伊藤大海はダルビッシュの隣でブルペン投球「普通に見たかった」 東京五輪に続いて、国際大会で存在感を示しそうだ。第5回ワー…

伊藤大海はダルビッシュの隣でブルペン投球「普通に見たかった」

 東京五輪に続いて、国際大会で存在感を示しそうだ。第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けた侍ジャパンの宮崎キャンプは18日、日本ハムの伊藤大海投手がブルペン入りし35球のピッチング。北海道出身で幼少の頃から憧れてやまなかったダルビッシュ有投手が、同時間帯に左隣で投げていたとあって、「自分は投げずに、普通に見たかった」と苦笑した。

「ダルビッシュさんは自分に夢をくれた人。最初はソワソワしましたが、投げているうちに集中できました」とうなずいた伊藤。ダルビッシュからも「コントロールがいい感じにまとまってたね」とお褒めの言葉を頂戴したと言う。

 もっとも、伊藤にとって何よりの朗報は、WBCでも日本製のロジンが解禁されたことではないか。この日のブルペンでも「日本製を使えるとのことなので、それを試しかった」と明かした。

 過去4回のWBCでは、マウンドに置かれる滑り止めのロジンに、専らMLBで使用されている米国製が使われてきた。日本製に比べると粘り気があり、手に取った際に空中を舞う白い粉の量も少なかった。一方、伊藤は2021年に行われた東京五輪での“追いロジン”で、一躍有名になった。

 元々右手に大量にロジンをつける投手で、リリースの瞬間には白い粉が白煙のように舞う。準決勝の韓国戦に登板した際、韓国サイドから「打席からボールが見えづらい」と物言いがついたが、ボールに直接振りかけでもしない限り、ロジンの粉の量を規制するルールはない。審判からは一切お咎めがなかったばかりか、向こうっ気の強い伊藤は、なおさら手にロジンの粉をつけて力投。韓国を破って勝利投手となり、侍ジャパンを決勝進出へ導いたのだった。

日本製ロジン使用可に安堵「僕は手汗が酷くて、メジャー仕様ではべたつく」

 昨年11月のオーストラリアとの強化試合では一転、米国製のロジンが使われ、伊藤は違和感を訴えていた。ロジンを一切使わないことも検討していたが、慣れ親しんだ日本製を使うことが可能になり、「僕は手汗が酷くて、メジャー仕様ではべたつく。これでいつも通りの感覚で投げられると思います。使用球の違いは気にならないので、その辺はもう大丈夫かな」と大いに手応えを得た。

 また、独特の超スローカーブもこの日のブルペンで2球披露。「もう少し投げたかったのですが、ブルペンの天井が低かったので……。1球目はすっぽ抜けて、ダルさんに『なんやそれ?』と言われてしまいましたが、2球目は良かった」と振り返る。

 昨季には80キロ台序盤を計測した“魔球”。WBCで相手国の打者が、見たこともない球筋に天を仰ぐシーンが目に浮かぶようだ。本人は熟考の末、「サミングボール」と命名。「釣りで、糸の出を親指を使って調整することをサミングと言います。カーブも親指で調整するので」と説明するが、世間に浸透するかどうかは、WBCでの活躍次第かもしれない。

「コーチ陣からは『臨機応変に、いろいろなシチュエーションで投げてもらうことを想定している』と言われています。チームが苦しい場面で、しっかり期待に応えられるように準備したい」と頼もしい。国際試合の歴史にもう1度名前を刻むか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)