元ヤクルトの名外野手が予想、問題は適任者の見当たらない「2番・遊撃」 2023年3月に開幕する「ワールド・ベースボール・…

元ヤクルトの名外野手が予想、問題は適任者の見当たらない「2番・遊撃」

 2023年3月に開幕する「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」へ向け、エンゼルスの大谷翔平投手らが出場に名乗りを上げている。最終的な顔ぶれはどうなるのか。現役時代にヤクルトなどで名外野手として鳴らし、ゴールデン・グラブ賞7度を誇った野球評論家・飯田哲也氏に、独自に現時点での「私が選ぶ侍ジャパンのベストスタメン」を作成してもらった。

 二刀流・大谷の起用法が大きなポイントになるのは間違いない。飯田氏は「投手として先発要員の一角を務めてもらう傍ら、登板しない試合では1番・DHでの働きを期待したい」と破壊力満点の“超攻撃型オーダー”を構想する。出塁すれば脚力が使える上、世界トップクラスの長打力を誇るのだから、相手投手にとってこれほど怖いリードオフはいないだろう。

「外野は、レッドソックス・吉田正尚、カブス・鈴木誠也、ソフトバンク・柳田悠岐や近藤健介ら実に豊富で、ポジションが足りないくらいです。対照的に問題はショート、打順で言えば2番。適任者が見当たりません」と飯田氏。確かに、遊撃は34歳の巨人・坂本勇人内野手が相次ぐ故障で2022年の公式戦出場は83試合にとどまった。守備の名手の西武・源田壮亮内野手も、打撃の力強さに欠ける。ここは、2021年の東京五輪の全5試合で「2番・遊撃」のスポットを務めた坂本に託すしかない。

 4番はヤクルトの後輩にあたる村上宗隆内野手……ではなく、鈴木。「国際大会での圧倒的な経験値を買いたい。それに、日本は左の強打者が多いので、右打者の鈴木を中軸に置き、左の吉田正と村上で挟む形の方がバランスはいいと思います」と説明する。6番には、パ・リーグで本塁打、打点の2冠に輝いた西武・山川穂高内野手。侍ジャパンでのプレーは2017年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップくらいで意外に少ないが、「ホームランの魅力は捨てがたい」という。

下位打線も豪華…スーパーサブは源田や近本、中野ら

 7番に柳田、8番にDeNA・牧秀悟内野手と下位打線も豪華だ。「9番・捕手」のスポットには、常連のソフトバンク・甲斐拓也捕手ではなく、西武からオリックスへFA移籍したばかりの森友哉捕手を置く。「スタメンでは打力の高い森を起用して得点力を上げ、甲斐には試合終盤の“締めの捕手”を任せたい。盗塁阻止力、ワンバウンドの投球を止める技術、侍ジャパンの投手と数多くバッテリーを組んできた経験値を含め、甲斐の守備での安定感はやはり抜群ですから」と飯田氏は話す。

「こうして見ると、クリーンアップ以外は意識したわけではありませんが、1番から9番まで左打者と右打者が交互に並び、完璧なジグザグになっていますね」と笑う。確かに、左と右がバランスよく収まった。

 スーパーサブには「代走でも守備固めでも存在感を放ちそうな源田。阪神・近本光司外野手、中野拓夢内野手も、試合途中からでも十分働けて機能する選手だと思います。そして、広島の坂倉将吾捕手ですよ。マスクをかぶれる上、サード、ファーストを守れて、何より打撃がしぶとい(2022年は打率.288、16本塁打68打点)。代打を含めて使い勝手がいいと思います」と“推奨株”を挙げた。

 2022年のシーズン打率が自己ワーストの.243に終わったヤクルト・山田哲人内野手についても、「国際大会での経験が豊富ですし、勝負強い。おそらく栗山英樹監督はメンバーに入れてくると思います」と見る。スタメンには所属球団で中軸を務める強打者がズラリと並び、機動力や小技の利く職人タイプがベンチに控える。ワクワクするような“ジグザグ侍”ができ上がった。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)