GIフェブラリーS(2月19日/東京・ダート1600m)のステップレースとなるGII東海S(中京・ダート1800m)が…

 GIフェブラリーS(2月19日/東京・ダート1600m)のステップレースとなるGII東海S(中京・ダート1800m)が1月22日に行なわれる。

 年明け最初のダート重賞とあって、実績馬の出走も多く、1番人気は過去10年で5勝、2着1回、3着3回と馬券圏外に外れたのは、わずか1回。その信頼度は非常に高い。さらに、「過去10年で1、2番人気がそろって馬券圏外に外れたことは一度もなく、比較的人気サイドで収まりやすいレースです」と、中日スポーツの大野英樹記者は言う。

 しかしながら、「ここ3年は1番人気が3連敗。昨年は7番人気のスワーヴアラミスが1番人気のオーヴェルニュを下しているように、波乱の要素も多分に含んでいます」と大野記者。実際、過去には伏兵の台頭が頻繁に見られ、3連単ではしばしば好配当が生まれている。1番人気が馬群に沈んだ2021年には20万円超えの高配当となり、1番人気のグレンツェントが勝利しながら、2着に12番人気のモルトベーネ、3着に10番人気のメイショウウタゲが突っ込んできた2017年には40万円超えの高額配当が飛び出している。

 また、レースの傾向としては、意外にも明け4歳馬が苦戦。過去10年で連対を果たしたのは、2017年に勝ったグレンツェントと、2019年に2着となったチュウワウィザードの2頭のみ。今年は、デヴィッド・イーガン騎手騎乗で注目を集めるウェルカムニュース(牡4歳)が出走するが、過大評価は禁物かもしれない。

 そうした状況にあって、波乱ムードも匂わす大野記者はどういった馬に目をつけたのか。穴馬候補として最初に名前を挙げたのは、およそ5カ月の休み明けで臨むロードレガリス(牡8歳)だ。



東海Sでの大駆けが期待されるロードレガリス

「昨年は2走しかしていませんが、GIIIプロキオンS(7月10日/小倉・ダート1700m)で4着、GIIIエルムS(8月7日/札幌・ダート1700m)では5着。ともに馬券圏内には届きませんでしたが、いずれも勝ち馬とは差のないレースを見せました。

 とりわけ2走前のプロキオンSは、目の外傷によって約1年1カ月というブランク明け。それを考えれば、十分に評価できる結果だったと思います。前走のエルムSにしても、先行有利の展開で脚を余していました。敗因がはっきりしている分、巻き返しへの期待が膨らみます」

 ロードレガリスは明け8歳となるが、その走りからはまだまだ衰えは感じられない。

「昨年の2戦でも、ともにメンバー最速の上がりをマーク。重賞でも最上位の末脚を繰り出してきたことを見逃してはいけません。それに、勝負どころで少しズブさを見せるタイプゆえ、小倉や札幌のような小回りコースよりも、ノビノビと走れる中京向きなのは確かです。

 今回手綱をとるのは、昨年のこのレースで人気薄のスワーヴアラミスを勝利に導いた松田大作騎手。末脚を炸裂させての激走を見込んでいます」

 大野記者が推奨するもう1頭は、スマッシングハーツ(牡7歳)だ。

「昨秋のオープン特別・グリーンチャンネルC(10月10日/東京・ダート1600m)と、GIII武蔵野S(11月12日/東京・ダート1600m)は、2戦とも芝スタートのダート戦で行き脚がつかず、後方からのレースを強いられて、ともに4着止まりといった感じでした。

 前走のGIチャンピオンズC(7着。12月4日/中京・ダート1800m)は、オールダートのコースで好位置をとれましたが、さすがにGI戦。結果的には、相手が悪かったという一戦でした。

 そして今回は、その前走と同じ舞台。中団ぐらいに位置することは可能でしょうし、メンバーレベルが一枚落ちるGII戦なら、脚も十分にたまる計算です。

 鞍上の鮫島克駿騎手は強気にさばく競馬を得意とするジョッキー。スムーズに運べるようなら、ゴール前での強襲があっても驚けません」

 全7勝はすべて左回り。中京でも2勝を挙げている。相手が一気にラクになる今回、スマッシングハーツの大駆けがあってもおかしくない。

 確たる主役不在のダート重賞。末脚秘めるロードレガリスとスマッシングハーツの一発があるのか、注目である。