今年一番イケてるボーラーを決めるフリースタイルバスケットボールバトルイベント「GroovMix 2k22 Championship」が2022年12月10日(土)に東京都渋谷区のMIYASHITA PARK内にあるor tokyoにて開催さ…
今年一番イケてるボーラーを決めるフリースタイルバスケットボールバトルイベント「GroovMix 2k22 Championship」が2022年12月10日(土)に東京都渋谷区のMIYASHITA PARK内にあるor tokyoにて開催された。
「GroovMix 2k22 Championship」は、フリースタイルバスケットボールの魅力を大会やワークショップを始めとした様々な形で発信している「GroovMix」が開催するフリースタイルバスケットボールバトルイベントだ。
今大会は予選と本戦で分けて争われたのだが、予選では今回30名のプレイヤーがエントリー。4グループ毎にフリーサークル形式で1人30秒1ムーブという決まりの中で各々がパフォーマンスを披露。そのパフォーマンスをジャッジ4名が採点し、総得点数の高い上位10名が本戦進出となった。
3位決定戦でのyu-yaとISSEIのバトル
そして本戦は予選を突破した10名に加えて、ゲストプレイヤーとしてワイルドカード4名と今年度のGroovMix前大会の優勝者2名の計16名によるフルトーナメントバトル。事前にトーナメント表に配置されたゲストプレイヤーに対して予選通過上位者から順番にどの枠に入りどのプレイヤーと戦うかを選択できるスタイル。全バトル30秒2ムーブで争われジャッジ4名+オーディエンスの5票で勝敗が争われた。
今回、勝敗を決めるジャッジとして参加したのは現在ストリートカルチャーを牽引するプレイヤーたち。フリースタイルバスケットボール界から、大会審査員・各種イベントやBリーグでのパフォーマンス経歴をもつ「Tama」と、国内にとどまらず世界のフリースタイルバスケットボールを牽引するアイコン「ZiNEZ a.k.a Kamikaze」が参加。
そしてフリースタイルフットボール界から世界でも大活躍する国内絶対王者「Ko-suke」、ダブルダッチ界から、世界3連覇を成し遂げ常に最前線で業界を牽引する「REG☆STYLE」のチームリーダー「KO-YA」の4名が様々な角度から今大会で一番イケてるボーラーを選んだ。イベントの途中ではジャッジムーブの時間も設けられ世界レベルのパフォーマンスで会場を更に盛り上げた。
以下は今大会で大注目となった決勝戦と3位決定戦の様子である。
大会の様子
若者の街、東京渋谷の中心に位置するMIYASHITA PARK内のor tokyoの3階で、DJによるアップテンポの音楽と観客の熱気も相まって大盛り上がりの中「GroovMix 2k22 Championship」のジャッジ泣かせの接戦が各バトルで繰り広げられた。この大会には若手からベテランまで日本のフリースタイルバスケットボール界で大活躍するプレイヤーたちが参加し、まさに今年一番イケてるボーラーを決めるに相応しい大会となった。
会場を魅了したYu-taのムーブ
3位決定戦
本戦のトーナメントを勝ち進み、準決勝で惜しくも決勝戦進出は逃したものの最後の表彰台の座を争った3位決定戦では、今回ワイルドカードとして出場した昨年の「GroovMix 2k21 Championship」優勝者のISSEIと3位のYu-yaが対戦。両者ともに決勝に進出できなかった悔しさを表現するように力強いムーブを披露した。
ISSEIのムーブ
特に印象的だったのは2ムーブ目の動き。ボールを高速で回転させたまま左右逆手や順手に持ち変える中でボールを飛ばし、そこで生まれた僅かな瞬間の隙間を足で跨いだり頭を潜らせたりして、高速回転するボールをまたキャッチするといった高度なボールコントロールを魅せながらムーブを展開するISSEI。時より見せる背面キャッチやコンボトリックに会場では歓声が沸いていた。
yu-yaのムーブ
しかしそのISSEIの優勢を巻き返したのがyu-ya。ドリブルを活用しながら脚の間や背中に自由自在にボールを移動させるムーブを展開する。その中、随所で魅せる緩急を付けた個性的なムーブで会場を沸かし、ムーブの最後はジャンプしながら股の間にボールを通し、ボールが落ちてきたところを片手でノールック背面キャッチ。時間制限ギリギリで決めたラストムーブの完成度に会場は大盛り上がり。このムーブには周りのプレイヤーを駆け寄るほどでこの技も結果を後押しして見事3位の座を勝ち取った。
決勝戦
決勝戦は準決勝でISSEIとyu-yaに見事勝利し勝ち上がったYu-taとYOHの戦い。お互い全くプレースタイルが異なる二人。Yu-taが得意とするのはボディロールという新体操に似たボールの回転をコントロールしながら身体の上を自由自在に転がしていくスタイル。一方でYOHはハイスピードなムーブに中にドリブルを組み合わせながらボールを投げてアクロバティックな動きをキャッチで締めるのが特徴的なプレースタイルだ。
Yu-taのムーブ
先攻でムーブに入ったのはYu-ta、1ムーブ目・2ムーブ目ともにまるでボールが生き物かのように身体中を転がっていく。うまく回転をコントロールすることで背中側、腕の周りなどを緩急を付けて縦横無尽に綺麗に移動させる。そのムーブの中で片手でボールを回転させ操りながら体勢を複雑に変える技や、手ではなく肘でボールを回転させる動きなどまさに自身の得意なボディロールをふんだんに盛り込んだムーブを披露した。
YOHのムーブ
後攻でムーブに挑んだYOHは得意のアクロバティックでブレイクダンスのフリーズのような動きの中で足を使ってボールをキャッチする技を中心に攻撃的なムーブを披露。様々なキャッチ技のレパートリーとハイスピードなボール捌きの豪快さに会場は大盛り上がり、両者共に終始譲らない戦いを繰り広げた。
そしてそんな戦いを決めるジャッジメントタイム。オーディエンスジャッジでは接戦であったものの豪快なムーブで会場を沸かせたYOHに1票。この勢いでYOHが勝ち切ると思われたが今回はジャッジ3名がYu-taに票を入れ、Yu-taが3票、YOHが2票で見事Yu-taが「GroovMix 2k22 Championship」優勝者となった。
大会入賞者インタビュー
優勝者 Yu-taのコメント
ジャッジのZiNEZ(左)と優勝したYu-ta(右)
「お客さんがたくさんいる前で勝てたことは純粋に嬉しいです。今回の大会はメンツが凄すぎたこともあって正直優勝しようというよりも良いバトルができたらいいなという思いでした。
トーナメント1戦目を自分のスタイルを表現することで何とか勝ち上がれてからは。優勝は考えずとにかく自分のベストを披露することで決勝まで進むことができました。決勝戦は自分的に失敗が多く反省点ばかりなんですけど自分のムーブを見て盛り上がってくれて良い結果をもらえたことは嬉しかったです。
僕はプレイヤーの傍らカメラマンとして「Focus on Freestyle」っていうフリースタイルバスケットボールの映像媒体を運営しています。僕自身フリースタイルバスケットボールがとても大好きで最高なプレイヤーたち一人一人を自分が撮る側として映像で残したいと思っているんです。なので今回の賞金も良いレンズ買うために使おうかなって思っています(笑)
そんな中で最近、たとえ撮る側であっても強いプレイヤーであるべきだと思うようになりました。被写体のプレイヤーたちに対して自分が説得力を持つためにも僕は大会で勝つべきだと思いますし、そのために今後も勝ちたいなと思っています。」
準優勝者 YOHのコメント
ジャッジのKO-YA(左)と準優勝したYOH(右)
「ベスト8に勝ち上がるくらいまでは音に乗れて技も決められて今日調子いいなって感じだったんです。でも今回の大会で自分が意識していたことが、まだバトルで出してない技をして今までと見映えが変わるようなフリースタイルを魅せたいと思っていたのでちょっとそこがまだ慣れない部分もあって乱れてしまったのが敗因かなと思っています。また来年リベンジしたいです。
今後は誰も真似できないフリースタイルをするのが自分の一つの目標なので色んなところを開拓していきたいです。そして自分の活動を通してフリースタイルバスケットボールの新しい表現をこれからの世代に伝えていけるようにバトルもショーケースも頑張りたいと思います。」
3位入賞者 yu-yaのコメント
ジャッジのTama(左)と3位入賞したyu-ya(右)
「去年も3位だったので今回は優勝したかったんですけど勝てなかったことが悔しいです。またミスが多く新技含め自分の技が決めきれず、さらに負けた相手が同じ北海道出身の後輩だったことが本当に悔しいですね。
今後もバトルにはもちろん出続けて勝っていきたいと思っているのですが、最近はバトルの場でしか活動できていないので来年はレッスンやショーケースなどバトル以外でもフリースタイルバスケットボールの活動を増やしていきたいです。
また僕はフリースタイルバスケットボールのおかげで人生が変わって自分が輝ける場を作ることができたので、今後は自分の活動を通して色んな人が好きなことを夢中にできる時間だったり人生の新しい目標とかを見つけてもらえるきっかけになっていけたらと思っています。」
”フリースタイルバスケはかっこいい”を伝えたい。GroovMix 2k22 Championship主催者の想い。
出場プレイヤー、ジャッジ、運営スタッフ、観客も一緒に
みんなで集まり記念写真
今回「GroovMix 2k22 Championship」を取材する我々FINEPLAY編集部は、主催者であるemaにインタビューをさせて頂きこの大会への思いを聞いた。
GroovMix 2k22 Championship主催者 ema コメント「GroovMixは、“はじめたてとかベテランとか年齢性別全て関係なく、フリースタイルバスケ、そしてストリートカルチャーが好きな人たちが集まり、バトルするもよし。見にきて声を上げるもよし。それぞれの想いを混ぜ合わせ大きなうねり(groove)を作っていこう。”という意味が込められています。
今回の大会はこの願いが体現された大会だったと思います。プレイヤーのみんなが”フリースタイルバスケはかっこいい”と強く見せつけてくれました。まずは参加してくれたプレイヤーに熱い想いで臨んでくれて本当にありがとうと言いたいです。
今年、イベントをよりよくするためにたくさん悩んでいた中で、ダブルダッチとフリースタイルフットボールの日本一を決める大会を見に行って、それぞれの素敵なシーンを目撃したときに純粋に悔しくて…。バスケだってすごいプレイヤーは沢山いるんだぞって少しでも多くの人と共有したい気持ちが強かったです。そんな気持ちにさせてくれるカルチャーが近くにあるのは、本当に幸せです。
”フリースタイルバスケはかっこいい”を、東京から発信し、日本に根付かせることができるように、今年以上のものをプレイヤーのみんなと作り上げていきたいと思います。」
最後に
準優勝となるも会場を沸かせたYOHのムーブ
今回の「GroovMix 2k22 Championship」を通して、フリースタイルバスケットボールシーンの進化とフリースタイルバスケットボールのカッコよさを目と耳と空気感全体で感じる一日となった。
今回ジャッジを担当したダブルダッチのKO-YAも「会場の空気感、プレイヤーの本気の目つき、バイブス、それぞれのスタイル、そしてフリースタイルバスケカルチャーの温かさにマジでくらった!」と長年横並びで高め合ってきた兄弟ストリートカルチャーに対して称賛のコメントを送るなど、フリースタイルバスケットボールシーンから派生していくストリートカルチャー全体への大きな影響を現在進行形で大きなうねり(Groove)にしながら進化していく姿を目の当たりにした。
今後も一人でも多くの人がフリースタイルバスケットボーラーの活躍を目にする機会がさらに増えて、フリースタイルバスケットボールに興味を持ち実際に始めてもらいながら、進化し続けるストリートカルチャーの魅力を肌で感じてもらえたら嬉しい限りだ。