2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンは12日、競技最終日となるデイ4が行われ、前日首位に立ったフォードのオィット・タナックが2時間25分54.4秒でフィニッシュ、今季初優勝を遂げた。タナックはWRC通算18勝…

2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンは12日、競技最終日となるデイ4が行われ、前日首位に立ったフォードのオィット・タナックが2時間25分54.4秒でフィニッシュ、今季初優勝を遂げた。タナックはWRC通算18勝目。

◆【実際の映像】波乱の連続、ラリー・スウェーデンの雪上を疾走するWRCマシン

■トヨタ勢は表彰台逃し4番手、5番手

総合2位には首位から18.7秒遅れでクレイグ・ブリーン、3位は同20.0秒差でティエリー・ヌービルと2台のヒョンデが表彰台を獲得した。

タナックは昨季最終戦ラリー・ジャパンでヒョンデ離脱を明らかにし、チームへの不満を口にしていたが、今季フォードに移籍。旧チームの2台を抑え、新チームに久々の優勝をもたらした。

フォード移籍後、初優勝を果たしたタナックの走り (C) Jaanus Ree / Red Bull Content Pool

前年のチャンピオンTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラは4位、同じくエルフィン・エバンスは5位でフィニッシュ、スウェーデンでの4連覇を目指したトヨタ勢は表彰台を逃した。また、今季初めてマニファクチャラーズ・ポイントの対象となる同チームから出走した勝田貴元はデイ2でのデイリタイヤが最後まで響き、また最終日はメカニカル・トラブルにより悔しいリタイアとなった。

ラリー・スウェーデンのデイ4は、ウーメオーの北側とウーメオー市街地近くの特設ステージで3本のステージを走行。その合計距離は63.04キロ。ステージ周辺の天気は概ね曇り、気温は日中4度前後まで上昇。オープニングのSS16「バスタービック1」は朝7時過ぎと日の出前のスタート。全長26.48キロの新ステージ、SS16では総合4位につけるロバンペラがベストタイムを記録。総合3位ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)との差を1.1秒に縮めました。しかし、ウーメオーでのサービスを挟んで行なわれたSS16の再走ステージ、SS17では3番手タイムとなり、ベストタイムを記録したヌービルとの差は7.1秒に拡大。ボーナスの選手権ポイントがかかるパワーステージ、最終のSS18「ウーメオー2」を3番手タイムで走り終えたロバンペラは、ヌービルと5.1秒差の総合4位でフィニッシュした。

2023年ラリー・スウエーデンのコース 提供:WRC・TGR

■チャンピオンシップはわずか3ポイント差

その結果ロバンペラはドライバー選手権2位の座を維持し、首位フィニッシュしたタナック(Mスポーツ・フォード)には3ポイント差につけている。

表彰台を逃したロバンペラは「かなり困難な週末でしたが、最終的にとてもハッピーです。出走順が1番手だった金曜日は1本非常に難しいステージがあり、そこを2回走っただけで30秒以上も遅れてしまいました。しかし、最終的には首位と約25秒差だったので、状況を考えればかなり良いラリーを戦えたと思います。今朝の最初のステージでは良いタイムが出てティエリーとバトルすることができましたが、2回目の走行では、路面に轍が深く刻まれていたことでペースが上がりませんでした。週末を通じてハードにプッシュし続けましたが、同じステージを2回目に走る時は総じていいタイムが出ませんでした。少なくとも次のメキシコでは1番手でステージを走る必要がないため、フレッシュな気持ちで臨み、良いラリーを戦いたいと思っています」と前を向いた。

タナックに首位を明け渡したが3ポイント差としたロバンペラの走り (C) Toyota Gazoo Racing WRT

前日のデイ3で自分が望むような走りをできなかったエバンスは、パワーステージに焦点を合わせデイ4に臨み、パワーステージではベストタイムと僅か0.6秒差の2番手タイムを記録。総合5位でラリーを終えるも14ポイントを獲得し、ドライバー選手権4位の座を守った。なお、チームはロバンペラとエバンスが獲得したポイントにより、14ポイント差でマニュファクチャラー選手権首位を死守した。

いいところなくラリーを終えたエバンスは「タフな週末で、自分たちが期待していたような結果にはなりませんでした。個人的にはクルマになかなか自信が持てず、その上、いくつかミスもしてしまいました。そのような状況を考えれば、少なくともポイントを獲得できたことを喜ぶべきですが、私自身はより高いパフォーマンスと結果を得るためにラリーを戦っています。ラリーを終えて、いくつか改善できるエリアが見つかり、今後に向けて作業を進めることになりますが、スウェーデンは常に特殊なイベントなので、今はメキシコに向けて、グラベルラリーに開発の焦点を合わせる必要があります」とメキシコでのリベンジを誓った。

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文●SPREAD編集部

🇸🇪#WRC2023ラリースウェーデン#FIA 公式より「パワーステージで何が起こっていたか!?」#WRC公式 動画で振り返りチェック!

😳えぇぇぇ!
ヌービル組がまさかの……😮

最後の最後まで何が起こるかわからないのがラリーです!
pic.twitter.com/At1JgffVWh

— WRC – FIA世界ラリー選手権公式🇯🇵 (@officialWRC_JP) February 12, 2023