今週は阪神競馬場で秋華賞(芝2000m)が行われる。

かつては大波乱の代名詞と言えるレースだったが、近年の勝ち馬にはショウナンパンドラ、アーモンドアイ、クロノジェネシスなど古馬になっても活躍した名牝がズラリと並ぶ。JRA屈指の出世レースと言って差し支えないだろう。

ここでは、過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをもとに、有力馬と穴馬候補を紐解いていく。

◆【秋華賞2022予想/データ攻略-後編】“波乱の使者”候補は想定10人気前後 「馬券内率100%」が強力後押し

■二冠馬スターズオンアースを後押しする「馬券内率100%」

7番人気だった桜花賞で勝利を飾り、返す刀で樫の女王に輝いたスターズオンアース。これまでジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクトなどが達成した牝馬三冠の称号を得るべくこの舞台に駒を進めてきた。

軽度のものとはいえ骨折明けとなる今回。過去の三冠牝馬と比較した際に順調さの部分での気がかりはあるが、不安要素を吹き飛ばす追い風となるデータをお伝えしたい。

・オークスで2着に0秒2差以上勝利【3.0.0.0】

ジェンティルドンナ、メイショウマンボ、そしてアーモンドアイが該当馬。怪物級の強さを誇った馬が目立つなか、異彩を放つのは秋華賞で単勝3番人気にとどまっていたメイショウマンボだろう。一定のスタミナが要求される秋華賞において、オークスで2着に0秒2差以上勝利が持つ価値は計り知れない。

今年の舞台は阪神芝2000mだが、昨年の勝ち馬アカイトリノムスメはオークス2着馬。傾向がガラリと変わったというわけではない。秋の牝馬トライアル戦を見るより春の勢力図に大きな変化は感じられず、デアリングタクト以来となる牝馬三冠獲得への視界は良好だ。

■ナミュールが持ちうる「中2カ月以上の休み明け」という強力データ

春はチューリップ賞を制したものの、桜花賞10着、オークス3着と能力を発揮しきれなかったナミュール。当時先着を許した馬が勢力図そのままに出走する点から厳しいのでは……そうしたネガティブな声は以下のデータがかき消してくれるだろう。

・新馬戦を含む中2カ月以上の休み明け成績【3.0.0.0】

特筆すべきはその3戦の内訳。ラスト2F10秒8-10秒7の加速ラップで突き抜けた新馬戦、上がり3F33秒0の脚でスターズオンアースに0秒5先着の赤松賞、スムーズさを欠きながら上がり最速勝利のチューリップ賞。いずれも完勝と言い切れる内容だった。

オークスを振り返ると、当時の東京芝はインが伸びない馬場コンディション。そのなかでインを突いた戦法がマイナスに働いた可能性は否定できない。外差しがバンバン決まっていた阪神芝の馬場傾向を鑑みたとき、ローテーションが味方するこの馬がスターズオンアースの三冠阻止にもっとも近いと言えるのかもしれない。

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▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「2022秋華賞-データ分析編」

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。