継続路線で開幕ダッシュを狙うも6試合を終えて2勝4敗 バスケットボールB1リーグのシーホース三河は昨季、選手が大幅に若返…

継続路線で開幕ダッシュを狙うも6試合を終えて2勝4敗

 バスケットボールB1リーグのシーホース三河は昨季、選手が大幅に若返ったなかでチャンピオンシップ(CS)出場にあと1勝というところまで成長を遂げた。今季は新加入選手が3人のみ。継続路線で開幕ダッシュが期待されたが、2勝4敗と思わぬ躓きにもがいている。

 もちろん、長いシーズンのなかで結果の出ない時期もあるだろう。気がかりなのは、選手の多くが「迷い」を口にしていることだ。

「みんながああしたい、こうしたいと思っているので、そこでチームが上手く回っていないのが今なんじゃないかなと思います」(10月8日仙台戦後・西田優大)

「ちょっと迷っている部分があって。メンバーはあまり変わっていないんですけど、新しい選手が入って上手くいったり、いかなかったりといろいろあるなかで、みんなが考えながらやっているので、そこで迷いが出ている」(10月15日京都戦後・長野誠史)

「正直、自分たちが何をやっているのか分かっていない状況で、オフェンスもそれぞれがそれぞれのやりたいことをやってという形で……」(10月16日京都戦後・シェーファー アヴィ幸樹)

 冒頭で今季は“継続路線”と書いたが、昨季は途中で外国籍選手の怪我もあり、前半のディフェンシブ重視のスタイルから後半はオフェンスチームへと大きく変化した。今季の土台となっているのは、アンソニー・ローレンス iiが加入した2月から作り上げてきたチームで、まだまだ課題も多い。

 個で打開できる選手が揃い、平均得点は1月までの80.3点から2月以降は85.5点と得点力は上がったが、個の力で解決しようと半ば強引に攻めてオフェンスのリズムを崩す場面も多く、良い時と悪い時の波が大きかった。

 今季からキャプテンに就任したベテラン・柏木真介は、こうした課題を改善し、CS出場を勝ち取るためには2つの変化が必要だと語る。

「若い選手は経験がないので、去年はどう立て直していいか分からず、個で戦う傾向が強かった。チームで戦う意識、我慢の仕方。昨年経験したことをどう活かしていくのかが大事で、まずはチームとして同じ方向を向いて40分戦う意識に変えていく。もう一つは、若い選手が自覚と責任を持ってプレーすること。そこも去年足りなかった部分なので、若い選手が中心になって引っ張っていけるようサポートしていきたい」

 開幕前の準備は順調に進んでいた。CSを逃した悔しさを味わった若手選手は、例年より早く個人練習を開始。プレシーズンに唯一公開されたKBL(韓国バスケットボールリーグ)原州DBプロミとのトレーニングゲームも、全員が揃って1週間ほどだったが、新加入のカイル・オクインが西田、角野亮伍らのカットインに絶妙なタイミングでパスを供給するなど、新たなチームの形が随所に見られた。ファン・ブースターも、そして誰よりも選手たち自身が期待感を持って開幕を迎えたはずだった。

西田らが見出した苦境を抜け出す手がかり

 ところが、開幕から3連敗。「もっといけるんじゃないか、もっとできるんじゃないか。去年上手くいっていたことが今年になって上手くいかないと感じる部分はありました」(西田)、「あの時(原州戦)の感じでやれば絶対いいのに、なぜできなくなったのかが俺らにも分からない」(長野)と、選手も期待と現実とのギャップに戸惑った。それが迷いとなり、それぞれがなんとかしなければと思えば思うほど、個で解決するという昨季の悪癖が顔を出し、さらなる悪循環を招いた。

 迷いの中にも、分かっていることもある。

「まだ合わない部分もあると思いますが、それでも共通してできるものはディフェンスだと思うんですよ。今日は出だしから全員がそこを意識して勝てたというのは、チームとして少しずつ形が見えてくるんじゃないかと思うので、継続してやっていきたい」と、西田は今季初勝利を挙げた仙台89ERSとの第2戦後、苦境を抜け出す手がかりを見出していた。

 続く京都ハンナリーズとの第1戦は、第1クォーターに2桁のビハインドを許す重い立ち上がりとなったが、途中出場の長野がディフェンスから悪い流れを変え、74-69と連勝を飾った。

 翌日の京都との第2戦は63-76と逆転負けを喫して、一気にトンネルを抜けることはできなかった。それでも、チーム全体の3ポイントシュート確率が26.8%でリーグ最下位と苦戦するなか、エースとして期待される西田が「ディフェンス」で、柏木キャプテンから”非公式“に副キャプテンに指名された長野が「コミュニケーション」で、チームを牽引しようという意志を示したことは変え難い収穫だ。

「今季はエースとして自分がやらなきゃという思いもあります。負けた試合でも自分がディフェンスを頑張ったところから流れが来たタイミングがあったので、違う形でチームを引っ張ることができたと思います」(西田)

「自分はキャプテン系とかそういう感じではないのですが、ここ何試合かコートで喋る人がなかなかいないので、ガードから常に声を出していこうと話しています。(声を出したり、ハドルを組んだりすることを)続けていきたいと思いますし、自分の役割はディフェンスから走ってリズムを変えることなので、全試合通してやっていきたい」(長野)

 こうした明るい兆しも結果につながらなければ、このままズルズルと泥沼に陥ってしまう危険性は高い。ここからの川崎ブレイブサンダース戦、三遠ネオフェニックス戦で、是が非でも勝利という結果を出したい。(山田 智子 / Tomoko Yamada)

山田 智子
愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。