■まさかの5連敗で山形も監督交代に J2リーグでは、清水エスパルスに続いてモンテディオ山形も監督交代に踏み切った。4月2…
■まさかの5連敗で山形も監督交代に
J2リーグでは、清水エスパルスに続いてモンテディオ山形も監督交代に踏み切った。4月2日にピーター・クラモフスキー監督との契約を解除したことを、4日に発表している。監督とともにクリス・ブラッドリーコーチとの契約も解除された。
クラモフスキー監督のもとで、山形はJ2でも指折りのフットボールを作り上げてきた。自分たちで主導権を握り、パスをつなぎ、相手をしっかりと崩して得点を重ねていった。オーストラリア人指揮官が5月に就任した2021年は7位で、22年は6位でJ1参入プレーオフに進出した。
クラモフスキー体制3年の今シーズンは、J1自動昇格圏の2位以内が現実的なターゲットとなった。パリ五輪世代の右SB半田陸がJ1のガンバ大阪へ、CBの山崎浩介がJ1のサガン鳥栖へ、MF山田康太がJ1の柏レイソルへ移籍し、昨季途中加入で8得点したFWディサロ・燦・シルヴァーノが清水へレンタルバックしたが、主力の抜けたポジションには新戦力を獲得した。大幅な戦力ダウンは避けることはできており、チームの完成度で勝負できる、との見かたがあっただろう。
開幕戦でヴァンフォーレ甲府に2対1と競り勝ち、2節はジェフユナイテッド千葉を3対1で下した。チーム初の開幕連勝を飾ったが、3節のジュビロ磐田戦は1対2で敗れ、4節のザスパクサツ群馬戦も0対1で落とした。
ここまでの4試合は、アウェイゲームだった。ホーム開幕戦となった5節のFC町田ゼルビア戦に勝利すれば、負の流れを断ち切ることはできたかもしれない。しかし、互いにチャンスを作り、同じシュート数(6本)を記録したものの、スコアは0対3なのである。
続く6節のV・ファーレン長崎戦は、2対3の逆転負けを喫した。2度のリードを守ることができず、後半アディショナルタイムの被弾で勝点1さえも取れなかった。
7節の水戸ホーリーホック戦は、ここまでの戦いを象徴するような試合だった。チャンスは作っているものの得点できず、相手には決められてしまうのだ。0対1で敗れ、2012年以来11年ぶりの5連敗を喫してしまったのだった。
■渡邉新監督に求められる「ロマンからの脱却」
昨シーズンも序盤は苦しんだ。7節終了時点の成績は1勝3分3敗である。勝点だけなら2勝5敗の今シーズンと同じだが、試合内容は違う。自分たちのスタイルは構築されているものの、決定機を生かせないことで試合を難しくしてしまっているのだ。
ボールを支配することはできているのだが、スペースを支配しているとは言えないのが今シーズンここまでの山形のサッカーだった。つまりは、ゲームそのものを支配しているとは言えなかった。攻勢の時間帯で仕留められないために、ゲームを支配しきれないのである。
後任には渡邉晋コーチが昇格する。J1当時のベガルタ仙台とJ2のレノファ山口FCで監督を務め、22年からコーチを務めてきた。経験は申し分なく、チーム状況も把握している。4月8日の8節から同16日の10節まで、中3日で3連戦が組まれていることを考えても、内部昇格はベターな判断だろう。
渡邉新監督に求められるのは、「ロマン」からの脱却だ。
クラモフスキー監督のフットボールは、観衆を魅了する要素を多く含んでいた。しかし、2勝5敗で18位に低迷する現在の山形に必要なのは、内容ではなく結果だ。美しいサッカーで勝利をつかむというロマンではなく、泥臭くても勝点を拾っていくことが求められる。
ここまで6勝1分で首位を走る町田は、リードした終盤にCBを増やして5バックで逃げ切る。山形に求められるのは、そうした割り切りだ。1本のリスタートで先行し、そのまま逃げ切るような試合がほしいのだ。クラモフスキー監督の在任時は決して多くなかった「ウノゼロ」の試合を増やしていくことが、新監督には求められる。