同期入団…通算282本塁打の藤井康雄氏が語るオリ中嶋監督 プロ通算282本塁打をマークし“ミスターブルーウェーブ”と呼ば…

同期入団…通算282本塁打の藤井康雄氏が語るオリ中嶋監督

 プロ通算282本塁打をマークし“ミスターブルーウェーブ”と呼ばれた藤井康雄氏はプリンスホテル時代の1986年ドラフト会議で阪急(現オリックス)に4位指名され、入団した。同じ年のドラフト3位が秋田・鷹巣農林高の中嶋聡捕手。2022年に“ナカジマジック”でオリックスを26年ぶり日本一に導いた指揮官だが、その現役当時は……。同期の藤井氏が“捕手・中嶋”、さらには“2軍監督・中嶋”の思い出を語った。

 2021年はリーグ制覇、2022年はリーグ連覇&日本一で正力松太郎賞も受賞。名将と呼ばれる地位に一気に駆け上がった中嶋監督について藤井氏は「すごいですよね。日本ハムなどで経験を積んで、いろいろ引き出しが増えて、ああいう形になったと思います」と称賛した。そして笑みを浮かべながら「一緒にやっていた、あの中嶋が……とは思いますけどね。そういう意味ではちょっと差をつけられたなって感じがしますよ」とも口にした。

 同期入団だが、年齢も違うし、あまり行動を共にすることはなかったという。「彼はキャッチャーだから、僕ら野手陣よりも、よく星野(伸之)とかピッチャー陣と一緒に出ていましたね」。当時の印象としては「どっちかというとちゃらんぽらんな感じですよ。遠征先に行くと次の日、酒の臭いをプンプンさせながら、グラウンドに出てきたりしていましたからね。お前、酒臭いなぁってよく言ってました。たまに遅刻とかもあったかな」。

感じた成長、変化「思い切った発想、面白い采配をするなって思いました」

 26年前にオリックスは巨人を破って日本一になったが、捕手・中嶋がその日本シリーズにスタメンで出たのは第2戦だけ(3打数無安打)。それ以外の出場も第1戦での代打(二飛)のみに終わった。「あの時、仰木監督は(捕手では)高田(誠)を一番買っていたかな」と藤井氏が明かすように、当時は恵まれた立場ではなかった。1997年オフにFAで西武に移籍し、さらに横浜、日本ハムと渡り歩くことになったが、それが大きなプラスになっているようだ。

 実際、2019年に2軍監督としてオリックスに戻ってきた時、当時2軍打撃コーチだった藤井氏は成長、変化を感じたという。「思い切った発想、面白い采配をするなって思いました。例えば、一、三塁で一塁ランナーに大きくリードをとらせて、わざとこけさせるサインを出し、キャッチャーが一塁へ牽制する間に三塁ランナーを突っ込ませるとかね。キャンプなどでは練習するけど、シーズン中はなかなかできないですよ」。

 送りバントが定石のケースでバスターなども駆使する“ナカジマジック”はよく“仰木マジック”と比較される。だが、「中嶋も(仰木オリックス)当時の経験が生きているとは思いますが、ちょっと違いますよね」と藤井氏は言う。「仰木さんの時は、僕も前の試合でホームランを2本打っていたのに、次の日、相性が悪いピッチャーだから外されるなんてことがありましたからね」。そう言いながら、次に明かしたのは仰木監督との思い出、初めて褒められた話だった。(山口真司 / Shinji Yamaguchi)