ゴロ捕球の第1段階は中腰で捕球するだけ 30分でノックは5球 小、中学生向けの打撃ドリルを提案している野球スキルコーチの…

ゴロ捕球の第1段階は中腰で捕球するだけ 30分でノックは5球

 小、中学生向けの打撃ドリルを提案している野球スキルコーチの菊池拓斗さんが師と仰ぐ指導者・新谷信明さんは、米国で少年野球の監督を務めながら、15年前からアカデミーも開講。子どもたちに投球も守備も動きを分割してポイントを伝えている。技術習得に加えて怪我の予防にもつながっているという。

 米国の少年野球は日本と違い、チーム練習が短い。多くの選手が個人、または少人数のアカデミーでスキルを磨いている。菊池さんは2018年に米国へ渡り、新谷さんのもとで指導技術を学んだ。

 新谷さんは野球の動きを分割して、子どもたちに教えている。ゴロ捕球の場合、まずは中腰で構えて球を捕る動きに特化する。正面から緩いゴロを転がし、グラブに収める感覚を身に付ける。捕球までの足の運びや送球は求めないため、選手は次々と転がって来る球を捕球したら体の横に置いていく。

 捕球の感覚をつかめたら、足の動きをつけて捕球、動きながら捕球、捕球して送球に移るステップ、ステップして送球というように、段階を踏んでいく。それぞれを反復する練習がメインになるため、30分の守備練習でノックは5球程度と動きの確認が目的となる。

投球フォームも分解 体重移動の感覚は平均台を活用

 繰り返しノックを受けて守備力を上げる日本と違い、米国では動きを分けて段階的に練習する方法は珍しくないという。新谷さんは「早い時期から一連の動きで練習すると、どこに課題や問題があるか見えにくくなってしまいます。少しずつステップアップするやり方は、子どもたちが上達や成長を感じられると思います」と説明する。

 投球フォームも分割して習得する。特に大切な軸足から踏み出す足への体重移動の動きでは、平均台を使うこともある。平均台の上に立ち、軸足から体重移動した際に踏み出した足、一本だけで3秒程度止まれるようにする。地面で練習するよりも体重移動の感覚が分かりやすく、平均台の上で上手くできるようになれば、マウンドでは容易に感じられる。

 動きを分けるメリットは怪我の予防にもあるという。捕球の練習をする時に送球まで行うと、消耗品と言われる肩や肘に負担がかかる。投球練習も同じで、体重移動に重点を置く練習では球の代わりにタオルなどを用いれば、球数を抑えられる。新谷さんは「年齢によっては、ある程度の球数を投げる時期が必要になりますが、故障のリスクを減らす意識は重要だと思います」と話す。

 送球の課題は捕球に問題があるケースもある。動きの分割は改善点を発見し、重点的に練習する選択肢となる。(間淳 / Jun Aida)