2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンは12日、競技最終日となるデイ4が行われ、前日首位に立ったフォードのオィット・タナックが2時間25分54.4秒でフィニッシュ、今季初優勝を遂げた。 TOYOTA GAZOO…

2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンは12日、競技最終日となるデイ4が行われ、前日首位に立ったフォードのオィット・タナックが2時間25分54.4秒でフィニッシュ、今季初優勝を遂げた。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamから出走した勝田貴元はデイ2でのデイリタイアから復帰、デイ3で再出走し最終日も好調を維持。オープニングのSS16で6番手タイムを、SS17で5番手タイムを記録した。しかし、SS17でクルマに発生した問題により、最終のパワーステージを前に勝田は無念のリタイアとなった。

◆【実際の映像】波乱の連続、ラリー・スウェーデンの雪上を疾走するWRCマシン

■「多くの経験を積むことができた」と無念のリタイヤを喫した勝田

勝田は「週末を通してクルマはとてもいいフィーリングでした。金曜日のアクシデント後、クルマを修理してくれたチームのおかげで、土曜日と日曜日のステージでは今後に役立つ多くの経験を積むことができました。しかし、残念ながら今日はラリーを走りきることができませんでした。パワー不足を感じるようになり、エンジニアがクルマのデータをチェックしたところ問題があることがわかったので、ラリーを続けることができなかったのです。今回、良い結果を出すことができずチームに申し訳なく思いますが、次のラリーでは良いパフォーマンスを発揮できるように頑張ります」と反省を口にし、第2戦を終えた。

TGR-WRTのカスタマードライバーとして、今回のスウェーデンで初めてGR YARIS Rally1 HYBRIDのステアリングを握ったロレンツォ・ベルテッリは、ハイブリッドラリーカーでスノードライブをエンジョイ。全てのステージを走りきり、総合14位でフィニッシュ。

チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは「スウェーデンは、これまで我々が強かったラリーだっただけに、もっといい結果を得られると思っていました。初日の路面コンディションは出走順が早かった我々にとって理想的とはいえず、出走順が後方だったライバルに差をつけられてしまい、少し苦戦しました。我々も反撃を試み、スピード面に関してはいくつか良い兆候も見えましたが、最終的にはあまり上手くいきませんでした。各チームとも素晴らしい戦いぶりで、予想通り今年は非常に接近した戦いになりそうです。パワーステージの結果によって多くのポイントを獲得し、マニュファクチャラー選手権では首位を守ることができました。また、カッレはドライバー選手権で首位に近い位置につけながらも、次のメキシコでは1番手スタートを免れる」と次戦での必勝を期した。

チャンピオンシップでもタナックに3ポイント差をつけられフィニッシュで浮かない表情のロバンペラ(右) (C) Toyota Gazoo Racing WRT

チャンピオンシップ総合順位では、首位に2019年の王者タナックに対し、2位に昨季最年少王者獲得カッレ・ロバンペラ、3位にティエリー・ヌービル、4位エルフィン・エバンス、5位セバスチャン・オジエとなった。

WRC第3戦は3月16日に開幕、19日が最終日となるラリー・メキシコ。2020年大会以来の開催となるこのラリーは、今シーズン最初のグラベルイベントであり、以前と変わらずメキシコ中央高地の都市レオンにサービスパークが置かれる。レオン周辺に設定されるステージは全体的に標高が高く、最高地点は2,747メートルに達するなど空気が薄い状態での走行となるため、エンジンのパワーダウンをいかに抑えるかが重要なポイント。また、気温も摂氏30度前後と高く、ドライバーだけでなく、エンジンにも非常に厳しい1戦として知られる。

■ラリー・スウェーデン 総合順位

1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID) 2h25m54.4s 2 クレイグ・ブリーン/ジェームズ・フルトン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +18.7s 3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +20.0s 4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +25.1s 5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m24.0s 6 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +5m59.0s 7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +7m42.4s 8 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +7m48.1s 9 オーレ・クリスチャン・ベイビー/トシュテン・エリクソン (フォルクスワーゲン Polo GTI R5)+8m30.4s 10 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m03.2s R 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) (現地時間2月12日14時30分時点のリザルト)

◆第2戦ラリー・スウェーデン 勝田貴元は無念のリタイヤ、優勝はオィット・タナック 前編 

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文●SPREAD編集部