采配ぶりは予想がつかず不気味「しめしめと笑っている」 2023年は12球団中4球団で新監督が指揮を執る。ロッテの 指揮を…
采配ぶりは予想がつかず不気味「しめしめと笑っている」
2023年は12球団中4球団で新監督が指揮を執る。ロッテの 指揮を執る吉井理人監督は、これまで日本ハム、ソフトバンク、ロッテでコーチを歴任し、侍ジャパンでも投手コーチを務める名伯楽だが、指揮官としてのスタイル、力量は未知数。かつてロッテの守護神の座に君臨し、現在は社会人野球のエイジェック硬式野球部で投手総合コーチを務める小林雅英氏が、“吉井監督像”を探った。
「吉井さんがどんな采配をしてくるのか、他球団にしてみれば見当がつかず、非常に不気味だと思います。吉井さんはそんな様子を、しめしめと笑いながら眺めている気がします」。小林氏は古巣の新監督をそう表現する。吉井監督は手始めに、2月に石垣島で行われる春季キャンプについて「1、2軍の枠を設けず、コーチ陣も全員で選手を見ていきたい」と新機軸を打ち出している。
小林氏は「ロッテ特有の“ハンドルの遊び”を、吉井さんはうまくつくってくれるのではないか」と話す。「ここ数年のロッテは、伊東勤監督(2013~17年)が古巣の西武の野球を取り入れ、井口資仁監督(18~22年)がホークスの野球をミックスして、緊張感も持たせていました。吉井さんの就任で、僕の現役時代のロッテの雰囲気に少し戻るのかなと思っています」と説明する。
小林氏は現役時代、ロッテでは山本功児監督(故人)、ボビー・バレンタイン監督の下で9年間プレー。「勝っても負けても、選手、監督、コーチ、球団スタッフ、球場スタッフ、ファンがみんな一緒になって戦っている雰囲気が非常に強かった」と振り返る。その後メジャーリーグへ転じ、現役引退後は伊東監督、井口監督の下で古巣の投手コーチを務めた経験もある。
「チームの雰囲気が変わることで活躍できる選手もいると思う。吉井さんらしい雰囲気でタクトを振ってほしい」と小林氏。吉井監督が現役時代に大阪を本拠地とする近鉄で長く活躍していたことにちなみ、親しみを込めて「“大阪のおっちゃん”に期待しています」と笑った。
阪神岡田監督は「今の世代にマッチすれば、いい雰囲気で進んでいく」
一方、阪神を率いる岡田彰布監督は、過去に阪神で5年間(2004~08)、オリックスで3年間(10~12年)指揮を執った経験があり、指導力に定評がある。小林氏は「前回の阪神監督時代の岡田節、オリックス監督時代の岡田節とはまた違うものが聞けると思うので楽しみです。人間は歳をとれば性格が丸くなるもので、その分、今の世代の選手にマッチすれば、いい雰囲気で進んでいくでしょう」と見ている。
西武の松井稼頭央新監督は、2019年から3年間2軍監督、22年には辻発彦前監督の下で1軍ヘッドコーチを務め、満を持しての就任だ。小林氏は「辻さんの隣で1軍の戦いぶりを見てきたので、チームに足りている部分、足りない部分、ああすればよかったという後悔も含めて、指揮を執る準備はできていると思う。現役時代の“強い西武”を熟知していることも強みでしょう」と評する。
広島の新井貴浩監督も、チームのムードを明るく変えそうだ。「45歳の若さでアニキ肌。選手との距離感が非常に近い。その距離感が正しいかどうかは、結果で判断されることになる」と小林氏は指摘する。
指揮官交代を機に、一気に優勝へ駆け上がる例もよく起こる。新監督を迎えたチームがどう変貌するのか、2023年の見どころとして非常に興味深い。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)