岡田阪神はここが変わる…「今まで見られなかった作戦が次々と」 2023年のセ・リーグ公式戦が31日に開幕。現役時代にヤク…
岡田阪神はここが変わる…「今まで見られなかった作戦が次々と」
2023年のセ・リーグ公式戦が31日に開幕。現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)の4球団で計21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が、今季順位を予想した。岡田彰布監督が15年ぶりに縦縞のユニホームに袖を通した阪神、新井貴浩新監督が就任した広島は、どう変貌を遂げるのか。そして、野口氏にとって古巣の1つであるヤクルトのリーグ3連覇の可能性は──。
野口氏が優勝候補の本命に推すのは、阪神だ。言うまでもなく、名将・岡田監督の復帰が最大の理由。野口氏は阪神時代の2004年から08年まで、5年間にわたって“岡田監督第1次政権”の下でプレーした。「岡田監督にしてみれば、ごく普通の采配であっても、昨年までの阪神には見られなかった作戦が続々と出てくるはずです」と断言する。
野口氏は現役時代の岡田采配を振り返り、「例えば、2回無死一、二塁のチャンスに、7番か8番を打っていた僕に打順が回った。初球は送りバントのサインでしたが、ボール球を見送りカウント1-0。すると、2球目にはすかさずバスターエンドランのサインに替わりました。相手バッテリーが、カウントを悪くする前にバントをやらせようと甘いコースへ投げてくることを見越した上でのサイン変更。相手の心理を読み切った采配を、さらっとやる監督です」と証言する。
阪神打線がオープン戦17試合で、12球団最多の72得点を挙げたのも、岡田監督就任と無関係ではないと見ている。「もともと強力な投手陣を誇る阪神(昨年のチーム防御率はリーグダントツの2.67)が、点を取れるようになれば、それは負けませんよ」と野口氏が言うのも道理である。キーマンであり、最大の補強は岡田監督に他ならない。
ヤクルトも野口氏にとってプロ入りから足掛け9年を過ごした古巣の1つだが、今年は2位予想とした。理由として「村上(宗隆内野手)、山田(哲人内野手)を中心に打線の顔ぶれは昨年と変わらず、得点力は高いと思います。しかし、“クローザー問題”がどうしても気になる」と話す。
要所に新外国人配置の巨人が「一番不気味な存在」
昨年までの2年間で計69セーブを稼ぎ、リーグ連覇に貢献した守護神スコット・マクガフ投手(現ダイヤモンドバックス)がメジャーへ流出。野口氏は「代わりのクローザーは、清水(昇)で務まるかもしれない。しかし、となると、これまで清水が担っていた8回は誰が抑えるのか? 9回のクローザーも大事ですが、これまで8回に清水が“でん”と構え、相手の反撃意欲を削いでいたことも、試合展開の上で非常に大きかったのです」と振り返り、「ベテランの石山(泰稚)、左腕の田口(麗人)らの中から、8回にビシッとはまる投手が出てくれば、3連覇の可能性が高まるでしょう」と指摘した。
一昨年の最下位から昨季は2位へ躍進したDeNAは、一歩下がって3位予想。「今年もいい戦いはするでしょうが、決め手に欠ける。(昨年10月に)右肘を手術し、復帰時期が不透明な(タイラー・)オースティンが、早い時期にクリーンアップへ戻り定着できるようなら、優勝候補でしょう」と条件付きで評価する。オープン戦では1番に佐野恵太外野手、2番に宮崎敏郎内野手と、首位打者経験者を並べていたが、野口氏は「出塁率の高い佐野を1番、器用な宮崎を2番に置きたくなる気持ちもわかりますが、1、2番に強打者を並べた分、下位打線が弱くなる印象が拭えません」と不安を感じている。
巨人は昨年と同じ4位としたが、「1番不気味な存在です。計算が立ちにくい外国人頼みのところがあるので、この順位にしましたが、先発2枚、セットアッパー、中堅手という要所に新外国人がいて、彼らがはまれば、一気に優勝争いへ突き抜ける可能性があります」。開幕投手に指名されたタイラー・ビーディ投手、同じく先発要員のフォスター・グリフィン投手、救援のヨアン・ロペス投手、ルイス・ブリンソン外野手と新助っ人にかかる期待が大きい。また、39歳の松田宣浩内野手、38歳の長野久義外野手のベテラン2人を補強した点については、「ムードメーカーや精神的な支えとしての役割を期待しての補強であれば、十二分に果たすと思います」と評した。
「セ・リーグは4位まで、優勝の可能性が十分ある」と予想する野口氏。中日、広島は戦力的にやや劣る印象だ。5位予想の中日は、投手陣が先発、リリーフともに強力だが、セットアッパーのジャリエル・ロドリゲス投手がキューバ代表としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場後に、音信不通となり亡命したとみられるのは誤算だ。「上位進出には、新助っ人勢や細川(成也、前DeNA)らで得点力をアップすることが必要でしょう」と野口氏は言う。
新井新監督を迎えた広島は、オープン戦4勝9敗3分(勝率.308)で12球団中最下位に終わった。「新井監督は好人物なので個人的に応援したい気持ちもありますが、昨年同様、抑えの栗林(良吏投手)につなぐまでの中継ぎに不安がある。投手のやり繰り、継投はベテラン監督でも難しいところで、監督就任1年目には厳しい状況と言わざるをえない」と野口氏は予想する。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)