9-8の大激戦に「ひっくり返すと言い続けながらの終盤だった」 大激闘に大きな拍手が送られた。阪神甲子園球場で行われている…

9-8の大激戦に「ひっくり返すと言い続けながらの終盤だった」

 大激闘に大きな拍手が送られた。阪神甲子園球場で行われている「第95回記念選抜高校野球大会」は25日、大会7日目の3試合が行われ、第3試合は作新学院(栃木)が9-8で英明(香川)とのシーソーゲームを制した。作新学院の小針崇宏監督は「なんとかひっくり返すと言い続けながらの終盤だった」と激戦を振り返った。

 初回に先制を許した作新学院は、2回に8番・草野晃伸捕手(3年)の適時打で同点に追いついた。しかし、6回までに6三振を奪われるなど、英明の先発・寿賀弘都投手(3年)を打ち崩せずにいた。ただ、「おそらく激闘になるぞ」と前日に選手へ伝えていた小針監督の予想が的中し、中盤以降は両チームの打線が爆発した。

 6回の守りでは英明6番・大島陵翔内野手(3年)からの4者連続安打を浴び、3点を失った。だが、直後の7回に9番・塙綸ノ亮外野手(3年)と1番・高森風我外野手(3年)の連続適時打で3-4と1点差に迫った。さらに8回にも先頭の3番・磯圭太(3年)が中前打で出塁すると、継投した英明のエース右腕・下村健太郎投手(3年)から4安打を放ち、一挙4点を奪い7-4と逆転した。

 白星が見えたが、2点差に迫られた直後の8回2死一、二塁の場面で英明の3番・百々愛輝外野手(2年)に、痛恨の一時逆転3ランを被弾。万事休すだった。だが、諦めなかった。1点を追う9回、4番・斎藤綾介内野手(3年)が四球を選ぶと、5番・武藤匠海内野手(3年)が2球目をレフトスタンドへ運ぶ逆転の決勝弾を放ち、2時間30分に及ぶ激戦を制した。

平均169.7センチ、66.5キロ…「自分たちの野球を見失わない」英明に敵将も賛辞

 イニングを重ねるごとに、春夏通算3度の甲子園優勝を誇る作新学院に粘りを見せる英明に対し、場内から送られる拍手が大きくなった。登録選手の平均身長・体重が169.7センチ、66.5キロの英明に対し、作新学院は175.6センチ、77.1キロ。体格差は歴然な上、英明の投手陣には目を見張るような剛腕投手もいなかった。なぜ全国屈指の強豪校に、ここまで立ち向かえたのか。

「1点を争う大ゲームになる」と予想していた小針監督は、英明に「どんなゲームになっても自分たちの野球を見失わない」と印象を語った。劣勢になっても投打で粘り強く試合を進める姿に「見習わないといけないところがたくさんありました」と脱帽だった。

 さらに「どんなピッチャーでも攻略してくるし、(バントで)送って繋いでいく。それで守りもしっかりしている。隙のないチームですよね。ピッチャーも8番(寿賀)が投げてきて、左(百々)も右(下村)も出てくる。(継投次第で)いろんな野球ができる」と体格差を感じさせない戦いに感心していた。

 小針監督は「ある程度、失点は視野に入れながら、相手ピッチャーをどう攻略するかが今日のテーマだった」と振り返る。序盤は「反省点が多い試合だった」と悔しさを滲ませたが、ベンチメンバー総動員で競り勝てたことは大きな財産となった。(喜岡桜 / Sakura Kioka)