元メジャー五十嵐亮太氏「外角は強いスイングができている」 今季はチームの攻撃力アップが急務の課題となっている中日。昨季セ…
元メジャー五十嵐亮太氏「外角は強いスイングができている」
今季はチームの攻撃力アップが急務の課題となっている中日。昨季セ・リーグ最多安打の岡林勇希、左翼の大島洋平といった外野手に加え、打線のカギを握るのは外国人選手となりそうだ。ヤクルトやソフトバンク、メジャーでも活躍した野球評論家の五十嵐亮太氏は「ビシエドとアキーノの活躍がカギ」と話すが、中でも新加入したアリスティデス・アキーノ外野手のインコース対応がポイントになると見る。
22日、沖縄・北谷町で行われた楽天との練習試合を観戦した五十嵐氏は「外国人枠は(ジャリエル)ロドリゲスと(ライデル)マルティネスの投手2人、野手は(ダヤン)ビシエドとアキーノになりそうですね」と見る。この日、ビシエドは楽天先発の松井友飛投手から2安打を記録。「スライダーやカットなど、横の変化に強いビシエドにとって相性のいい投手だったと思います。その中でもビシエドらしい打球を飛ばしていた。順調に仕上がっていると言えそうです」と話す。
今季で8年目を迎える巧打者・ビシエドを打ち取るには「インコースを攻めながら外角を振らせるか、外角を意識させて内角を詰まらせるか」。とはいうものの、ここまで積み重ねた経験で「配球はかなり読めているはず」と推測する。そのビシエドが十二分の働きをするためにも、重要になってくるのがアキーノの存在だ。
アキーノはこの日、初回2死一、二塁で迎えた第1打席で外角球をフルスイング。やや振り遅れながら放った強い打球は、風の後押しもあって逆転3ランとなった。「打球が風に乗ったとはいえ、反対方向に強い打球を飛ばせるのは確か。真ん中から外角に来たボールには強いスイングができています。ポテンシャルはすごく高いですね」とうなずく。
アキーノの“弱点”も指摘「苦手意識はあるでしょう」
一方で弱点も明確に見えた。それが「インコースへの対応」だ。内角寄りのボールには思い切ったスイングができておらず、打球も詰まり気味。アキーノ自身、ホームベースからかなり離れた位置に立っているのを見ても「苦手意識はあるでしょう」という。
「シーズン中も内角は確実に攻められると思います。その対応をどうしていくか。日本は同じチームとの対戦回数が多いので、一度弱点と見られれば徹底して攻められます。そうなる前に内角へ来るボール球の見極めをできるようになったり、少なくとも強いスイングでカットできるようにならないと、対戦する投手心理としては攻めやすくなりますね」
この日も右翼から内野へ力強くコントロールのいい返球を見せるなど、守備でもポテンシャルの高さが光るアキーノ。25日から始まるオープン戦で打席数を重ね、内角への対応力を磨くことが、アキーノ自身はもちろん、中日打線のカギとなりそうだ。(佐藤直子 / Naoko Sato)