キャンプ見学に必要な「入場整理券」は既に配布終了 3月に行われる第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、3…
キャンプ見学に必要な「入場整理券」は既に配布終了
3月に行われる第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、3大会ぶりの優勝を狙う侍ジャパンの宮崎キャンプが17日から始まる。WBC直前に宮崎でキャンプを張るのは毎回恒例で、今回は20日と24日の休養日を挟み27日まで行われるが、宮崎県サイドの関係者はパニック発生の可能性に戦々恐々だ。2009年の第2回WBC前に起こった“イチロー渋滞”の記憶が、脳裏に焼き付いているからだ。
キャンプイン前日の16日午後、侍ジャパンの栗山英樹監督が宮崎空港に到着した。約200人のファンに出迎えられ、「侍への期待を感じる。宮崎の皆さんに喜んでもらえるなら嬉しい」と相好を崩した。
キャンプ中にメーン球場のひなたサンマリンスタジアム宮崎のスタンドで練習を観るには、無料の入場整理券が必要だが、既に配布は終了している。配布は「ローチケ」を通して行われ、入場整理券自体は無料なものの、発券手数料330円が必要だった。球場の収容人数は3万人。ただ外野席は一般に開放せず、1日約1万8000人に抑える。
キャンプイン前に入場整理券を配布するのは初めて。宮崎県観光協会スポーツランド推進部の末吉大介部長は「2009年の“イチロー・フィーバー”が教訓になっています。今回も当初は大谷翔平さんが来ることを想定していたので、イチローさんの時を超えるのではないか、どうなってしまうのかという不安がありました」と明かす。
2009年、宮崎市街地からキャンプ地まで12キロが車でびっしり
2009年の第2回WBC前の宮崎キャンプには、当時マリナーズのイチロー氏らが参加。ホテルなどが建ち並ぶ宮崎市街地から、キャンプ地の宮崎県総合運動公園まで、約12キロの道のりに車がびっしり詰まり、前代未聞の渋滞が発生したほどだった。
当時の主催者側は急きょ、混乱を防ぐため球場開門前に入場整理券を配布することにしたため、当日は球場前まで来ながら入場できず涙をのむファンが多数に上った。ちなみに、2013年の第3回大会では現役メジャーリーガーが皆無、2017年の第4回大会は青木宣親外野手(当時アストロズ、現ヤクルト)1人で、そこまでの混乱はなかった。
今回は、現役メジャーリーガー5人中4人がキャンプ不参加とはいえ、パドレスのダルビッシュ有投手が参加する。昨年、史上最年少での3冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆内野手をはじめ“国内組”の顔ぶれも豪華だ。前出の末吉部長は「大谷さんがいらっしゃらないのは残念ですが、私も県民の期待を肌で感じております。経済効果の面でも、非常にありがたい。ただ、どれくらいの混雑、渋滞が起こるのかと考えますと、正直言って、期待と不安が入り混じった心境です」と吐露した。
キャンプ期間中の25日と26日に行われるソフトバンクとの壮行試合2試合のチケットも、既に各販売サイトで売り切れとなっている。最寄りの「木花駅」に停車するJR日南線は臨時列車や増結列車、宮崎交通バスは宮崎空港や宮崎駅から臨時バスを運行する。万全を期してはいるが、関係者の不安は尽きない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)