村上宗隆はWBC効果が「絶大」、今季も「期待しかない」 日本列島が歓喜に沸いたワールド・ベースボール・クラシック(WBC…

村上宗隆はWBC効果が「絶大」、今季も「期待しかない」

 日本列島が歓喜に沸いたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が終わり、いよいよプロ野球が始まる。3月31日に6球団が一斉に開幕するセ・リーグは、ヤクルトが球団初の3連覇に挑む。現役時代に走攻守3拍子揃った外野手として5度の優勝に貢献した球団OBで野球評論家の飯田哲也氏に今季のヤクルトを分析してもらった。

 野球日本代表「侍ジャパン」に4選手が選ばれたヤクルト。村上宗隆内野手は、WBCでの経験がさらなる飛躍をもたらすと飯田氏は見る。「絶対に成長しかないですよ。効果は絶大だと思います。今シーズンは期待しかありません」。

 結果が出ずに苦しんだ大会だったが、準決勝のメキシコ戦で逆転サヨナラ二塁打、決勝の米国戦では右翼席上段へ同点アーチをかけた。「国を背負って、彼の人生で今まで味わったことのないプレッシャーを感じたのでは。最初は全然打てなくて、大谷翔平とかにいろんな声を掛けられて、プレッシャーをはねのけた。これで、より楽にシーズンに入っていけるでしょう」。

 昨年は日本人選手最多の56本塁打をマークするなど史上最年少で3冠王に。ただ、今年は「そこまでホームランが打てるかは難しいかも」と飯田氏は占う。相手バッテリーの警戒が昨年以上に高まると予測する。「攻め方がボール球でもいいや、とか変わってきます。その辺を強引に打ち出すと、崩れちゃう。でも、村上はヤクルト伝統のチーム優先のプレーができる選手。しっかり見極めて塁に出て、貢献しますよ」と太鼓判を押す。

 山田哲人内野手は、WBCでチーム最多の3盗塁をマークした。しかし、「やっぱり足がね……」と“変化”の兆しを心配する。

ポイントはマクガフの穴…「抑えは決めたい」

 今年31歳を迎える山田。通算190盗塁を誇るが、直近の3年間の盗塁数は8、4、10。昨季の本塁打は23本だった。トリプルスリー3度の実績から考えると、やや物足りない。「足が衰えて走れなくなってくると、打球も飛ばなくなる。長距離打者というのは、ホームランの魔力が抜けきれないことが多い。現役を長く続けるには、過去の自分を捨てなければいけない時期が来ます。どうやって生き延びていくか、イメージチェンジを考える時期かもしれません」。

 飯田氏は、現在のヤクルトの2軍監督を務める池山隆寛氏を“お手本”にあげる。「ブンブン丸」と呼ばれた程のフルスイングが代名詞で一発が魅力だったが、年齢を重ねてプレースタイルが変わった。「池山さんは、ブンブンが減りました。追い込まれてからの対応とかも。今の山田と丁度同じぐらいの年だったんじゃないかな」。

 中村悠平捕手はWBC決勝でダルビッシュ有、大谷翔平ら7投手をリードした。若き左腕の高橋奎二は1試合登板で2回を無失点に抑えた。「中村は安定感がある。ベテランの域に入ってきて自信もあるでしょう。奎二は代表選手たちと過ごせていろいろな話が聞けて、プラスしかない。1年間ローテを守れば十分な成績を残してくれるはず。結果を出せば、来年以降エースと呼んでもらえる資格は持っています」と評価する。

 3連覇へ課題は何か。「後ろがね。誰でいくんでしょうね」。守護神だったスコット・マクガフがダイヤモンドバックスへ。メジャー通算28セーブの新外国人キーオン・ケラ、セットアッパーとしてフル回転してきた清水昇ら救援陣は多士済々だが。「抑えは決めたい。形がはっきりしていないのが不安です」。それでも、「投手の使い方が上手ですから」と高津臣吾監督の手腕に注目する。

 飯田氏は、今季のセの優勝争いは混戦模様と感じている。「各チーム決め手がなく、ずば抜けているチームがない。本当にわからない」。その中でヤクルトの強みを「経験値は一番ある。どうやったら勝てるのかを知っている」と指摘する。野村克也監督時代も達成できなかった3連覇を実現できるか。注目の戦いがもうすぐ始まる。(西村大輔 / Taisuke Nishimura)