優勝へ足りないもの「日本シリーズを見ていて感じたことがあると思う」 昨季最下位から今季2位に躍進したDeNA。首位のヤク…

優勝へ足りないもの「日本シリーズを見ていて感じたことがあると思う」

 昨季最下位から今季2位に躍進したDeNA。首位のヤクルトにも、最大17.5ゲーム差から巻き返し4ゲーム差まで肉薄した時期があった。来季は1998年以来25年ぶりのリーグ優勝を本気で目指すが、2連覇中のヤクルトとの差はどこにあるのか。3年連続打率3割を達成した宮崎敏郎内野手の見方は……。

 6年契約の1年目を終えた宮崎は10月31日、横浜スタジアムで契約を更改し、現状維持の年俸2億円プラス出来高でサイン。更改後の会見で“優勝するために足りないもの”を問われると、「チームとしてこういう風にやっていった方がいいということは、日本シリーズを見ていても、選手個人個人感じたことがあると思う」としつつ、自身の見解については「秘密です」と明かさなかった。

 ただ、ヒントはある。10月9日に行われた阪神とのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦。1-0とリードして迎えた7回、無死一塁で打席に立った宮崎は投前に送りバントを決めた。結局得点にはつながらなかったものの、プロ10年目にして1軍戦で初めて犠打を記録したのだ。

 レギュラーシーズンではプロ入り以来10年連続で「犠打0」に終わったが、新たに名伯楽の石井琢朗野手総合コーチを迎えた今年、春季キャンプのシート打撃で宮崎が送りバントを決める姿を見て、「DeNAは本気で変わろうとしている」と感じ取った球界関係者は多かった。

犠打数、盗塁数は増え、三振数は減少…なりふり構わずつなぐ野球へ

 実際、DeNAは持ち味の連打や長打頼みから、機動力と小技を絡めて1点ずつを取る野球へシフトしつつある。昨季リーグ5位の81個だったチーム犠打は、今季102個(同4位)に増えた。盗塁も昨季リーグワーストの31個から今季同5位の49個に。盗塁刺がリーグ最多の39個に上っており、盗塁企図数は昨季の58個から88個に激増。まず走る“意欲”を見せた姿勢は買える。チーム三振数は昨季同4位の1028個からリーグ最少の932個に激減し、粘り強さを見せたことも特筆される。

 就任2年目の三浦大輔監督はシーズン中、何度も「まだまだうまくいかないこともあるが、継続していくことが大事」と口にした。今季もリーグ2位のチーム打率.251をマークしながら、4位の497得点にとどまり、効率のいい攻撃ができたとは言えない。リーグ3位のチーム打率.250ながら、断トツの619得点を叩き出したヤクルトには遠く及ばなかったが、来季以降の方向性は明確だ。

 また、三浦監督はシーズン後半“天敵”である右の下手投げの阪神・青柳晃洋投手が先発する試合では、宮崎をスタメンから外した。宮崎は「使って下さるか、スタメンを外れるかは、監督さんが決めることですが、常に自分に対する配球、球種を考えてはいます」と語ったが、選手の格にこだわらず、シンプルに勝てる確率を模索する姿勢を打ち出した。

 投手陣は昨季リーグワーストの4.15に沈んだチーム防御率を、今季は3位の3.48へと改善した。それだけに、攻撃面でなりふり構わずつなぐ野球が成熟すれば、いよいよ1年後の美酒が現実味を帯びる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)