男子テニスのバルセロナ・オープン・バンコ・サバデル(スペイン/バルセロナ、レッドクレー、ATP500)は17日、シングルス1回戦が行われ、ワイルドカード(主催者推薦)で出場した世界ランク323位のP・アンドゥハル(スペイン)は世界ランク5…

男子テニスのバルセロナ・オープン・バンコ・サバデル(スペイン/バルセロナ、レッドクレー、ATP500)は17日、シングルス1回戦が行われ、ワイルドカード(主催者推薦)で出場した世界ランク323位のP・アンドゥハル(スペイン)は世界ランク59位のT・マルティン・エチェベリー(アルゼンチン)に2-6, 5-7のストレートで敗れ、初戦敗退となった。試合後に大会側は、今季限りで現役引退を明言している同選手のセレモニーを行った。
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元世界ランク32位で現在37歳となったアンドゥハルはこの日、3度のブレークに成功したものの、6度のブレークを許し敗北。2時間でバルセロナでの最後の試合を終えた。
11月に開催されるスペイン/バレンシアでのチャレンジャー大会が現役ラストの大会だと明言しているアンドゥハル。しかし、「ATPツアー」のカテゴリーにおいては、ワイルドカードなどが貰えない限りは今大会が最後の出場になる可能性があった。
家族とともにコートに降りセレモニーに参加したアンドゥハルは「小さい頃からテニスクラブの近くにある唯一のプロトーナメントを見るために、ここに来ていたんだ」とコメント。
「その大会が今日、僕に敬意を表してくれているのは夢のようだ。僕はここで11回プレーしている。信じられないことだよ。僕を招待し、このような機会を与えてくれたことに、ただただ感謝、ありがとうとしか言いようがない」
アンドゥハルは2015年の同大会で準優勝をおさめるなど好調を維持し、同年に自己最高の32位を記録。キャリア通算では4つのツアートロフィーを掲げた。
「僕はとても幸せな気持ちで旅立てる。いま、僕は空っぽで、できることは何もないんだ。昨年から、僕の頭の中では『もうやめろ』と言っていて、他に優先すべきことがあったんだ。2018年にけがから復帰したときは、大きな努力をしたし、それを実感した。年上のプレーヤーがいて、彼らがまだ素晴らしいレベルでプレーしている。僕はもうかなり年をとってしまった。でも、37歳で素晴らしいテニスができるとは思っていなかったよ」
「バレンシアで開催されるATPチャレンジャーで、最後の試合をしたい。それが本当のお別れになる。僕は高いランキングを持っているわけではないから、ワイルドカードを歓迎するし、トレーニングも続けるつもりだ。でも、今は違う優先順位を持っている。もし、これが最後の試合になるのであれば喜んで引き受けたい」
アンドゥハルは優先順位として、4人の子どもと妻がいることはもちろん、男子プロテニス協会のATPの委員会メンバーとしての活動も大きく占めていると明かした。
2021年と2022年にTP選手諮問委員会のメンバーだったアンドゥハルは今年、ATP理事会における4人の代表メンバーの1人として就任。世界ランク100以下の選手たちの生活や環境を改善することに大きな活動意義を感じていると語った。
「チャンスが訪れたんだ。ATPのこのポジションについて家族と話したとき、ロッカールームでつながりがあり、コートにいる選手たちと親しい、そんな選手が必要だと思った。僕はプレゼンテーションを行い、自分が何を望んでいるのか、どこを改善できると思うのか、非常に明確な考えを持ってプロジェクトが進行したと思う。とてもうれしかったよ。僕の考えは、トップ100以外の選手たちが少しでも良い生活を送り、ATPを成長させることで、選手と家族全員がより満足できるようにすることなんだ」