第4回は、対校エイトから榎本拓海(商3=東京・早大学院)と遠矢陸人(スポ3=熊本学園大付)と原田燿輔(スポ2=静岡・浜…

 第4回は、対校エイトから榎本拓海(商3=東京・早大学院)と遠矢陸人(スポ3=熊本学園大付)と原田燿輔(スポ2=静岡・浜松北)が登場する。普段の生活や早慶レガッタへの意気込みなど、さまざまな話を伺った。

お互いの紹介


船の後方に乗る3人による対談となった(左から榎本、原田、遠矢)

――自己紹介をお願いします

遠矢 熊本学園大学付属高校出身のスポーツ科学部新3年の遠矢陸人です。お肉が好きです。よろしくお願いします。

原田 浜松北高校出身、スポーツ科学部新2年生の原田燿輔です。スプラトゥーンをやっています。

榎本 早稲田大学高等学院出身、3年の榎本拓海です。映画を見るのが好きです。お願いします。

――競技歴を教えてください

原田 中学からで、今年で8年目です。

――ボートを始めたきっかけは

原田 中学の時に、その中学で一番部員数が多かったのがボート部で、県内でそこの中学校しかボート部がなくて、全国大会に簡単に行けるのでそこが魅力的だと思って入りました。

遠矢 僕は高校から始めました。高校が熊本なのですが、生まれ育ったのは福岡で、福岡のタレント発掘プログラムっていうのがあって、それで適正あるスポーツを見つけている時にボートがいいんじゃないかって言われました。やるからには日本一を目指したいなと考えていて、熊本学園大学付属高校という強豪のチームがあったので、監督にお願いして入学して、そこからずっとボート漬けです。

榎本 僕は大学から始めました。第二エイトの谷口くん(俊之輔、政経3=東京・早大学院)っているんですけど、その人が最初に新歓でここにきていて、「みんないい人だから」みたいな感じで誘われて来たら意外といい感じで。先輩からも「日本一狙えるんじゃね」「始めたてでもいけるよ」と言われたので入りました。

――それまでは何の競技をしていましたか

榎本 高校はラグビーで、中学はバスケをしていました。適当ですね。

――お互いの印象を教えてください

遠矢 こいつ(原田)の印象。しゃべんないので、ずっと無口で何考えているのか分かんないんですけど、ずっとボートの動画とか見ているんですよ。暇さえあれば。練習後のミーティングでも自分からは言わないんですけど、(話を)振られたら一番後ろに乗っているのでテクニカルな部分をすごく見ているなと。まあ。しゃべんないんですけど。もっとしゃべってくれたらうれしいなと思います。

榎本 一番後ろでも背中で示すタイプ。テクニックで引っ張っている感じですね。

原田 早慶戦はスイープとスカルの2種類があって、スイープを全然漕いだことがなくて。去年はスカルの種目でしか大会に出たことがなくて、スイープは全然なので、技術は自分のことで手一杯みたいな。まだ余裕がないっていうのが何も言わない理由です。

遠矢 俺は最後に聞きたい。

――では、榎本さんについてお願いします

原田 私生活ではあまり関わる機会がなくて、この早慶戦で初めて同じクルーになったんですけど、自分と同じように自分から発言していくタイプではないと思ったんですけど、最近は自分からみんなに対してフィードバックをしていてすごいなと思って見習いたいです。体格も自分と同じ感じで、パワーというよりはテクニックで戦っていくスタイルなので、今後も引退までライバル視して負けないように頑張っていきたいと思っています。

遠矢 榎本は艇庫の中でずっと一緒に過ごして、飯とか行ったり遊びに行ったりしているんですけど、めっちゃいいやつですね。ノリがいい。ノリがよくて面白くていいやつです。いつも「練習だりー、だりー」って言いながら手を抜かないというか、決められたメニューをちゃんとこなしているので、そういうところがすごいなと思いながら見ています。

――これを受けていかがですか

榎本 原田は特にしゃべってこなかったから、こう言われたのはうれしかったし、彼(遠矢)は本当に厳しい人なので初めて褒められて感動しました。

――次は厳しい遠矢さんについてお願いします

榎本 高校の時に全国準優勝とか名門の高校でキャプテンも務めていて、早慶戦クルーになってからリーダーシップみたいなのも裏方から発揮しているなというのを感じています。後ろの僕たちが頼りない感じなので、それを声で引っ張って盛り上げてくれています。頼もしい存在です。

原田 今言ってくれた通り、この3人の中で唯一発言数がすごく多くて、クルー結成当初からどのクルーでもダメなところはちゃんとアドバイスして、いいところもちゃんと褒めてくれるみたいな。そういう行動力、発言力があって、すごいなと思います。

遠矢 もうちょっと褒めてや。

原田 エルゴという陸上の機械があって、最近2000メートルの測定があって、大幅に自己ベストを更新していました。自分はもともと全然追いついていないんですけど、さらに差が広がって。ちゃんと早慶戦に向けた成長をしていて見習わないとなと思いました。

――これを受けていかがですか

遠矢 基本的に僕たちはエイトの中で後ろ側の人間なんで、この3人ともう1人いるんですけど、仲良くやっているので褒められてうれしいです。

――プライベートでの交流はありますか

原田 僕が基本、部屋から出なくて。だから同部屋の人としか接しないんですよ。同じ趣味があるわけでもないからなおさら関わらないです。

榎本 この前やっとご飯に行きました。初めて外でコミュニケーションを取りました。

昨年を振り返って


冷静に話す榎本

――昨季を振り返っていかがですか

原田 さっきも言った通り、スカル種目でレースとか出ていて。中学とか高校は全員スカル種目で、その続きみたいな感覚でやっていたんですけど、高校3年生の受験シーズンで落ちた体力を2022年の間に取り戻そうっていうのが目標だったんですけど、高校3年生のころの自分には負けないくらいにはなれたと思っているので、それが一番の収穫だと思います。

遠矢 僕はおととしの10月の(全日本大学選手権)の後に腰をけがしてしまって。そこから全く漕げていなくて、去年の9月までボートから離れていたというか、全くボートに乗れていない時期がありました。初めてボートに乗れていなかったので、モチベーションを保つのもすごく難しくて。寮でみんなに会うのも気まずいみたいな感じで過ごしていたんですけど、インカレ(全日本大学選手権)で榎本が未経験でペアの種目に乗って入賞したり、未経験で入ってきた同期が活躍したりしているのを見ると、やっぱり負けたくない気持ちもあって。それでもう一回火が付いたというか、しっかりけがを治して復帰して全日本新人(全日本新人選手権)で新しいスタートじゃないですけど、エイトで優勝することができたので、ボートに対する取り組み方が変わった1年間だったと思います。

榎本 僕は始めて2年目なんですけど、去年はだいぶいろんな大会に出させてもらって。それこそ早慶戦は負けてしまいましたけど、インカレで7位とか全日本新人(全日本新人選手権)優勝とかいい経験を積むことができたので、その集大成というか締めくくり的な感じで今回の早慶戦に臨みたいなと思っています。

――榎本選手は昨年、第二エイトに乗ったと思いますが、振り返ってみていかがですか

榎本 昨年は本当に始めたてで何も分かっていなかったので、昨年はそもそもこちらのミスで負けてしまったので、今回のクルーは全員が実力者ですし、自分が一番下手なので、全員に食らいついていくかたちで行けば確実に勝てるかなと思っています。

――早慶戦への特別な思いはありますか

遠矢 結成してからは僕も早慶戦に出たことがなくて実感がなかったんですけど、実際に隅田川で漕ぐ練習が何度かあって、漕ぐたびに「ここで漕ぐんだな」とだんだんと実感がわいてきました。練習を重ねるにつれてみんなの練習への向き合い方も真剣になっていくので、どんどん僕たちも頑張らないといけないなと気合が入っています。

原田 3月になって早慶戦の会場となる隅田川で漕ぎ始めたんですよ。早慶戦を見据えて3750メートル、レース形式で漕ぐ練習が入って。先週が初めて対校のフルメンバーで3750メートルやったんですけど、すごくレベルが高くて。一番前に乗っている大学生トップクラスで主将の青木さんについて行くのがすごくきつくて、練習の動画を見返して自分では納得ができないくらいやばい漕ぎをしてしまったので、あと1回ある隅田川での練習では自分が納得できるレベルで漕ぎたいと思っています。本番は観客の人たちが「このエイトの漕ぎはすごいな」と思うくらいの完成度になるように頑張りたいなと思っています。

榎本 去年、第二エイトで負けた後に桜橋で対校の試合を見ていたんですけど、対校が勝った瞬間にマネジャーとか監督とかも喜んでいたし、周りで見ていた一般の方たちも喜んでいて。これが早稲田を代表する人たちが勝った時なんだと実感して、そこに今回自分が入るわけですから、早稲田を背負ってめちゃめちゃ盛り上げさせるようなレースをしたいなと思っています。

「(歓声や応援が)最後の底力を出してくれる」(遠矢)


熱い思いを語る遠矢

――久しぶりに有観客での開催となりましたがいかがですか

原田 3750メートルを漕ぎきる。それだけで精一杯なので。観客がいればいないよりもラスト頑張れると思うので、ラスト1000メートル、自分の最高の漕ぎを見せつけたいなと思います。

――観客がいるのは感じるものですか

榎本 分かんないけど、めちゃめちゃ盛り上がっていた時の動画とか見ると、旗を持っている人とか沿道にびっしり人がいて。去年も人がいたっちゃいたけど全然だったので、観客がいたらこっちもテンションが上がるのかなと思います。

遠矢 『紺碧の空』がゴールの前で流れるって聞いたので、最後、本当に余力のないときに聞こえてきた歓声とか『紺碧の空』はすごく不思議な力というか、最後の底力を出してくれると思います。それを感じられるように緊張しながらも楽しんで試合に臨みたいなと思います。

――エイト種目ならではの良さはありますか

遠矢 (原田が)一番分かるんじゃない。シングルしか乗っていなかったから。

原田 クルーの人数が増えれば増えるほど1分間に何本漕ぐかっていう漕ぎのレートが高くなっていって。エイトだと1人乗りのシングルのマックスくらいのスピードでずっと漕ぎ続けないといけないくらいスピーディーで、低速も一番速いっていうのでついていくのが難しいです。

榎本 人数が多い分、ちょっとのズレがめちゃめちゃでかくなってしまうところがあるので、そのズレを毎日、毎日なくそうと努力しています。本番は8人がそろったきれいな漕ぎができると思うので、そこを見ていただけたらと思います。

遠矢 乗る人数が増える分考え方もいっぱいあるというか、自分が一人で漕いでいた時には見つけられなかった課題とか、逆にいい点とかも他の人が見つけてくれることもあるし、乗りながら周りを感じられるというか、乗っていてみんな頑張っているんだなと感じられることがすごくあります。一人じゃめげそうな時とかもみんなが頑張っているのを感じたら頑張れる気がして。それこそこの前の全日本新人(全日本新人選手権)でスタートで他の大学に1艇身くらい出られて、負けるかなと思ったんですけど、すごくみんなが頑張っているのを感じながら120パーセントくらいの力を出せて。あれはみんなの気持ちがそろったというか、みんながやってきたことがつながった結果だと思います。エイトはパワーというか、なんだろう。みんなの気持ちが一つになったり、向かう先がはっきりした時のパワーや推進力がすごいなといつも思っています。

――皆さん後方のポジションですが、役割を教えてください

遠矢 僕と原田は一番後ろに2人でいて、艇のバランスをとる係。荒れるのでなるべくバランスよく保つために僕たちがしっかりとした動きでバランスをとるって感じです。あと、後ろなので前の6人が自分の動きを見られていない状態なので、後ろから声掛けをするのが僕たちの一番の大事な仕事です。

榎本 僕は本当に特にやることが…。そんなに明確化されていないというか、やることはないですけど、3番と4番ペアのでき次第で勝敗が変わると言われているかもしれないんですよ。なので、早稲田が勝ったら僕のおかげということでお願いします。

――ここまでの練習での仕上がりや残りの期間で精度を上げていきたい部分などがあったら教えていただきたいです

遠矢 クルーを組んでちょっとしたタイミングで日本代表選考というのがあって3人抜けちゃって。その間に残ったのは未経験者やスイープ歴が浅い人たちが残ったので、そのメンバーは追いついて追い越せるくらいまで頑張ろうと覚悟を決めて練習してきました。戻ってきた時は最初乗った時に比べてかなり精度が高くなっていて、そこからまた何度か練習を重ねるうちにどんどん良くなっていって。この前の隅田川での実践が目標のレート数より上だったので、そこには自信をもって、でもまだまだ詰められるところはあるのでそこはもっともっと。上手くなるよりはミスを減らすのを大事にしているので、どんな状況でもミスを減らせるようにしっかり全員でいろんなところを詰めていっています。

原田 この8人のうちの日本代表選考に出ていた3人っていうのはパワーがすごくて上手いし、そのうちの1人は僕と同じでスイープ歴が浅いので、スイープに関しては個人課題があるんですけど、そういう優秀な選手がいるのでその人たちの漕ぎを崩さずに8人そろった漕ぎでユニフォーミティー高めていくことが今できる一番効果的な課題だと思うので、あと2週間くらいで合わせていきたいなと思います。

榎本 基礎の部分はだいぶ仕上がってきたと思うので、あとは隅田川という特殊な川に向けて本番想定みたいな感じで「こういう場合はどうしたいか」みたいなのを詰めていく。そしたら完璧な仕上がりになるんじゃないかなと思います。

早慶レガッタへ向けて


笑顔を見せる原田

――ご自身の強みやアピールポイントを教えてください

遠矢 強みかー。榎本は?

榎本 クルーを組んでからの練習期間、みんな抜けたり体調を崩したりとかあったんですけど、僕はまだ1回も休んでいないので、我慢強さ。ここが強みなので、このまま皆勤賞で最後まで頑張り続けたいと思います。