川崎フロンターレが沖縄合宿で2試合目の練習試合を行った。対戦相手は名古屋グランパスで、45分間×3本を行って4-1(1…
川崎フロンターレが沖縄合宿で2試合目の練習試合を行った。対戦相手は名古屋グランパスで、45分間×3本を行って4-1(1-0、1-1、2-0)で勝利した。
この試合でインパクトを残した若武者の一人がMF名願斗哉だ。履正社高校から加入したばかりの18歳は、2本目の16分から途中出場。初めての交代策として投入された4人のうちの1人としてピッチに立った。
左サイドにポジションを取ると、後半29分には得点に絡む。自身の突破から左CKを獲得すると、このセットプレーを蹴ったのはMF瀬古樹。瀬古が蹴ったボールがニアに引っかかるが、名願はこれを冷静に瀬古に戻し、そこから再びゴール前に。そのこぼれを拾って、DF松長根悠仁が2本目の“決勝ゴール”を奪って見せた。
その直後のプレーでは、名願が重戦車のようなドリブルを披露した。左サイドのハーフウェーライン近くでボールを奪取すると、DF森下龍矢から引っ張られながらも置き去りにしてみせる。森下に最初は右後ろを引っ張られるも体幹の強さで崩れず、さらに左から体を寄せられるも今度はボールを隠したまま前進してみせた。
さらにその11歩後には、MF長澤和輝が右から体を寄せるも強さとスピードで抜き去り、直後に伸びてきたその右足で一瞬体が倒れそうになるもすぐに体勢を戻し、そのまま深くえぐってみせたのだ。
■名願「自分は相手によってドリブルを変えられる」
名願はこの試合で、鮮やかに抜き去る場面を多々見せながら、先述したような重戦車ドリブルも見せた。この点について試合後に尋ねると、「自分は相手によってドリブルを変えられる。なので、自分が抜ききれるなと思ったらきれいに交わすし、多少、タックル受けながらでも抜ける感じなら強引にでも行くという風に変えています」と冷静に語ってみせた。
ドリブルを使い分けられるからこそ、必要となるのがその見極めということになる。そして、この取材で何度も出てきた言葉が、「状況判断」だった。
たとえば、プロと高校との違いについて尋ねてみると、「高校と違って一人ひとりの強度が全然違う。高校のときは強引に行くことが多かったんですけど、プロになってからは他の選択肢も使えれば自分のプレーの幅が広げられると思っているんで、そこは、また違った状況判断をするようにはしています」と答えている。
また、「自分がボールを持った状況が良ければ、相手が一人二人だったら抜ける自信があるんですけど、相手が3枚となると自分のところに偏っている」。だからこそ、「その場合は他のところを使っていくほうが効率的かなと思うんで、そこの状況は判断するようにはしています」とも話している。
そして、その判断を支えるのがドリブルの姿勢だ。
「(自分は)顔が上がっていてそのままドリブルできるんで、状況判断というのは一つ自分の中の選択肢が増えると思います」
視野を確保できているからこそさまざまな選択肢を確保でき、そして、判断を下すことができる。一方で、試合に入る前からその状況判断はすでに行っていることも、感じられた。
名願が出場したのは先述したように2本目の途中からなのだが、外から見ているときに相手に“スキ”をすでに見つけており、「そこに仕掛けていけてなくて点が取れていなかったので、自分が入ったらそこは積極的に仕掛けて、相手のラインを下げるだったり、そういうものを見せていくことで、もっと自分たちがゲームを握れるんじゃないかと思っていた」とも語っていたからだ。
■どこまでも貪欲に、しかしながら冷静に
川崎に入団して、これがプロを相手にした2戦目。27日の練習試合(非公開)に続くものとなる。
その中で感じた手ごたえは、「(相手がプロでもドリブルで)抜けるのは抜けるし、ゴールのチャンスまでは行ける」ということ。一方で課題は、「やっぱりフィニッシュの精度のところがまだまだ低いなとは感じている」と話している。
点数には絡んだが、「もっともっと絡めたと思うので、そこはもっと要求していきたいなと思います。なので、満足はできていない」。
どこまでも貪欲に、しかしながら冷静に自身とピッチを見据える18歳が開幕戦に出場しても、それはサプライズではない。