ボクシング元WBC世界バンタム級暫定王者で現WBA同級1位の井上拓真(大橋)が8日、東京・有明アリーナで同級2位のリボリオ・ソリス(ベネズエラ)とのWBA世界同級王座決定戦に臨み、3-0の判定で世界王者に返り咲いた。 ◆【実際の動画】デビュ…

ボクシング元WBC世界バンタム級暫定王者で現WBA同級1位の井上拓真(大橋)が8日、東京・有明アリーナで同級2位のリボリオ・ソリス(ベネズエラ)とのWBA世界同級王座決定戦に臨み、3-0の判定で世界王者に返り咲いた。

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■兄・尚弥が返上したベルトを奪取

4団体統一を目指す弟・拓真が兄・井上尚弥の前で目標への第一歩を踏み出した。

第1ラウンドは遠い間合いからのジャブの差合い。井上は9センチ差のリーチを生かしたソリスの左ジャブを警戒しつつも慎重に試合を運んだ。

第2ラウンド、井上はジャブでタイミングを見つつ右のカウンターを狙う。互いに様子を見合ってのアウトボクシング。後半、井上は自らワンツーを放つなど積極的に試合を組み立てようと動き出した。

第3ラウンドも冷静さを保ちつつ自ら攻める井上。高レベルな攻防が続くなか、両者の距離は少しずつ近づいていく。

第4ラウンド以降、遠めからジャブで差を詰めるソリスに対し、右カウンターを合わせる井上。タイミングを掴み始めた井上は、足を使って狙う。しかし、第5ラウンド終盤、バッティングにより井上の左まぶたがカットし、大量に流血するアクシデントが起こる。

第6、第7ラウンド、左まぶたの出血が止まらない井上の動きが鈍ったところで、ソリスが前に出る。井上はステップでリズムを取り戻そうとするが、深く踏み込んでくるソリスのジャブに被弾が増える。

第8ラウンドから、踏み込んだワンツーとカウンターの右パンチでタイミングを取り戻した井上に対して、動きが鈍り始めたソリス。距離を詰めるソリスだが、井上は間合いをとって力強いパンチを当てる。

第10ラウンド以降、井上は兄・尚弥譲りのボディやカウンターでソリスに立ち向かう。最終ラウンドもスタミナを見せつけ12ラウンドを戦い抜いた。最後まで冷静にカウンターを合わせようとした井上が判定3-0で勝利。

試合後、井上は「兄が返上した1本目のベルト取ることができてほっとしてます。兄の弟という重圧は現役をやる以上ついてくる。世界チャンピオンに返り咲けて良かった」と安堵の表情を見せ「兄が手放したバンタム4団体を統一する」と今後の展望を語った。

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文●SPREAD編集部