日本の独立リーグにとって、外国人選手をNPBに輩出するのは重要なビジネスモデルとなっている。移籍に伴って移籍金が支払われ…
日本の独立リーグにとって、外国人選手をNPBに輩出するのは重要なビジネスモデルとなっている。移籍に伴って移籍金が支払われるし、NPBへのステップアップを期待して海外から有力な選手が入団するからだ。
■楽天に入団が決まったコラレス、NPBで成功つかめるか
楽天は12日、独立リーグBCリーグ富山GRNサンダーバーズのジョシュ・コラレスの獲得を発表した。
コラレスは2011年ドラフトでシアトル・マリナーズに入団。44巡目、全体1323番目という下位指名でもありAAまでしか昇格できなかったが、その後来日し、三菱日立パワーシステムズ横浜野球部を経て2016年から富山でプレー。1年目は4勝4敗3セーブ、防御率3.23だったが、2年目の今年、8試合に登板してリーグ最多タイの6勝を挙げ、防御率も1.06と抜群の成績だった。首位を走る楽天だが、右の本格派投手として、先発、中継ぎでの活躍が期待されている。
日本の独立リーグにとって、外国人選手をNPBに輩出するのは重要なビジネスモデルとなっている。移籍に伴って移籍金が支払われるし、NPBへのステップアップを期待して海外から有力な選手が入団するからだ。
2016年オフには、BCリーグ石川からDeNAにアウディ・シリアコ(内野手)が入団。2015年には同じく石川からネルソン・ペレス(外野手)が阪神に入団している。
■道を切り拓いたカラバイヨ
こうした流れは、2010年、群馬からオリックスにフランシスコ・カラバイヨ(一塁手、外野手)が移籍したのが始まり。2012年には四国アイランドリーグplusの香川からアレッサンドロ・マエストリ(投手)がオリックスに入団し、中継ぎで活躍したことから、NPBの注目度が上がった。
日本人選手の場合、独立リーグからNPBに移籍するためには、ドラフトを経なければならない。時間がかかる上に年に1回しか指名のチャンスがない。しかし外国人選手の場合、野球協約で定められた選手の新規契約期限である7月31日までであれば、いつでも契約が可能、またすぐにプレーさせることもできる。
独立リーグ側は、ペナントレースを戦う上では、主力の外国人選手が抜けるのは痛いが、もともと「NPBへの選手の輩出」を主要な目的としているため、異論はない。
今では、BCリーグ、四国アイランドリーグplusには、NPB球団への入団を目指す外国人選手が数多くプレーしている。
■今季福島でプレーするボウカー、ミャンマー&ブルキナファソ出身選手も
なかには現在、群馬に在籍しているカラバイヨのようにNPBと独立リーグを何度も往復する選手もいる。また、巨人、楽天でプレーしたジョン・ボウカー(一塁手)のように、BCリーグ福島でプレーし、再度NPBに挑戦しようとする選手もいる。
今年話題になったマニー・ラミレスは別格だが、MLBやその傘下でプレーした選手がいる一方で、アメリカのドラフトにかからず、米独立リーグなどを経由して日本にきた選手もいる。
四国アイランドリーグplusには、ミャンマーのゾーゾー・ウー(投手)や、ブルキナファソのサンホ・ラシーナ(内野手)のように、その国初のプロ野球選手もいる。彼らもNPB入りを目指しているが、同時に母国に野球を普及させる使命も帯びている。
独立リーグには、外国人枠はない。力さえ認められれば、何人でも外国人選手を受け入れることができる。今、独立リーグは日本で野球をしたい外国人選手の重要なステップになっている。独立リーグは、こういう形で「すそ野からの野球の国際化」に貢献しているのだ。
広尾晃●文 text by Koh Hiroo