カタールワールドカップで決勝トーナメント進出を決めたサッカー日本代表とともに、元日本代表FW本田圭佑の解説に大きな期待…
カタールワールドカップで決勝トーナメント進出を決めたサッカー日本代表とともに、元日本代表FW本田圭佑の解説に大きな期待が寄せられている。
12月5日にカタールW杯決勝トーナメント・ラウンド16、クロアチア戦を戦う森保一監督率いる日本代表。勝利すればベスト8進出達成だ。
日本サッカーの歴史を塗り替える戦いに大きな注目が集まるが、その世紀の一戦を中継する解説者にも注目が集まっている。
元日本代表の本田圭佑がその人。11月23日に行われたグループE第1戦のドイツ戦、ABEMAで解説をするや、深い理論と勝利への熱さ、そしてユーモアを兼ね備えた解説ぶりは瞬く間に大人気を博した。手痛い敗北を喫したコスタリカ戦、またしても逆転勝利を収めたスペイン戦での解説も大きな話題になっている。
そんな本田は12月3日夕方、自身のツイッターを更新。「次のクロアチア戦も解説をやることになったみたいです。もうしばらく素人の解説にお付き合いください」と、歴史的一戦でもABEMAで解説を務めることを報告した。このツイートは、なんと42万超の「いいね」がつくほどの大反響を呼び、期待のコメントも多数寄せられている。
「超楽しみです」
「あなたの解説がないとW杯楽しめない体になっちまいました」
「サッカーに全然興味がなかったのですが、本田さんの解説の試合を観て、初めて面白いと感じました」
「本田さんを解説に起用したAbemaさんブラボー」
「日本愛を感じますよね」
そんな話題沸騰の本田の「名解説」には、視聴者が思わず唸ったり、興奮したり、時には笑ってしまう「神ワード」がいくつもある。それがSNSなどで取り上げられることで、またそのコメントが反響を呼んでいるのだ。今回は、そんな「神ワード」のいくつかを振り返っていきたい。
■本田はオフサイドディレイに疑問の姿勢
「ギュンドアン、ウザイなあ」(ドイツ戦、前半23分)
日本代表は前半、ドイツ代表を前にどんどん劣勢に。押し込められ、伊東純也と久保建英が最終ラインまで下がり、4バックのはずが6バックになっていると本田は指摘。その状況で、上手くボールを回す相手選手にかけられたのが上記の言葉だった。これは、ドイツの中盤を仕切るイルカイ・ギュンドアンが、どこでボールを受ければ日本が嫌がるかを分かっている、という意味のものだった。
本田の解説ではたびたび「ウザイ」という言葉が出てくる。スペイン戦ではセルヒオ・ブスケツに「ウザイ」認定があった。相手選手に対する誉め言葉を意味しているのだろうか。
「いります? 副審」(ドイツ戦、前半48分)
ドイツ戦の前半終了間際の48分、ドイツFWのカイ・ハフェルツが左からのクロスを流し込むというシーンがあったのだが、本田はゴールの瞬間から、「オフサイやろ、オフサイ、オフサイ」と連呼した。
その後オフサイドとなったのだが、そこで本田が語っていたのは、「副審の人が、“オフサイドじゃねえよ”みたいな雰囲気を出しているんですよ。それが一番ビックリしてます」ということ。それに対し、実況を務めたテレビ朝日の寺川俊平アナが、“オフサイドに関しては、副審はアバウトなところを全部見逃してすべてVARに任せるという方向性がある”ということを語ると、上記のワードが飛び出したのだった。
本田は、しばしば見られるオフサイドディレイについてかなり疑問を持っている様子。スペイン戦の前半24分にも相手の攻撃中にオフサイドディレイがあり、本田はかなり苛立った様子で、「遅いねん! オフサイ」「俺がラインズマンやろか」と怒りの口調で語っていた。
■相手の「穴」を瞬時に見つける本田
「ナイス」、「ナイス!」、「ナイス!!」、「ナイス! ごんちゃん」「イエス!」(ドイツ戦、後半24分)
ドイツ戦後半24分、日本代表が4連続で波状攻撃を受けたもののGK権田修一ら守備陣が防いだ際は、「ナイス」、「ナイス!」、「ナイス!!」、そして最後は「ナイス! ごんちゃん」と発し、「イエス!」と再び絶叫した。本田のなかでは、「ナイス」の上位が「イエス」ということなのかもしれない。
後半30分の堂安律の同点ゴールの際には、三笘薫が左サイドからカットインし、南野拓実に縦パスが入った時点で「イエス」。南野からシュート性のクロスが放たれた瞬間に再び「イエス!」。堂安が決めた際は「イェーーーー!!」と絶叫し、「ヨシッ!」で締めていた。グループステージの他の試合でも、日本代表選手の好プレー、得点チャンスなどで、興奮した本田からは「イエス」や「ナイス」が飛び出している。
「ほら! 4番穴やから」「今日は4番か!」(コスタリカ戦、前半13分)
世界トップレベルの戦いを経験してきた本田は、“相手の穴”を見つける能力も高い。コスタリカ戦では、4番・右サイドバックのケイセル・フレールを“穴”だと認定。前半13分、フレールがトラップをミスして、ボールがタッチラインを割った際には、「ほら! 4番穴やから」とコメントし、その後大声で「今日は4番か!」と言い放っていた。
ちなみに、本田が語った「今日は」というのは、先のドイツ戦からつながっている。ドイツ戦でも、同じく右SBに入ったDFニクラス・ズーレのことを何度も“穴”と表現していた。
■サッカー理論と「気持ち」の両面を語ることができる
「ほら、ビックリしてます。こいつの顔を見てください。“全然、ファウルちゃうやん”言うてますから」(コスタリカ戦、前半31分)
コスタリカ戦の前半31分、自陣右サイドでDF山根視来が相手DFフランシスコ・カルボに吹っ飛ばされてファウルをもらった際には、「いや~、山根さん、負けたくないんですよ。ファウルじゃない可能性もあって」と言い、「ほら、ビックリしてます。こいつの顔を見てください。“全然、ファウルちゃうやん”言うてますから」と発言。山根への注文を語りつつ、ファウルをとられたカルボの気持ちを代弁した。
「もう根性や、こっからっ!」(スペイン戦、後半49分)
スコアをひっくり返したスペイン戦の後半アディショナルタイムは7分。攻めるスペイン、耐える日本――。相手の攻撃を跳ね返し、冨安健洋が大きくクリアした瞬間、本田は、「よ~し。これでみんな声掛け合え! もう根性や、こっからっ!」と大きな声で叫んだ。そして寺川アナの「もう完全に気持ちですね?」という問いかけに対し、「いや、そらぁそうでしょ、ここまできたら」と高ぶった気持ちのまま言葉を返していた。
それまではずっとプレスのかけ方やフォーメーションなど、戦術面のことを論理的に語ってきた本田。それでも、最後に勝負を決めるのは「戦う気持ち」だ、ということを伝えたかったのだろう。それは数々の修羅場をくぐり抜けてきた男だからこそ言える、重みのある言葉だった。
試合を俯瞰して見て鋭い指摘を放つ「監督目線」、ピッチ上に自身が立っているような臨場感あふれる「選手目線」、さらには、純粋に日本代表を応援しているような熱い「サポーター目線」――。本田の解説には、サッカー観戦の楽しみ方がいくつも詰まっている。だからこそ多くの共感、そして絶賛の声が寄せられるのだろう。
本田の「名解説」を後押しに、日本代表にはクロアチア戦に勝利して、歴史に名を刻んでほしい。