9日に中山競馬場で行われるフェアリーS(GIII、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。2018年以降のフェアリーSで…

9日に中山競馬場で行われるフェアリーS(GIII、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。

2018年以降のフェアリーSで3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬2頭を紹介する。ここでは、そのうち1頭を紹介する。

図を見てみると、サンデー系種牡馬が過去5年中4勝を挙げており、なかでもディープインパクト系種牡馬は【3.0.2.4】、勝率・連対率33.3%、複勝率55.6%/単回収値205と大活躍。2018年の7番人気で3着に好走したレッドベルローズなど3着以内に入った5頭すべてが人気以上の着順で走れているようにレース適性が高いと言えるだろう。

対照的にキングマンボ系は【0.2.0.18】と今一つ結果を残せていない。2番人気以内に支持された馬が5頭いたが、昨年の1番人気・スターズオンアースの2着が最高と苦戦していることがわかる。今年も京王杯2歳S3着のスピードオブライトなど3頭の出走があるが、アタマでは狙いにくい。

ディープインパクト系が好走できる背景には、出走メンバーの構成にある。当レースに出走してくる馬はキャリアが浅く、初のマイル戦となる馬も多いため、レースは縦長ではなく団子状態で進む傾向にある。それでいて約310mと直線が短い中山。スピードを持続するキングマンボ系より、一瞬のギアチェンジに長けたディープインパクト系の出番というわけだ。

今回はディープインパクト系の馬に注目する。

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■キタウイング

父はディープインパクト系のダノンバラード、母父は2012年のケンタッキーダービー勝ちなど米国ダートGI3勝のアイルハヴアナザー、伯父にニュージーランドT2着のストーミーシーがいるという配合構成。2走前の新潟2歳Sでは出遅れたものの後方から力強く脚を伸ばし、ウインオーディンとの追い比べを制し重賞制覇。出遅れを感じさせない勝ち方で、非常に地力を感じさせた。前走の阪神JFでは14着と大敗しているが、このメンバーなら一変があって不思議はない。

また、2018年以降、父ディープインパクト系×母父フォーティナイナー系の牝馬は、中山芝1600mに出走すると【5.3.2.19】、勝率17.2%、複勝率34.5%、単回収値261と好走確率が非常に高い。なかでも3歳時の3月までに出走すると【3.1.2.10】、勝率18.8%、複勝率37.5%、単回収値306とハイアベレージ。ディープインパクト系で母系にディストーテッドヒューマーと似た配合のスマイルカナが2020年に3番人気で優勝していることも後押しとなり、軸にはこの馬を推したい。

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文●中井達也(SPREAD編集部)