野口寿浩さんが西武キャンプをチェック…水上、森脇、平井らを挙げた 今年の西武の見どころの1つは、絶対的なセットアッパーだ…
野口寿浩さんが西武キャンプをチェック…水上、森脇、平井らを挙げた
今年の西武の見どころの1つは、絶対的なセットアッパーだった平良海馬投手が先発に転向すること。昨年は主に8回を担い、リーグ最多タイの61試合に登板。35ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手をのタイトルを獲得し、防御率1.56をマークした怪腕の後釜を、いったい誰が務めるのか。
現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が13日、西武の春季キャンプを訪問しチェック。松井稼頭央監督と話し込むシーンもあり、就任1年目の新指揮官は「(新セットアッパーを)探している段階です」と述懐したと言う。
「9回を締める守護神の役割は実績のある増田(達至)に任せるとして、問題は8回。水上(由伸)、森脇(亮介)、それに平井(克典)あたりが有力候補ではないか。そこへ新外国人の(ヘスス・)ティノコ(投手=前レンジャーズ)が加わるようなら、ハイレベルの争いとなるでしょう」と野口氏は見る。
日の出の勢いを示しているのが水上。プロ2年目の昨年は、35ホールドポイントで平良とタイトルを分け合い、新人王に輝いた。「今年はまずセットアッパーの地位を固め、さらに増田が元気なうちに取って代わる──それくらいの野心があってもいい」と野口氏は成長をあおる。
森脇は昨年、故障で出遅れたものの43試合で防御率1.77の好成績をマーク。「力感のない変則的な投球フォームで、相手打者にしてみれば打てそうで打てない。フォークは打者の手元で直角に落ちるのではなく、独特の軌道を描く」と打ちにくい理由を解説する。
平良は「比較的スムーズにイニング数を増やしていける」
一方、平井は昨年、30試合登板中13試合が先発で残りがリリーフ。それでも6勝8敗、防御率2.89にまとめた。「“困った時の平井”で、昨年は先発も任されましたが、先発陣に駒がそろった今年はリリーフに固定できるのではないか」と予想する。
セットアッパー候補は、ティノコを加えた上記の4人に限らない。「4年目の宮川(哲投手)が大化けする気もする。本田(圭佑投手)、森友哉の人的補償でオリックスから張奕(投手)も可能性を秘めている」と指折り数える。いずれにせよ、無双状態だった平良の穴を1人で埋めるのは不可能に近く、調子のいい投手が入れ替わり立ち代わり務めることになるのかもしれない。
平良自身は昨年までのプロ5年間で、1軍公式戦に先発したことは1度もない。転向自体にもリスクがありそうだが、野口氏は「先発転向そのものは成功すると思う。2桁勝利の可能性は高い」と太鼓判を押す。
根拠は「決してストレート一辺倒にはならず、多彩な変化球を駆使してきたこと。もちろんスタミナを増す必要はありますが、大きくモデルチェンジをすることなく、比較的スムーズにイニング数を増やしていけると思う」というところにある。確かに、平良は最速160キロのストレートを誇りながら、精度の高いスライダー、カットボール、スプリットも駆使。毎年改良や新球種を加える向上心と器用さまで備えている。
昨季終了後の契約更改交渉の席で先発転向を強く直訴し、難色を示した球団や首脳陣を押し切る形で長年の希望をかなえた平良。野口氏は「昨年まで失点の心配をほとんどしなくてよかった8回から、平良がいなくなるのですから、ベンチが不安がるのも理解できる」とも。平良が勝利投手の権利を持って降板した後、8回に新セットアッパーが打たれて台なし、という皮肉な展開にはならないよう救援陣を固めたい。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)