っていると思います。運転を楽しむことができていますし、少なくとも今日の午後はトラブルなく走ることができました。今朝はロードセクションでちょっとした問題を解決しなければならず、タイムコントロールに少し遅れペナルティを受けてしまいました。それでも、走り続けることはできましたし、その後はいいペースでした。残る4本のステージもこの調子で頑張ります」と挽回を期した。

ここまでまだ勝ち星のないカッレ・ロバンペラは「順位を挽回するためかなりハードに戦い、順位を3つ上げることに成功しました。また、セブと僅差の戦いが続きましたが、彼とのバトルは常に大変なので、とにかく攻め続け、一日を通して速く走ることができました。昨日の午後の走行で、クルマとセットアップに関して良いフィーリングを掴めたので、今日は自信を持ってスタートすることができました。また、今朝は出走順も良くクリーンな路面を走ることができましたが、午後の再走ステージは路面がかなりダーティで滑りやすくなっていました。明日は様子を見ながら、できるだけ多くのポイントを獲得できるように頑張ります」と地道なポイント獲得に向け集中力を切らしてはいない。

TGRのチーム代表ヤリ-マティ・ラトバラは「今日は私たちにとって良い一日でした。ドライバーは全員パフォーマンスレベルが非常に高かったと思います。エルフィンのおかげでラリーをリードすることができましたし、難しいコンディションで25秒以上のリードを築けたのは、彼の多大な努力の賜物です。もちろん、素晴らしい戦いをしていたティエリーのリタイアによってリードを得ることは望んでいませんでしたが、その新しいステージが非常に難しいコンディションだったことが証明されました。また、セブとカッレという2人のワールドチャンピオンが、クリーンファイトをしながら順位を上げていったのは興味深く、マニュファクチャラーズポイントという点でも良かったです。そして、貴元が自信を持ち始めたのもまた、良いことです。明日の最終日は、昨年よりもコンディションが安定しそうなので、すべてがうまくいくことを願っています」と今季、TGRからスポット参戦しながら、思うような成績が残せない勝田も気づかった。

クロアチア・ラリーのSS図 提供:WRC/TGR

ラリー最終日となる23日のデイ3は、ザグレブの北側エリアで2本のステージを各2回走行。そのうち、SS18の再走となる最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のSSの合計距離は54.48kmと3日間で最短。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は374.52km。

■クロアチア・ラリー デイ2の結果

1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h20m05.7s 2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +25.4s 3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +55.4s 4 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m49.4s 5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m51.4s 6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m25.9s 7 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +2m32.1s 8 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2) +6m40.2s 9 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2) +6m51.7s

◆【実際の映像】トヨタのエバンスが快走で首位奪還 デイ2

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文●SPREAD編集部