国際大会では臨機応変な対応が不可欠…厚澤コーチが語る起用法 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕まであ…
国際大会では臨機応変な対応が不可欠…厚澤コーチが語る起用法
3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕まであと10日となった27日、野球日本代表「侍ジャパン」は宮崎キャンプを打ち上げた。何が起きるかわからない国際大会。3大会ぶり3度目の世界一のためには、臨機応変な対応も求められる。ブルペンを預かる厚澤和幸コーチに、今大会を勝ち抜く上で投手のキーマンを聞いた。
栗山英樹監督も「ピッチャーを中心に守りに行く」と代表メンバー発表時に言ったように、代表メンバー30人中、半分の15人が投手だ。そのうち、自チームで先発を務める投手は10人。今大会の先発はダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)、佐々木朗希(ロッテ)、山本由伸(オリックス)の4人が予想されている。そのため、単純に6人は、自チームとは違う起用法になる。
厚澤コーチは「抑えを固定しない」とも言っている。候補は大勢(巨人)、栗林良吏(広島)、松井裕樹(楽天)の3人。確かに9日からの1次ラウンドは4連戦で、この大会には3連投を禁ずる投球制限もある。救援だからといって投げる場所が固定されるわけでもなさそうだ。
先発から引き継いでの第2先発やロングリリーフなど、シーズンとは違う起用で求められるのは臨機応変な対応力だ。ただ、登板するタイミングがある程度わかっていないと力を発揮できない選手もいれば、急な登板でも結果を残せる選手もいる。そこで厚澤コーチが期待するのは、宇田川優希(オリックス)と伊藤大海(日本ハム)だ。
宇田川はキャンプ入り時は調整不足も…「違う体質を持っている」
宇田川は今回が初の代表入り。オリックスでのキャンプでは中嶋聡監督から調整不足を指摘され、減量を命じられた。WBC球にも最初はうまく対応できず、また“人見知り”もあってチームでも「自分から行けない」と悩んでいた。しかし、第1クール終了後のオフには、ダルビッシュが投手会を「宇田川投手を囲む会」と名付けるなど、“いじられキャラ”として一躍人気者になっていた。
その流れで、すっかり本来の調子も取り戻した。25日のソフトバンクとの壮行試合では7回2死一、三塁で登板し、空振り三振でピンチをしのぐと、8回も無安打無失点で抑えた。このピンチでのリリーフ投入は、厚澤コーチが提案したものだった。
「走者がいる状況で、グワッと行けるピッチャーってなかなかいないんですよ。それを僕は去年、間近で拝見させてもらって。ちょっと他のリリーバーとは違う体質を持っているなってわかっていたので。それを栗山監督と吉井(理人・投手コーチ)さんに話していて。だからあえてランナーがいるところで出してもらったんです」
宇田川のすごさは、クイックでもボールをしっかりコントロールできるところだという。本人も19日の初ブルペンではクイックで投球し「考える時間がないので迷いなく(腕を)振れた。これが一番の収穫でした」と手ごたえも感じていた。
伊藤は日本ハム入団時は抑え構想「彼は本当に万能型」
そしてもう1人、「走者を置いてファーストピッチからアジャストできる能力を持っている」と評価するのが、伊藤だ。厚澤コーチが日本ハムに在籍していた2021年にドラフト1位で入団してきたが、当初は“守護神候補”で獲得したという。
日本ハムでは先発している伊藤は、リリーフ起用について「投げること以外での準備を大事にしたい」と対応の難しさを感じていたが、厚澤コーチは「彼は本当に万能型。かなり貴重な1枚」と全く問題視していない。
「スイッチの入れ方も上手ですし、長いイニングのバックアップに回れる能力を持っている。マウンドに上がらない中での作業が得意な人と得意ではない選手がいて、宇田川と伊藤大海はずば抜けて上手」
もちろん、侍ジャパンに選ばれた投手は皆、突出した能力を持っている。それはリリーフも一緒だ。大勢や栗林といった守護神候補は毎回決まった場面で投げ慣れているのもある。しかし、試合は何が起きるかわからない。ピンチで登板し相手の流れを断ち切る。2人に求められている役割は大きい。(川村虎大 / Kodai Kawamura)