第6回は、対校エイトから青木洋樹主将(スポ4=東京・成立学園)と片倉潤樹副将(法4=早稲田佐賀)と小山知起(創理2=東…

 第6回は、対校エイトから青木洋樹主将(スポ4=東京・成立学園)と片倉潤樹副将(法4=早稲田佐賀)と小山知起(創理2=東京・早実)が登場。主将副将を含む3人が、早慶レガッタに懸ける思いとは――。

お互いの紹介


楽しそうに話す3人(左から小山、片倉副将、青木主将)

――自己紹介をお願いします

青木  成立学園高校出身、スポーツ科学部4年の青木洋樹です。好きな食べ物はラーメンです。

片倉 早稲田佐賀高校出身の片倉潤樹です。コックスをやっています。

小山 早稲田実業学校出身の創造理工学部、2年の小山知起です。未経験でやっています。

――まず、お互いの印象を教えてください。まずは青木選手について、他のお二人から紹介してください

小山 青木さんは、同じクルーになったことは今回が初めてです。なる前は、すごく賑やかで、よくお話されてるっていう印象です。あと、あまり真面目な部分を普段見せないので、

青木 そうね。

小山 どういう事を考えてやっているんだろうとか、全然気付けなかったです。でも、いざ同じクルーになってみると、とても計算されたメニューを組まれていて、非常に自分として勉強になりますし、考えてボート漕いだりされているんだなと思いました。

片倉 (青木は)自由人な割に、意外と几帳面。特に最初の2年くらいは、治外法権的存在というか、「規則はそんなに守らないけど、自由にやらしてもらってます」みたいな、そんな感じだったんです。でも、「元々こいつが主将だろうな」っていうのはずっとあって、主将になるっていうのが近づいてきた2年の最後の方とかになるにつれて、だんだん「こういうところでビシッとしたいんだな」というのが見えてきました。意外ときっちり決めるところは決めたい人間なんだなって。締めるところを締められる人です。

――次に、片倉選手についてお願いします

小山 片倉さんも今回初めてです。ずっと対校に乗られているイメージだったので、(未経験で)今年初めてボートを漕いでる自分に、結構強く言われることもあるんじゃないかなと少し心配もあったんですけど、そういうのは決してなくて。自分が聞いたらすぐ答えてくれますし、「ここをちょっと見てほしい」とかそういう注文をすると全部聞いてくださるので、年の差とか経験の差を感じることなく、すごく親しみやすい印象ですね。

青木 ずっと1年の時から一緒にいて、同期の中では、お世話係というか、世話焼きな人です。愛情を持って接するところがあるのかなって思っていて。

片倉 マジっすか。あざす。

青木 同期はいろいろなキャラがいるんですけど、片倉がちゃんと締めてくれたり、 全体をうまく円滑に進める、まとめるみたいな。自分はちょっと自由奔放なので、こういう人がいてくれるとすごくまとまってやりやすいです。あと、自分はボケるタイプで、ちゃんと拾ってくれるので、そこはありがたいです。

片倉 無言になるのはしんどいもんね。

――最後に小山選手についてお願いします

片倉 実は高校3年の頃からこの艇庫に出入りしていて。元々野球部だったんですけど、「野球引退してから大学に入るのは決まってるし、ボートやってみたいから、もう入部前から頑張ろう」っていうのを入部前から知ってて。すごくやる気あるし、体はでかいし、エルゴも回るし、すごいのが入ってくるな、という印象で。最初はめちゃくちゃ部活一本の「超真面目人間」なんじゃないかって思っていました。でも、実際に入って、今回初めて同じクルーで乗ってみると、 部活自体はすごく真面目にやるんですけど、合宿所で一緒に生活をする中で、真面目だけど、ちゃんと喋っていると面白いです。たまに変なこと言うし。真面目すぎてたまにおかしなとこあるし。彼がすごいのは未経験で対校に乗ってるのに、ちゃんとめきめきうまくなる。ビデオを見ていても違和感がないというか、「元々ボートやっていたんじゃないですか」っていうくらいの実力まできているので、期待の星ですね。

青木 そうですね、「努力の虫」です。とにかく努力できる。根性あるし、貪欲で。「どうすればうまくなりますか」っていうのを自分から聞いてきてくれる し、それをちゃんと吸収できるから、うまくなってるのかなって思います。探求心 だったり、好奇心がすごく高くて、それが成長につながっていると思います。ちゃんと賢いので、頭を使ってボートをしているし、日常生活も頭を使って生きてるのかな、みたいな感じで。艇庫でのほほんと生きてる人もいるんですけど、(小山は)ちゃんと考えるところは考えて、メリハリつけて頑張ってるなっていうのがすごく頼りになります。

小山 うれしいですね、こんなにほめられないので、久しぶりにほめられてうれしいです。

――プライベートでの交流はありますか

青木 小山が野球好きなので一緒にWBC見たり。遊びにいったことはまだないかな。野球とか見に行きたいね。片倉は…。

片倉 ないね。

青木 1年生とか2年生の時は同期会がよくあったんですけど、最近はみんな色気づいちゃって交流してくれなくなっちゃったから…。

片倉 「広く浅く」とかじゃなくなっちゃったからね。

昨年の振り返り


笑顔の片倉副将

――昨シーズンから現在への状態の変化はいかがですか

青木 時系列だと、最初が早慶レガッタ。去年は4年生が多くて、7人いたので。自分と片倉以外は4年生。かなり完成されたクルーで自信を持った状態で挑みました。しかも、勝てて。そこからスタートして、全日本(全日本選手権)とかを経て、インカレ(全日本大学選手権)でもいい結果が出るのかなと思ったんですけど、そこで慢心か、うまくいかなくなり。早慶戦、全日本がピークで、そこからズルズルと、そんなに向上心もなく、尻すぼみな感じで終わってしまいましたね。個人的には、そこからは3月に代表選考があったので、一人でコツコツと練習を積んできました。他の人は、1・2年生は全日本新人(全日本新人選手権)っていう大会があったんで、そこでどうなるかなと思ったんですけど、男子エイトは優勝して、「やるじゃん!」と。みんなやる気あるな、っていうのは感じて。未経験者が多いんですけど、やる気は今までと違ってかなりあるなって感じていたので、早慶戦とかインカレか楽しみだな、って思いながら、自分は一人でずっと選考レースに向けてやっていました。3月にそれが終わって、4月の早慶戦に向けて完成度を高くしていこうと。例年に比べても、みんなの向上心が結構強いというか、「とにかく勝つんだ」っていう気持ちがあって、集中力もまとまりもあるので、かなりいい状態にはあるのかなという感じですね。

片倉 去年、早慶戦は、先輩がたくさんいた分、対校に選ばれ、勝ってはみたものの、コーチに終わった後の総括で「勝ったクルーも負けたクルーも、その結果に自分がどれだけ影響したかを考えてほしい」って言われた時に、先輩頼りにしちゃったなって。9人乗る中で、コックスって自分1人しか乗っていないので一番影響を与えやすいんですけど、そんなに「自分がいたからこんなことできた」っていうことがあったかっていうと、そうでもなかったんじゃないかって思いました。そのままインカレに改善できないままいってしまいまいした。インカレも、早慶戦で勝った瞬間は、「これはインカレも優勝だ」くらいに思ってたいんですけど、そんなこともなくて。 意外とインカレが難しいなと。インカレが終わって、自分たちがリーダーになりました。自分は、てっきりコックスのトップのチーフコックスだけだと思ったんですけど、当時の監督から「副将もやれ」と言われて。じゃあもっと「自分でやっている感」が出せるくらい頑張らないとなと思い、今のシーズンを始めました。(今のシーズンは)始めたはいいものの、後輩たちの新人戦に向けての練習だったり、大きい船に乗らずに、みんな個々で陸上でのトレーニングが多くて、「油断していると、後輩のコックスに席を奪われるんじゃないか」っていう不安と「このままうまくなってくれよ」という思いを抱えていました。去年のインカレが終わった後のオフシーズンはぼんやりと焦りながら過ごしていましたね。今のこのクルーについては、実は「大丈夫かな?」と思っていたんです。未経験の人がたくさんいるし、青木が代表選考で抜ける機会もあって、自分が引っ張らないといけないってなった時に、果たして「手触り感」が出せるほどできるのかって。でも、みんなすごくしっかりしていて、ちゃんとしていて。なんなら、今まで乗ったクルーの中で一番集中力があって。打てば響くなと感じています。

小山 自分は先輩方と違って、未経験で何もできないまま入ってきたので、 もちろん早慶レガッタはお手伝いでしたし、全日本もインカレも出場してないんですけど、その期間は体作りに努めて、いつの対校に乗ってもいいような体作りに努めました。新人戦みたいなものがありまして、そこで初めて挫折をしました。最初は対校エイトに乗っていたんですけど、途中で降ろされて、違うクルーに回されて。その対校エイトが優勝する、っていう自分としては非常に悔しくて、優勝してもそんなに喜べないような結果でした。そこでもう一回、「もう降ろされたくない」っていうのが強くなって。対校エイトに乗りたい、もう負けたくないっていう感じでしたね。それで、12月のシングル、ペアと、もう負けないようにやっていたら、それが対校エイトにつながったっていう感じで。そこからもまだまだメンバーの変更があるんですが、もう本当に降りるのが嫌だったので、技術アドバイスを青木さん片倉さんはじめ、先輩方に求めて、1カ月ぐらいは本当に降ろされないように、自分が足を引っ張らないように、そういうつもりで練習しました。最近はちょっとずつそういうのもなくなってきて、決まったからには、勝つために「チームとして」っていう考え方が強くなりました。

――早慶レガッタに向けた、特別な思い入れはありますか

片倉 自分が大学に入って、最初のレースが早慶戦だったんですね。自分の頃はコロナで新人戦がつぶれて。初めて先輩と乗るし、中高でボートやってたとはいえ、コックスは未経験で、技術も信頼もない状況で。もうめちゃくちゃ怒られて、今までで一番辛いんじゃないかな、っていうような練習をしました。一番きつかった分、一番思い出深いです。自分が初めて箔を付けたというか、コックスとして信頼に足るんだぞっていうのが自信につながって、周りの人にもそういうふうに思ってもらえる最初の機会になったのが早慶戦です。そのまま去年もその勢いで勝てて、去年と一昨年が勝ったからには、今年の早慶戦は勝って終わりたいなと。去年なんて勝った瞬間、「これで引退できたらいいな」と思ったくらいうれしかったです。「来年大丈夫かな」っていう思いも少しあったんですけど、今年は今の完成度を見ている感じだと、「このままいけるな」と思っています。

小山 自分はボート部に入った理由が2019年の早慶レガッタで。 早稲田と慶応が判定審査ぐらいのレースをyoutubeで見て。 自分はコロナで高校時代応援がなかったっていうのもあって、大声援の中でやるスポーツに憧れて。入った理由が早慶戦であったりもあるので。今回早慶レガッタに出られるので、このために入ったので、非常に楽しみで、ワクワクしています。あとは、自分が乗るからには絶対に勝ちたいと思っています。自分みたいな、未経験の人が漕艇部に入りたいって思ってもらえるようなレースをしたいなと思います。

青木 自分はそんなに、早慶戦へのこだわりはないです。でも、早慶戦はとにかく荒れた水面で。 自分がいつもやっているボートのレースじゃないんで、 本当に何が起こるか分からないっていうのがすごく怖いところだなと思っています。だから、絶対に油断しちゃいけないし、どんなに実力や技術で上でも油断したら負けるレースです。しっかり気を引き締めてやっていきたいなって。いつものレースと違って、OBだったり、 周りの人からの応援とか期待がすごく大きいレースで。勝つとうれしいというより、ほっとする、みたいな。

片倉 自分だけのものじゃない感が強いよね。

青木 そうなんだよね。だからいつもやってる感じとちょっと違うなっていうか、不思議なレースだなと思いながらやっていて。でもやるからには勝ちたいので、頑張っています。

「夢見たエイトがつくれている」(青木)


堂々と話す青木主将

――昨年とメンバーが大きく変わっていることによる不安はありますか

青木 経験がないというところの不安。でも、(昨年)やってみて、年上には物が言いづらかったし、自分は一応クルーにはいたけど、年上の進め方に合わせてたっていう感じがあって。 だから、なかなか自分が「こうしよう」っていう意見はしなかったので、そういう意味では今のほうがやりやすいし、後輩たちもしっかり付いてきてくれているので、自分の夢見てたエイトがつくれている感じがすごくしています。

片倉 最初は不安がちょっとありました。去年、一昨年と、ずっと早稲田の対校って経験者ばっかりだったり、上級生ばっかり。それでも「絶対勝つだろう」って言われたクルーが一昨年は負けたり、(昨年は)余裕で勝つだろうってレース中に思ったくらいなのに、気づいたら、超僅差みたいな感じで。今年は果たして大丈夫なのかと思っていたんですけど、その不安は最近解消されました。 もしかしたら勝負にならないかもしれないっていう不安がずっとあったんですけど、それは今は全くなくて。最近は、全然勝負できるし、このままみんなで勝ちたいと思っています。自分は結構へこへこしちゃうタイプなので、先輩とやると萎縮しちゃう感じがあって。去年は、どんなに信頼されてるってわかってても、心のどこかで萎縮しちゃっている節があったなと思ったので、今年はそういうことがない上に、後輩たちもガンガン言うタイプなので、自分ができなかったら、「片倉さんちょっとここやめてくださいよ」みたいな感じで、結構厳しめに言ってくれるので、すごくうれしいですね。

小山 自分は経験したことがないというのが1個の不安要素ではあるんですけど、そういう大きい大会とかには慣れてるつもりなので、楽しんでいきたいなと思っています。

――次に、ポジションの役割を教えてください

小山 自分は5番に乗ってて、前の方に乗る人のうちの1人で、後ろにリズムを伝えつつ、エンジンとしてモリモリ漕ぐっていう感じです。リズムはある程度伝えられるようになっていると思ってるので、今はドライブドライブ、長く強く。船を動かす、ドライブ、モリモリ漕ぐ、みたいな。フィジカル使ってやってます。

片倉 自分はコックスで、この中で唯一漕手ではありません。早慶戦だからこそ、コックスの技が生きると思っていて、カーブもあるし、コックスの状況判断次第で、最終的なタイムが何秒も変わる場面がたくさんあると思うので、凝ろうと思えば、どこまでも凝った準備をすることができるので、すごくやりがいを感じるようなところだと思います。あと、選手もやりつつ、半分マネジャー、トレーナーみたいな。ちょっと特殊なポジションではあるので、練習中にマネジャーがビデオ取りやすい位置に少しずつかじ切っちゃおう、とか、今時間巻いたら同じチームの他の船をうまいこと動かすことできるな、みたいな。自分の船以外のことを考えたり、自分のポジション、選手以外のことも考えないといけないポジションだと思っています。

青木 自分はストロークをやっていて、ストロークは一番前で漕ぐ人なんですけど、自分が漕ぎたいように漕げるというのが大きなところです。あとは、後ろの7人がどうやって漕いでいるのかが一番伝わってくるので、フィードバックしながら。後ろは見えないんですけど、ずっと感じながら。あとは、コックスと一番近いので、毎回片倉に「こうしてほしい」というのを伝えて、エイトを作っていく、という感じです。

――ここからは個別にお聞きします。まず、青木選手はこれまでも早慶戦に出場されていますが、主将として迎える今年は、何か違いはありますか

青木 今までは、後輩だったので、周りを勝たせる方で。足を引っ張らないようにとか、そういう意識は強かったです。今年は、自分がのびのび好きなようにできているので、気楽ではあります。主将だからって背負っているものもないし(笑)。みんなもしっかり意見してくれるから、そこをまとめたり、みんなで作っているっていう感じです。そこは信頼しています。

――片倉選手は、代表選考などで選手がそろわない時、どのように練習をし、まとめていましたか

片倉 今、実は男子の漕ぎ手の人数がだいぶ不足していて。代表選考で、青木含め3人が対校から抜けたんですけど、対校とセカンドで8人。それ以外の人はあと3人しかいなくて。1人でも怪我したらもう船を2艇出せないというギリギリの状況でした。セカンドの方から3人引っ張ってきて、 練習に参加してもらって、セカンドの空いた3人には、そのセカンドのさらに下の、早慶戦に出ない予定のメンバーが入ってやっていました。セカンドの人たちにとっても、対校の人たちにとっても、いつもと違うクルーでした。最初は青木が本来漕いでるはずの一番前のところが全く違うリズムで、青木なしで練習することへの不安があったんですけど、そこはうまく後輩たちが対応してくれて、なるべく青木の漕ぎに似せて、青木が帰ってくるまでつなげようとしてくれました。あとは、セカンドから対校に代打で来てくれる子たちは「対校から技術盗んで帰ってやろう」であったり、うまい漕ぎ見せて、対校の座を狙ってみたり。みんな貪欲で、手を抜いたりっていうのは一切なくて、それがすごくうれしかったですね。

――不安だった状態から、日本代表の選考に行ったメンバーが帰ってくる頃には、成長が見られたという感じですか

片倉 そうですね。日本代表で抜ける前の時期だと、あまりクルーの中で発信してくれないような、 元々無口な子たちが何人かいたんですけど、そういう人でも青木たちが抜けてる間に「もっと主体的になろうぜ」っていうような動きが出てきて。 青木が帰ってきた頃には、後ろからフィードバックや「こうしようよ」みたいな。今日も、小山にアドバイスをしてくれたもんね。

小山 そうですね。

片倉 技術以外にも、チームプレーのような成長が見られました。

――小山選手は、初心者と経験者の差を埋めるためにどのような努力をしていましたか

小山 テクニカルなことですね。自分は野球をやっていたので、ウエートトレーニングとか、きつい練習もしてきましたし、体力面、フィジカル的なところでは、負けない、それぐらいの勢いで入りました。もちろんトップ選手との差はありましたけど、対校に乗る程度のものはそんなに大幅な出遅れではなかったので、すごくやりやすかったですね。だから、本当にテクニック的な面で、遅れを取ることがないように。技術は他の人から吸収しました。フィジカルは、もっと練習して、伸ばして、を繰り返して、 対校になんとかしがみつきました。

「(自分の強みは)気合です!」(小山)


臆せず話す小山

――次に、強みやアピールポイントを教えてください

青木 体力があるので、とにかくドライブをしまくるところとこだったり、他の7人よりは感性も優れていると思うので、そこで、しっかり船のリーダーとして、いい進ませ方であったり、船を速くしていくためにどうすればいいのかを考えて。そういった能力は代表選考やシングルでずっとトレーニングしていたので、エイトでも生きるのかなと思います。頭で漕ぐタイプ…ではないですが、フィジカルだけに頼らず、しっかり考えて漕ぐのがボートだと思っているので、そこを体現できる強みがあるのかなと思っています。

――そのスタイルは競技を始めたころから変わらないものですか。それとも、最近身に付けたものですか

青木 探求心は元々あって、ようやくボートへの理解が強まってきたのが大学入って、去年や今年。ようやく、「こうやってやればいいのかな」みたいなのが分かってきたので、それを駆使、還元している感じです。

――片倉選手はいかがですか

片倉 元々コックスは未経験ではあったんですけど、先輩にきついことを言われているなところをいろんな人に見られてきたような大学での部活生活だったので、その分ストイックに整備に当たったりだとか、データ管理だとか、細かいダメ出しへの対応をしてきたという自信があります。それを先生と仲間に見せてきたっていう自負があるので、「こいつが乗っていたら勝てるだろう」っていうよりは、なんとなく「こいつが乗ってたらなんか大丈夫、安全な気がするな」って、安心感を与えられる存在になれたかなと思います。特に隅田川は命の危険を感じるくらいの波が来たり、舵取り一個で勝敗がひっくり返ったりするので、そこで安心感をみんなに与えて、漕ぎに集中してもらえるような環境を作れたかなと思います。

――小山選手はいかがですか

小山 自分は、気合です! 青木さんが今言ってくださったような感性はないですし、片倉さんみたいな経験とか、そういう能力も全然ないので。 なんとか1年、気合でフィジカルだけで持ってきた感じだったので。テクニックは本番までの間に頑張って、本番はそんなこと考えてられないので。100%、120%出し切る能力があると思うので、頑張ってドライブしたいと思います。

――残り2週間で早慶レガッタを迎えますが、それまでにやっていきたいことはなんですか

青木 前後ろの精度を高めるということ。あとは、オールを入れて、 水をつかむ、船を進める最初のフェーズをしっかり8枚でそろえて、とにかく早く水をつかんで船を加速させる精度。前でつかんだものを、そのまま後ろまでしっかり持ってきてあげる。途中で力が抜けたりしないように、しっかり後ろまで持ってきて、それを8枚で突き放して抜いて上げれば勝手にバランスも取れるし、スピードも出るので、そこの精度をとにかく高めて、 8枚で同じ漕ぎができるように、というのを今は求めています。もう1個はリズムで、UT、練習の低いレートのところの完成度は高まってきたので、それをレースペースの高いレートのところにつなげるためにも、漕ぐだけじゃなくて、自分が前に出るんですけど、そこをしっかり合わせきる。出方だったり、「こうしたらもっと船が伸びる」っていう出方があるので、そこを追求していく感じです。まだまだ伸びしろはたくさんあるので、質を上げているという状態です。

片倉 目指してるものは同じなので、漕ぎに関しては全く同じなので、自分個人の話をします。レースの時でも上がらずにリラックスして、みんなに聞かせられるような指示出し。自分は、たぶん上がり性なんですよね。自分があんまり冷静に俯瞰して、みんなを見て、動きがずれたら束ねる、違う動きをしていたら正しい動きに戻してあげる、っていうことを。 できる時もあるんですけど、なかなかオールウェイズできないので、本番は落ち着くことですかね。落ち着いて、冷静にみんなのことを見てあげられるように。冷静になりつつ、盛り上げるべきところで、ちゃんとみんながめちゃくちゃ疲れていても力がみなぎるようなコールができるように、メリハリのある指示出しをしたいです。

小山 自分は漕手なので青木さんが今言ってくださったことと同じです。他は、体調管理だとか、気持ちの持っていき方だとか、そういうところを仕上げていきたいなと思います。

――最後に、早慶戦に向けての意気込みを教えてください

小山 自分は早慶戦のために(部に)入ったと言っても、過言ではないレースなので、 今、ボートをやっていない人が「ボートを始めたい」って思ったり、「早稲田大学の漕艇部で早慶戦に出たい」って思うように。そのためには、まず、勝つことが絶対条件だと思うので、 高校の時に味わえなかった応援を楽しみつつ、他の人を楽しませられるようなレースができるように頑張ります。

片倉 インカレとか、全日本と違って、乗れる人が限られているレースで、その割にインカレとか、全日本よりもすごく長い(レース)。 ほぼ1年かけて、マネジャーとかOBが作ってくれる大きい大会です。最後に、「乗れないけど、応援しててよかったな」って乗らない人から思ってもらえたり、サポートしてくれたOB・OGやコーチ、マネジャーから「たくさん準備してよかったな」って思ってもらえるような結果をお届けしたいと思います。

青木 どれだけ気合が高まっていて、どれだけやる気がみなぎっていても、そこまで積み上げてきたものが薄ければ、「本番だけいいもの」っていうのは出ないし、とにかくそこまでにいかに完璧な準備をしていくかっていうのが勝つための近道だと思います。とにかく前日までコツコツ積み上げて、自信がみなぎった状態で、スタートのコールが聞けるように。とにかく100%の準備をしていきます。結果はそこについてくるものなので、気合をしっかり準備につなげて、結果として勝利を届けられるように、頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 田島璃子、齋藤汰朗、横松さくら)


色紙に思いや意気込みを書いていただきました

◆青木洋樹(あおき・ひろき)(※写真中央)

 東京・成立学園高出身。スポーツ科学部4年。「神は細部に宿る」と書いてくださった青木選手。頼れる主将が完璧な準備で勝利へと導いてくれることでしょう!

◆片倉潤樹(かたくら・みつき)(※写真左)

 早稲田佐賀高出身。法学部4年。「隅田無敗」と書いてくださった片倉選手。的確なかじ取りとコールで、無敗記録を更新できるかに注目です!

◆小山知起(こやま・ともき)

 東京・早実高出身。創造理工学部2年。「憧れた舞台で勝利を!!」と書いてくださった小山選手。かつて自分が憧れた舞台で、躍動する姿を見せてくれることでしょう!