3歳牝馬三冠の最終戦、GI秋華賞(阪神・芝2000m)が10月16日に行なわれる。注目されるのは、春のクラシック二冠を…
3歳牝馬三冠の最終戦、GI秋華賞(阪神・芝2000m)が10月16日に行なわれる。注目されるのは、春のクラシック二冠を遂げたスターズオンアース(牝3歳)の三冠達成なるかどうか、だ。
GI桜花賞(4月10日/阪神・芝1600m)が7番人気、GIオークス(5月22日/東京・芝2400m)が3番人気と、いずれも1番人気ではなかったが、オークスの勝ちタイム2分23秒9は、2018年の三冠牝馬アーモンドアイがマークした2分23秒8とはわずかコンマ1秒差。これ以上速いタイムで勝ったのも、ラヴズオンリーユーとジェンティルドンナのみで、その能力は歴代の名牝と比べても劣らないレベルと見ていい。
ならば、史上7頭目となる三冠牝馬誕生の可能性はかなり高そうだ。が、スターズオンアースはオークス後に骨折。両前脚の骨片摘出手術を受けており、決して万全な状態での三冠挑戦と言えず、不安要素は拭えない。
そうなると、他の馬にもチャンスが巡ってきそう。そこで気になるのは、京都競馬場の改修工事によって開催日数が増えている阪神競馬場の馬場状態。デイリー馬三郎の吉田順一記者は、その点についてこう語る。
「阪神競馬場は、春開催の最終週に行なわれた宝塚記念の前に、芝のAコース部分となる約6200㎡、そして開催終了後にBコース部分を中心に約1万4900㎡の芝の張り替えを実施しました。さらにその後、クッション確保のためにエアレーションとシャタリング作業も行なわれ、秋開催開幕週となった先週の馬場はとてもいい状態にありました。
ただ、今週末の天気は下り坂予報。レース中に雨が降って、その降水量次第ではどういった馬場になるか、読みきるのは難しいところです。いずれにしても、(狙い目には)渋化した馬場にも対応できる馬もチョイスしておきたいですね」
馬場のよさを鑑みると、タイプとしては逃げ・先行が有利と見られるが、その辺りについて、吉田記者はこんな見解を示す。
「GIですし、舞台設定からしても、各馬が色気を持って早めに動き出しそう。実際、GIII紫苑S(9月10日/中山・芝2000m)でハナをきって2着に粘ったサウンドビバーチェ(牝3歳)など、先手を狙ってきそうな馬がちらほらいます。
あくまでも天候次第ですが、そういった流れになると、一瞬のキレ味で勝負する馬には厳しい感じがします。それでも、適度に上がりがかかる展開になれば、タフなレースに対応できる差し、追い込み勢にもチャンスが巡ってくるのではないでしょうか」
そういった状況を踏まえて、吉田記者は「有力どころでは、キングカメハメハ産駒のスタニングローズ(牝3歳)が面白そう。オークス2着は決してフロックではありません」と、前哨戦の紫苑Sを快勝したスタニングローズを有力視する。
そのうえで、穴馬候補には2頭の名前を挙げた。
「週末の天気予報は読みづらいですが、もし日曜日まで天気が持てば、まずウインエクレール(牝3歳)が狙い目です。
関東馬ですが、先週の追い切り後に栗東に輸送されました。10月9日には坂路で大きめに動かし、12日の最終追い切りでは、鞍上の松岡正海騎手が美浦から駆けつけて、CWで機敏な動きを披露しました」
春には、オークストライアルのリステッド競走・スイートピーS(5月1日/東京・芝1800m)を快勝して優先出走権を獲得したが、陣営は将来性を重視してオークスをスキップ。秋に備えてきた期待馬だ。
「まだキャリアが浅く、やや重のスイートピーS、洋芝の札幌遠征といったローテーションによって、目立った走破時計もマークしていません。これが、この馬の本質を見誤らせています。
父はディープインパクトで、回転の速いピッチ走法が売り。470kg前後の馬体重で、体長がある分、ストライドが多少なりとも稼げるのもプラス要素です。ここ2走の行き脚や、道中の折り合いから、位置取りも自在に運べる算段。軽い芝でなら、これまで秘めていた能力が開花する可能性が多分にあります。
半兄には香港でGIを2勝したウインブライトがいますし、穴としての魅力は十分です」

秋華賞での一発が期待されるメモリーレゾン
吉田記者が推奨する伏兵候補の2頭目は、メモリーレゾン(牝3歳)だ。
「オルフェーヴル産駒で、馬場が渋るようなら面白い存在。2走前に2勝クラスの北海ハンデキャップ(6月11日/函館・芝1800m)を古馬相手に完勝し、前走ではトライアルのGIIローズS(9月18日/中京・芝2000m)で5着と健闘しました。
馬体重は450kg前後の馬ですが、上質な筋肉を身にまとっていて、馬体重以上のパワーを秘めています。立ち気味のつなぎは短めで、掻き込みの利いたフットワークには魅力を感じます。
ローズSで、一線級が相手でもそれなりにやれることを証明。1週前追い切りでは、坂路で迫力十分の走りを見せて、50秒5-11秒9の好時計をマークしました。状態面の上積みも大きく、馬場の助けがあれば、一発あっても不思議ではありません」
春のGIシリーズでは1番人気が勝てずに終わり、秋のGIシリーズも開幕戦のスプリンターズSでは8番人気の伏兵が勝利して波乱の幕開けとなった。この流れからすると、秋華賞も"荒れる"可能性は十分。ここに挙げた穴馬候補2頭がアッと驚く激走を見せてもおかしくない。