スポーツに興味を持てない人というのは一定数いる。かくいう僕もその一人だ。僕にとって、あらゆるスポーツのイベントはいつの間…

スポーツに興味を持てない人というのは一定数いる。
かくいう僕もその一人だ。

僕にとって、あらゆるスポーツのイベントはいつの間にか始まり、そしていつの間にか終わっていくものだ。
しかし、今回のFIFA ワールドカップ カタール 2022は少し違っていた。
現在連載中の某人気サッカー漫画に虜になっている僕は、今回のW杯に興味を持っていた。

しかし、どうすればいいのかがわからない。
応援したい気持ちはあるのだがどう応援すればいいのかがわからないのだ。
「そんなもん、家でテレビをつけてただ黙って見ればいい」と友人からの嘲笑を受けるが、バカを言ってはいけない。4年に1度の祭典をそんなもので済ましていいはずが無い。
僕と同じような悩みを持つ方々に向けて、僕が自分なりに考えたサッカー観戦方法をここに記す事にした。

〜にわかファンが実施したおうちでのサッカー観戦方法〜
まず、コンセントを繋いでテレビが映るかどうかを確認する。
問題ない。選手達の勇姿を映し出してくれるテレビさんを僕は大晦日にたくさん掃除してあげる事に決めた。

次は仮眠だ。試合は深夜や早朝に行われる事が多い。試合までの体力温存のため、仮眠の重要性は今更説明するまでもないだろう。が、あくまで仮眠である。そのまま寝続けてしまい朝を迎える事だけは避けたいところ。耳元にアラームセットしたスマホを置いておく。音量はもちろんMAXだ。

仮眠から覚めたら腹ごしらえ。今では食べたいものを家まで届けてくれるサービスが充実している。「食らう」という意味を込めて、僕は対戦相手国の料理をオーダーする事にした。ドイツならザワークラウトにビール。スペインならばパエリアとピンチョスだ。コスタリカは…、コ、コスタリカは…。ぼくはコスタリカ戦の日、どうしてもコスタリカ料理が思いつかず「もうカップラーメンでいいか」と雑に食事を済ませてしまい、コスタリカを食らう事ができなかった。その結果、日本はコスタリカに敗北を喫してしまった。あの敗北の責任は、コスタリカ料理を思いつく事ができなかった私にあると言っても過言ではないのかもしれない。

次は衣服である。何を着て応援すればいいのかというのは大きな悩みどころ。ガチ勢と呼ばれる方々は選手と同じ青いユニフォームを着て応援するだろう。背中にはローマ字で自身の名がプリントされているに違いない。しかし僕は自他共に認めるにわかファンだ。そんな素敵なアイテムは持ち合わせがない。どうする…! 僕は発想を逆転させる事にした。「勝負事では、リラックスしなければ本当の力を発揮するのは難しい。大切なのはリラックスする事だ!」僕はリラックスの代名詞であるパジャマで応援する事にした。幸いにも、先ほど仮眠を取った際にパジャマへの着替えは済んでいる。これで120%の力で選手たちを応援する事ができる。

試合開始時間が刻一刻と近づいてくる。準備は万端だ。耳にイヤフォンを着け無料のアプリで友人達と音声のみを繋ぐ。試合に集中するため、画像はOFFのままだ。離れた場所でこうして一緒に一喜一憂を友人と共感しながら応援できるのはとても楽しい。が、もし可能であればイヤフォンを片方外してテレビに耳を傾けてもらいたい。今回、ABEMAで解説を務めていらっしゃる本田圭佑氏のコメントが非常にエンターテイメントしているのだ。熱量・情報量ともに素晴らしく、僕のような素人でも非常に試合に入りやすくなっている。ともに応援している事を実感できる。

例えば、オフサイドの判定が半自動オフサイドテクノロジーによって行われた際の「副審いる?」「副審がオフサイドじゃねーよみたいな雰囲気出してる」といった発言にはおおいに笑わせてもらった。
また、コスタリカ戦の時には、日本が1点を追う状況で残り時間1分をきった際、GKの権田選手に向けて「ゴンちゃん行かない?行ってええよ!行け!」と攻撃参加への指示を促した。もう勝利は難しいのかもしれないと諦めかけていた私にとって最後まで諦めない本田氏の姿は眩しく、サポーターはかくあるべきだと教えてもらった。加えて、なんとなく「GKは攻撃には参加できない」という先入観も取り除いてもらった。

さらに、対戦相手のどの選手が穴なのかといった専門的な話もしてくれるので、日本がそこを攻める時には「お、いけるかも!」と期待と興奮を寄せる事になる。試合観戦の面白さを2倍、3倍に膨らませてくれる。
素人にとって、今何がフィールド上で行われてるのかをおもしろおかしく説明してくれる人の存在は頼もしい。この解説が、サッカー観戦へのハードルを大きく下げてくれた事は間違いない。

このように五感を充実させつつ、サッカーに詳しい友人や解説に楽しませてもらいながら日本を応援する。
それが僕のサッカーの観戦の仕方だ。
興味を持ちながらもサッカー観戦の機会が無かった方々には是非真似して頂きたい。

日本は今回決勝トーナメントで敗れたが、世界の強豪達にひけをとらない姿を見せてくれた。胸を熱くさせてもらった。当たり前だが、観戦しなければこの感動は味わえていない。
僕は今回のW杯でサッカー観戦の魅力を知った。
ここから少しずつ他の楽しみ方も試していくつもりである。

読者の皆様も独自の観戦方法があれば教えてください。
ご一読ありがとうございました。

【筆者プロフィール】
福岡で生まれ熊本で育つ。
中学・高校時代にバスケットボール部に入部し、6年間ベンチを温め続けた実績を持つ。
スポーツ観戦が好きで、現在は総合格闘技・サッカー・アメフトなどを観戦している。
好きなサッカー選手は三都主アレサンドロ。