2023年シーズン、Jリーグは改革へと動き出す。各クラブ、さらには日本サッカーの将来を大きく左右し得る変化がもたらされ…
2023年シーズン、Jリーグは改革へと動き出す。各クラブ、さらには日本サッカーの将来を大きく左右し得る変化がもたらされるのだ。だが、その明確な理由や是非については、まだ議論になっていない。Jリーグの進むべき道について、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■来季からの大きな変更点
Jリーグが改革に動き出した。
一つは、来シーズンからJ1、J2、J3の3つのカテゴリーの各リーグのクラブ数をすべて20クラブとすることである。
そのため、2023シーズンのJ1リーグはこれまでと同じく18チームで争われるが、降格は最下位の1クラブだけで、J2リーグから3クラブが昇格することになる。
降格チームが1チームだけということで、今シーズンは降格圏から早く抜け出せるチームが多くなり、残留争いは少数のクラブに絞られることだろう。
一方で、J2リーグはこれまで通り2チームが自動昇格で大きな変わりはないが、3位から6位までの昇格プレーオフの勝者はこれまでのようにJ1リーグ16位チームとの対戦なしに昇格できるので、多少ではあるが門戸が大きくなる。
■影響が大きいJFLへの降格
最も大きな違いはJ3リーグとジャパン・フットボールリーグ(JFL)との入れ替えが始まることだ。
JFLチームにとっては、J3昇格のためにはライセンスの交付を受けた上で「2位以内」という成績面での条件をクリアする必要がある。そして、JFLには本田技研(Honda FC)のようにJ3リーグ上位からJ2リーグ下位程度の戦力を持ちながらJリーグ加盟を目標としていない強豪クラブが存在するので、Jリーグ入りを狙うクラブにとっては狭き門。熾烈な戦いが続くことだろう。
一方、J3クラブにとっては、JFLに降格すると「Jリーグ」という大きな看板を失うことになり、観客動員やスポンサーの獲得が難しくなるので、クラブ経営にとって非常に影響が大きい。残留争いに巻き込まれたクラブにとっては死活的な問題となる。
これまでは、降格がなかったので自由なサッカーができていたJ3リーグだが、これからは勝点の確保を巡る争いが激化し、サッカーの内容も大きく変わっていくことになるだろう。
いずれにせよ、30年前に10クラブ(「オリジナル・テン」)で始まったJリーグのクラブ数が60に達したのである。Jリーグ発足当時を知る者にとっては感慨深いものがある。
■60クラブへ至るまでの道のり
1980年代の後半、ずっとアマチュアの枠内で活動してきたサッカー界が「プロ化」の方向に舵を切り、「日本プロサッカーリーグ」(通称「Jリーグ」)が発足したものの、当時はそれが本当に成功するのかどうか、川淵三郎チェアマン自身も含めて誰も確信は持てないでいた。
しかし、Jリーグが開幕すると「Jリーグ・ブーム」という社会現象が起きて、入場券の争奪戦が激しくなり(大きなスタジアムは国立競技場くらいしかなかったからでもある)、「J」と名前が付けばプレシーズンマッチを含めてすべての試合が満員になった。
だが、そんなブームが長続きするはずもなく、観客動員の減少に見舞われ、1998年には「オリジナル・テン」の一つ、横浜フリューゲルスが消滅(正式には横浜マリノスとの合併)するというショッキングな事件も起こった(クラブ経営よりも、親会社の経営状態が原因だったが)。
だが、その後はJリーグの不断の努力が実り、また日本代表の強化も進んで人気は次第に定着。「ブーム」の当時のような一般国民を巻き込んだ爆発的な人気ではなく、固定ファン(サポーター)がスタンドを埋めるようになったのだ。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが始まる前の2019年シーズンにはJ1リーグの平均観客動員数が2万人を超えるまでになっていた(新シーズンのコロナ対策がどうなるのかはまだ決まっていないが、大幅に制限が緩和されることは間違いないので、どこまで動員数が回復するかは注目したい)。
そして、Jリーグ加盟クラブは順調に増加し続け、ついに60クラブを数えるまでになったのだ。